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# verse - 4

 # verse - 4

「うぅ……」

「あ、愛莉ちゃん……元気出してください」


 オーディション後の帰り道。夕日に染まる住宅街を背に、愛莉は肩を落として歩いていた。道中、幾度となく紫乃が慰めてくれたのだが、沈んだ気分は一向に浮上する気配を見せないでいる。


「大丈夫ですよ。まだ結果は出てないんですし」

「だって……だって……」

「そ、そんなにダメだったんですか……?」

「……」


 思い出しただけでもイヤになってくる。神様が時間を巻き戻してくれるのなら、大好きなフルーツタルトを一生禁止されても構わないとさえ思えるぐらい、愛莉の面接審査は散々なものであった。

 質問には見当違いな答えを返してしまうし、それ以降は焦ってまともに話すことすらできなかった。一緒のグループだったサイドテールの女の子が、破天荒ながらも十分に魅力を発揮していただけに、自分の不甲斐なさと本番での弱さを改めて認識したことだけが唯一の収穫となったのだった。


「……紫乃ちゃんはどうだったの?」

「私ですか? 私は、これといったことはなかったです。元からただの数合わせだったので」

「……でも、戦闘態勢に入ってたじゃん」

「ああ、ごめんなさい。何だか、思っていた以上に緊張してしまって。でも、社長さんすごくおもしろい人でしたね。アカペラでいいから歌を聞きたい、と言われてしまったので歌ったんですけど、途中から社長さんも一緒に歌いだしてしまって」

「……」

「あ、愛莉ちゃん……?」

「ああ、もうダメだ! 紫乃ちゃん、どっかでケーキ食べて帰ろう! 甘いもの食べまくってやる! 体重なんて知ったことか!」

「愛莉ちゃん!? いくら何でもやさぐれないでください!」

「いいの! こうでもしないと腹の虫が治まらないよ! 目指すはケーキバイキング! 愛莉、いっきまーす!」

「こんな時間にやってるとこあるんですか!? あ、愛莉ちゃん待ってください!」

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