デスノートを拾ったら/プールサイドの電話
【デスノートを拾ったら】
お題:「デスノートを拾った」から始まる3ツイート以上8ツイート以内のSSを書いてください(1ツイート100字以上)
【プールサイドの電話】
お題:騒がしいプール が舞台で『林檎』が出てくるご飯を食べる話を1ツイート以内で書いてください。
【デスノートを拾ったら】
デスノートを拾った時のために、僕はあらかじめ殺したい相手をノートに書き留めておいた。
僕の知っている人間には、死んで欲しい奴なんてたくさんいる。しかし、いざ手にすると頭が真っ白になるだろう。そういう時のために、転記するだけで済むよう、しっかりメモしておくのだ。
クラスの不良、僕にすぐあたる隣のクラスのバカ、秀才気取りの学年トップ、嫌な担任、成績ばかり気にする両親、ネットで知り合ったアホども……。知る限り、とにかく書きまくった。
とりあえず殺したい相手だけを書き終わると、次は少し腹が立つ奴も書き始めた。
しかし、これが「殺したい人間リスト」というのがばれてしまうのはまずい。授業に使うノートと同じようなノートを準備し、表表紙には何も書かずに教科書と一緒に机の中に入れた。
授業中も、思いつく時にはすぐにノートを取り出し、名前を書いていく。こうしてリストは出来上がっていく。
当然、デスノートなんて架空のアイテムを拾うことなんてないだろう。たまたま窓際だったので、授業中、たまに校庭にノートが落ちてないかと見ることがある。もちろん、そんなノートなんて落ちているわけがない。
しばらくはそんな感じだったが、書く人間もいなくなり、徐々にノートに書く頻度が減っていった。
くだらない高校生活を送っていた僕だったが、ある日好きな女の子ができた。笑顔がステキな、誰にでも優しくしてくれるかわいいクラスの女の子だ。
その女の子を振り向かせるために、僕はいろいろと研究した。身だしなみや勉強もそうだが、恋のおまじないも試すようになった。
その中の一つに、「ノートいっぱいに好きな子の名前を書いて机に入れっぱなしにし、そのままばれずに二週間後に消しゴムで全部消すと両想いになれる」というものがあった。
僕は机にあった、適当なノートの空いたページに、その子の名前をぎっしりと書いて机に入れた。
次の日、何故かその女の子が僕の机の前に立っていた。
「おはよう、どうしたの?」
僕が声を掛けると、女の子は慌てて僕の方を振り向いた。
「あ、ご、ごめんね。机からノートがはみ出てて、何のノートかなって、気になって思わず見てしまったの」
そのノートは、女の子の名前が書かれたおまじないノートだ。
「その、おまじないで、好きな人の名前をノートに書いて、二週間後に消すと両想いになれるって聞いて……」
僕は思わず本音を漏らした。赤くなる僕の顔を見て、女の子は不思議な顔をした。
「へぇ、こんなにいっぱい、両想いになりたい人がいるんだ」
女の子の名前を書いたノートは、殺したい人間リストのノートだった。
【プールサイドの電話】
屋内プールに遊びに行き、プールサイドで休んでいた。昼食にリンゴを食べていると、突然母親から電話がかかってくる。
「あんたどこにいるの? てか、シャリシャリ言ってるけど何か食べてるの?」
騒がしくてきちんと聞き取れなかったが、とりあえずこう答えた。
「あっ、プール」
最近、こういうお題をもらって小説を書く、ということをやっていなかったので、随分と腕が落ちてしまいました。やはり定期的にこういうのをやっていく必要があるものですね。
【デスノートを拾ったら】
書きはじめとツイート数が指定されていたのですが、さすがにデスノートをそのまま絡めるのはどうかと思ったので、今の世界でも起こりそうな中二設定で。なんか先が読めてしまうあたり、腕が落ちたのではと実感しています。
【プールサイドの電話】
お題を見て、「1ツイートとか無理だよ!」とか思ったのですが、他のお題に救われました。