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〝No AnsweR〟  作者: KeiTa
18/18

Epilogue


 最終話です。ありがとうございました!



 二週間後

 

 私は何気ないように目を覚ました。悪名高いこの街の夏は過ぎ去ったのか、熱くはない。少し開けた窓の隙間からは、心地よい秋風が吹いていた。

 最高の気候だ。秋雨前線はまだ到来していない。残暑も過ぎ去り、つかの間の休息と言った感じか。こんな日にはいいことがありそうだなと、そう思ってしまった。それほどいい天気なのだ。

 私の朝は早い。自分でもそう思う。朝練をしている生徒より早いかもしれない。もう習慣なので、今更どうとかないのだけれど。

 夏休みは終わり、文化祭が近づいてくる。今日は祝日だが、その準備のために集合がかかっている。いや、正しくは、集合を掛けたのは私だ。

 今日集まるのは夏休みが始まる前に配った予定表に書いてある。何より、

 

 十数分ばかりの通学路を終えて、私は学校へ着いた。


 歩きなれた校舎の廊下を進んで階段を上がる。四階まで上がると私は足を止めた。


 笑い声が聞こえてくる。


 一つではなく、たくさん。


 声の出どころは、生徒会室。確認するまでもなかった。


 

 私は笑顔を浮かべていいのか。


 いやいや、あれはきっと夢だ。私としたことが、夢と現実の区別がつかないなんて。呆れてくる。


 しかし、あれは本当に夢なのか……


 私の疑問は、生徒会室の扉に手を掛けたときに、確信へと変わったのだった。




「あ、真紀おはよう……って、泣いてる!?」

 優ちゃんが驚いた表情で私を見ていた。

「え……?」


「真紀どうしたん?」

 香坂もこちらへ寄ってくる。


「海人が泣かした!?」

 すると須堂が茶々を入れる。

「まてまて」


「なんで泣いてるんだよ……」

 遠野が呟いていた。


 みんなの声が暖かく、私に突き刺さった。


 それは、安心と、彼らに対する申し訳ない気持ちを感じているという事だろう。



 泣いている私がいる以上、あれは夢ではなく現実だったのだ。しかし、もうすべて終わったことであり、私以外は覚えてもいなさそうだ。思い出されたら怖いが私が黙っていれば大丈夫だろう。


「目にゴミが……ね」


 どこかで聞いたような言い訳のようなことを言って、私は席に着いた。置いてあった議事録を開き、一同に声を掛ける。


「じゃあ、準備について確認しようか」


 この一週間、議事録はしっかりと記されていた。





  Thank you for reading.






 初めての完結とあって、多少の感動がありますね。

 お気に入りとかしてくれるとうれしいです。

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