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〝No AnsweR〟  作者: KeiTa
13/18

〝使命と存在〟



 Day『?』



 気づけば俺は校門の前にいた。どうやら夢を見ているらしい。感情とは関係なく事が進んでいく。何とも奇妙な気分だ。

 俺が俺を見ている。それも、俺がだれかと話している場面を……。


「久しぶりだね、ここ最近ずっと喋ってなかったよね」


 声の主はそう言った。俺が見ている俺という存在へ向かって。懐かしくも、見慣れた顔だ。ややかすれながらも綺麗な声の少女に俺は返事を返していた。


「あぁ、言われてみればそうだな」


「うそ。自分でも気づいてたんでしょ?」


「知るかよそんなこと」


「なんか顔色悪いね」


「疲れてるだけさ」


「全部知ってるよ」


「え?」


「あなたが何をしているのか。どう考えているのか」


「何の話かさっぱりだ」


「ホントにウソをつくのが下手だね」


「……ちっ。おまえには適わないよ」


「やっぱり当たってたんだ」


「俺、どうすればいいかな」


「う~ん。よく分からないんだけど、

 今していることは良くないことだと思うよ」


「早く終わらせないと、

 俺が終わらせないと、取り返しがつかなくなるだろう!」


「声を荒げないで。落ち着いて。

 使命にとらわれちゃ、見えるものも見えてこないよ」


「だけど……」


「もう時間がないなぁ」


 ―――待ってくれ。



 俺はそう言いたかった。しかし俺の声は出ない。俺は傍観者で、言えば自分自身は彼女と話してはいない。もう話すことが出来ない存在なのだ。

 

「もう少しで、答えが出そうなんだ……」


「答えは、出ないと思うよ。それは誠次の力が及ばないとかじゃなくて、そんなことじゃないというか……あ、もう行かないと」

 

 「そうか、もうしばらく会えないよな」


 「そうだね、でも、私の心はみんなと同じだよ」


 体感しているのは俺であって俺ではなかったが、心は同じく悲しかっただろう。彼女とはもう会えないだろうと。そう言った思いが廻ってくるのだ。

 

 事件に関わりのない、生徒会の一員。

 それが彼女、九条アヤノ であった。




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