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エイシスト  作者: 翔陽
32/39

光と闇


荒野の中心で——


神と反逆者の戦争が始まった。


空に浮かび始める天照の周囲に、

無数の"光"が生まれる。


それはまるで、小さな太陽。


夜空が、完全に昼へと変わる。


「焼き尽くせ。」


静かな一言。


次の瞬間——


オリエント達の頭上から、

"光の雨"が降る。


荒野が揺れる。


地面がえぐれ、砂が蒸発する。


ハザエルが飛び退く。


「っ!!」


「おいおい!」


「これ全部直撃したら、死ぬぞ!」


アリトンが叫ぶ。


「"拒絶"!!」

その言葉を放つと、

"光の雨"がアリトンを避ける。


だが——


オリエントは動かなかった。


ゆっくりと左腕を上げる。


「ペイモン。」


その一言で


"黒いもや"が荒野へ広がった。


ペイモンの瞳が暗く光る。


「……恐怖は、人の本能だ。」


"黒い靄"が空へ伸びる。


そして——


"光の雨"に触れた瞬間。


その光が、"歪んだ"。


ハザエルが笑う。


「おいおい……」


「神様もビビるのか?」


ペイモンが静かに答える。


「違う。」


「恐怖を知るのは——」


天照を見上げる。


「生きている者だけだ。」


天照の瞳が細くなる。


「くだらん。」


その瞬間——


"光柱"が落ちた。


直径十メートルの光が


オリエントへ直撃する。


轟音。


荒野が爆発する。


砂煙が空へ舞い上がる。


ハザエルが舌を鳴らす。


「終わったか?」


煙の中から声がした。


「いや。」


煙がゆっくり裂ける。


そこに立っていたのは——


オリエント。


彼の頭上には、


巨大な"靄"が浮かぶ。


靄が、闇が、光を侵食する。


否———

光が"減速"する。


天照がつぶやく。


「……それがお前の"力"か。」


オリエントは笑った。


「これは、俺のじゃない。」


ゆっくり左手を握る。


「これからだ。」


その瞬間——


天照が何かに"押し潰される"。


"光"が歪んでいく。


そして


荒野全体が


ゆっくり沈んでいく。


ペイモンが笑う。


「準備はしてきた。」


ハザエルがナイフを構える。


「神狩りの準備だ。」


アリトンが小さく呟く。


「……来る。」


オリエントの"力"を物ともせず、

天照の周囲の"光"が、


さらに強くなる。


夜空に———


巨大な"太陽"が現れる。


荒野の温度が急上昇する。


「人間。」


天照の声が響く。


「理解していないようだ。」


光が収束する。


その中心に、


"光の槍"が生まれる。


「神とは——」


槍が構えられる。


「世界そのものだ。」


次の瞬間。


"光の槍"が放たれる。


オリエントは笑った。


「そうかよ。」


拳を握る。


「なら——」


オリエントの前方で———

重力が"歪む"。


荒野がきしむ。


「世界ごと壊してやる。」


光と闇の正面衝突。


その衝撃で——


夜空が割れた。


荒野が輝く。


ヒカリノ大陸が揺れる。


そして


その戦いを、


まだ何も知らない少年が


感じ取っていた——。


「———なんだ?」


「揺れた?」


———ヒカリノ大陸、街の住宅街。


住民達が窓から、外を確認する。


年老いた男が、目を覚ます。

「もう、朝か?」

「いいえ、まだ、夜ですよ。」


「じゃあ...あの光は...」

「なんでしょうね...」


「もしや、祈神様か?」


「祭りが来るのを、喜ばれておるのか?」


"光"を確認したヒカリノの民が、

手を合わせ、祈り始める。


 「おぉ...祈神様...どうか...」


一人、また一人と———


祈りが集まる。


"光"が強くなる。


まるで、

世界そのものが、天照を支えているようだった。



———東の荒野


集まった祈りが、

より一層、その"光"を大きくする。


四人の前には、大きな穴が空いている。


掌で光を抑えるペイモン、ハザエル。

「くそっ...眩しすぎる。」


「目をつぶっても、入ってきやがる。」


「アリトン、どうにかしてくれ。」


アリトンが二人の前に立ち、

両手を伸ばす。


「光を"拒絶"する。」

三人の前で"光"が止まる。


ハザエルが眼を抑える。

「だめだ、眩しいのは眩しいままだ。」


その時———


「なぁ、お前らは、」

「俺を信じるか?」

三人を振り返ることなく、オリエントが問う。


「当たり前だ。」

声が重なる。


「だろうな。」

三人の言葉と共に、

オリエントの左手に力が入る。


「堕ちろ。」

掌を握るオリエント。


同時に、地面へ"落下"する音。


———ズドン。


「.....やるねぇ。」

ハザエルが、その様子を見に行く。


「........貴様———」

落ちたのは天照。


オリエントを睨みつける。


すると、両手を伸ばす。


天照の掌の前に"光"が集まる。


それを、右手が握りしめる。


そして、開く———


途端、"光の線"がハザエルを貫く。


「———っ......!!」

衝撃に膝をつくハザエル。


「おいっ!大丈夫か!?」

叫ぶペイモン。


ハザエルは脇腹を抑えていた。

「あ、あぁ...」


「バカが、引っ込んでろ。」

呆れるオリエント。


「くそがっ.....」

「"服従"させてやる。」

オリエントの言葉も虚しく、

天照へ向かって、走り出すハザエル。


「待てっ!」

ペイモンの言葉は届かない。


ナイフを握りしめる。

眼は見開く。

「服従しろっ!」


ナイフを振りかざす。


ハザエルの突撃。


天照の周りには、小さな"光の粒"。

「———貫け。」


その"粒"が、ハザエルを襲う。


「ハザエルっ!」

叫ぶペイモン。


その声は彼に届かない。


ハザエルの身体からは、

血飛沫ちしぶきが舞う。


———バタッ。


地に伏せる体。


「———ペイモン....」

オリエントが呟く。


「あぁ....」

「許さん。」


"拒絶"された空間から抜け出し、

ペイモンは、"黒い靄"を放つ。


"靄"が天照を襲う。


「邪魔くさい。」

天照から放たれた"光柱"が、

"靄"を切り裂く。


「その程度か。」


「うるせぇな、」

「これからだって言ってんだろ!」

オリエントは叫ぶ。



祈りの束は天照が圧倒する。

その"力"も———


だが、闇はより深く、

荒野に広がる。


光と闇。


その戦いは———


まもなく、終わりを告げる。








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