表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エイシスト  作者: 翔陽
25/39

輝く大地


ここはヒカリノ大陸の北西に位置する大陸

——ベルグラド。


他大陸からは

「進軍大陸」

「止まれぬ地」

そう呼ばれている。



朝日が大地を照らす。


大陸の中心に、ひときわ高くそびええ立つ礼拝堂。

内部には、凛々《りり》しく、たくましい男の像がまつられていた。


礼拝堂の正面には、

太く、真っ直ぐに伸びる大路おおじ


——この街は、前に進むために作られている。



「ジョン、今年もこの季節が来たな」

「あぁ。立派に行進しようぜ」


「……でも、あの匂いだけはな」

「何年経っても慣れねぇよ」


軍服に身を包んだ男たちが、

苦笑しながら言葉を交わす。



——動神祭。

またの名を、アランリビア。


ベルグラドの兵士たちが、礼拝堂を目指し、街を行進する。

この大陸最大の祭事。


ベルグラドの中心の街は忙しそうだ。



「おい、リヘ。エールの準備はできてるか?」


前掛けを締めた中年の男が

同じく前掛けを締めた女の子に声をかける。


「お父さんも手伝ってよ」

「酒蔵から運ぶの、大変なんだから」


「なら男手を雇うか」

「あと三日しかない」

「今日も客が押し寄せるぞ」


「もう……」


リヘはため息をつきながらも、手を止めなかった。



街の酒蔵もまた、あわただしい。


「おい、エール足りるか?」

「蔵の分は全部出しちまったぞ」


「分からん」

「隣の蔵も、もう空らしい」


「まぁ、なんとかなるだろ」


「……俺たちの分は?」


「…………」

「酒屋に走るか」


「おいおい……」



街の一角にある一軒家。

とある夫婦が会話をしていた。


「母さん、用意は?」

「ええ、全部整えましたよ」

「ジョンの晴れ舞台ですもの」


「立派に育ったもんだ」

「俺は引退したが……羨ましいよ」


「本当によく頑張りましたね」


「……あぁ」



——ここは街から然程さほど遠くない場所に位置する、ベルグラド第一基地。


「ジョン、第一で良かったな」

「他だと選抜だった」

「参加できない可能性もあったしな」


「確かに」


ジョンは壁掛け時計を見る。


「そろそろだ」

「行くぞ」



基地広場。


三十万——

いや、五十万を超える兵士が、寸分の狂いもなく整列していた。


圧倒的な光景。


観閲台かんえつだいに立つ指揮官が、号令を放つ。


「——アローガ!」


一斉に歩調が揃う。

地鳴りが、まるで歓喜するかの様に大地が震える。


———


「——へーロ!」


途端、地響きが止む。


指揮官は言い放つ。


「動神祭は三日後!」

「気を引き締めろ!」


そして、統制された声が響き渡る。


「——ルソ!」


その声は、大陸の外にまで届いた。



——ヒカリノ大陸。


街中、高層ビルの屋上。


そこには、アルゴスと、ましろの姿。


「昨日、ずっと探してた」

「……やっと見つけた」


ましろの視線が、アルゴスを射抜く。


「……」


「昨日、いつきと一緒にいた四人」

「知ってるでしょ?」


「あぁ……」


「居場所を教えて」


「危険だ。」


「だからよ」

「いつきが危ない」

「私が止める。」


「全員、“力”を持っている」

「それでも一人で行くのか?」


「関係ない——」


ましろを見たアルゴスは、

静かに答えた。


「ここから東へ三十キロ」

「荒野の中心に、礼拝堂がある。」


「……ありがとう。」


そう言うと、ましろは走り出す。



ビルからビルへ


朝日に向かって駆ける姿は——


まるで、

何かに歓迎されているかのように、

ましろを照らした———

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ