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エイシスト  作者: 翔陽
14/38

試される者


特訓から三日が過ぎた。


ましろといつきは、路地や屋上、廃工場の跡地を使い、徹底的に体術の練習を続けていた。


「"右手"で触れて力を統一……うん、できた!」

いつきは汗をぬぐいながら笑う。


「いいわ、その調子。今度は連続の攻撃を想定してみる」

ましろの指導の下、いつきは"右手"で自分の運動エネルギーを統合し、跳躍や蹴り、腕の動きを補強する。


アルゴスは少し離れた場所から静かに見守る。

「次に動く者は……アレスだ」

彼の声には警告の響きが含まれていた。

「無闇に"力"を使えば、世界はまたズレる」



その頃、光のない円卓の


アレスは拳を握りしめ、家臣イニュオに向かって低く言った。

「……任せたぞ、イニュオ」


「了解。任せろ、アレス」

イニュオは血に染まる槍と盾を持ちながら、深紅しんくの鎧に身を包み、鋭い眼光をアレスに向ける。

「"右手"の少年か……噂通りの力かな」


「破壊はするな、観察だ。俺は出ない」

アレスは冷たく告げる。

「任せるのはお前だ、イニュオ。

結果次第で次は俺が行く」


イニュオは頷き、静かに空間を裂くような気配を漂わせた。

「わかった……ヒカリノ大陸か、待っていろ」



カラスがなく。

その夜、

特訓を終えたいつきとましろが廃工場で休憩していた。

「今日も疲れたね……」

ましろは息を整えながら言う。


「でも、少しずつ"右手"の感覚がつかめてきた……」

いつきは額の汗を拭い、右手を握りしめる。


突然、空気がひんやりと変わった。街灯の光がわずかに揺れ、微細びさいな因果のズレが路地に広がる。


「……何だ?」

ましろが警戒し、立ち上がる。


次の瞬間、影が二人の前に現れた。


「……はじめまして。」

血に染まる槍と盾を持ちながら深紅の鎧をまとい、冷徹れいてつな瞳を持つ女——アレスの家臣イニュオだった。

その気配だけで、路地の空気は圧迫される。


「……お前は?……」

いつきは息を呑む。


イニュオは微笑むことなく、二人をまっすぐに見据える。

「アレスの命令で来た。イニュオだ。君の"力"を確かめる」


ましろは瞬間的に身体を低く構えた。

「……いつき、準備して!」


"右手"で身体に触れるいつき。

運動エネルギーを統一する。


目には、相手の意思と矢印が浮かび上がる

——今度はただの防御だけでは済まされない。

 直感だった。


イニュオの冷たい瞳が二人を射抜く。

「……行くぞ」


廃工場は瞬間的に静まり返り、次の衝撃を待つ——。

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