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異世界遁世  作者: 半防御 with G
龍の山とソロキャンプ
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第05話 小さな村とちょっと大きめのお家

ひとり物なので、飲み終わったペットボトルをベットの脇に置いていたら

猫除けのように囲まれていた。

で、夜、トイレに行く途中で踏んでビビる。自業自得。

誰にも見られないし来ないから荒れる。乱世。乱一世。

本当に孤独タヒだけには気を付けなければならない。ペットボトルは溶かせないかなぁ。

「ようショウ! 野球やろうぜー、って、おささまっ!?」

コンスターチが子供のようなノリで入ってきた瞬間、彼の顔色が青を通り越して土気色になった。  

ザザーッ!  

見事なスライディング土下座だ。

砂煙が見えるレベルの速度だった。


「ひぃぃ! ソルビトール様! なぜこのようなむさ苦しい場所に!?」

こいつ、龍界の小物だな。  

俺も条件反射で、サラリーマン時代に培った「片膝をつく最敬礼」のポーズをとる。

長いものには巻かれろ、だ。


「よいよい、面を上げよ。今日は忍んで来ておるからの」

 老人は――前龍王ソルビトールは、湯呑みを置いて笑った。


「それにしてもコンスよ、大変なものを拾ってきたな」

「……や、やっぱり危険ですか? 今ここで消しますか!?」

 コンスターチが殺気立つ。おい、裏切るのが早いぞ。

「待て待て。そうではない。……火・水・土・木・転移・収納・言語理解。そんで鑑定持ちか」


心臓が止まるかと思った。  

全部バレてた。

「ど、どうしてそれを……」

「茶器作りを見ておれば分かる。土魔法の練度が異常じゃ。

出したお茶が熱々なのは収納の時間停止じゃろうし、わしが菓子を追加注文した時、

寸前で戻ってこれたのは転移魔法じゃ」

 ソルビトールの観察眼は鋭かった。  さらに、彼はニヤリと笑う。

「それに、お主。ずっと『龍語』で話しかけられておるのに、普通に返答しておるではないか」 「あ……」


言われて気づいた。  

俺の【言語理解】スキルは、自動翻訳機のように機能していたらしい。  

人間が龍の言葉をネイティブに話す。

それだけで異常事態だ。情報は駄々漏れだった。


「安心せい。150年前に会った異世界人が、『テレ東好きに悪い奴はいない』と言っておってな。

ちょっと試してみただけじゃが、お主も悪い奴ではなさそうじゃ」

「……テレ東?」

「確か『ブラック・サンダー国』の初代国王だったかのう。なかなか面白い男じゃった」

「(……チョコバーの名前じゃん)」

 思わぬところで先輩転生者の足跡を知る。


「もっとも、その孫が調子に乗って攻めてきたから、わしが国ごと潰してやったがな」

「……」

 いろいろと残念でならない。  

やはり、龍を怒らせてはいけないのだ。


「まったく。権力を持つとロクなモンにならないのは、世の常ですねぇ」

 コンスターチがしみじみと呟く。お前が言うな。

「……今の王、『ホエイパウダ』のことかな?」

「いえいえいえいえいえ! 滅相もございません!」

 コンスターチが首をちぎれんばかりに横に振る。  

現龍王、ホエイパウダ。  

何か特大のフラグが立った気がする。全くもって嫌な予感しかしない。


 ◇


さて、居住許可は下りたものの、龍たちの住む村(巣)に人間が住むのは物理的に厳しい。  

くしゃみ(ブレス)一つで俺が蒸発してしまうからだ。

そこで、山のふもとに建物を置かせてもらうことになった。  

表向きはコンスターチの「商会」の支店も兼ねているので、やや大きめで立派なログハウスだ。

屋号は【ソルビトール商会】。  

実質的な作業請負は俺がやるが、舐められないように前龍王オーナーの名前を掲げさせてもらった。

一種のフランチャイズ契約だ。

看板料として、ソルビトール様には毎日美味しいお茶とお菓子を献上することになっている。

さらに利便性を高めるため、商会の倉庫部屋と、街にあるコンスターチの納屋を【転移門ゲート】で繋げた。  

これで通勤時間はゼロ秒だ。


「おーいショウ、居るかー? まだ注文はないんだけどさ、街の商店へ挨拶に行かないか?」

ゲートをくぐってコンスターチがやってきた。  

俺は作業の手を止める。

「ごめん、削る音がうるさくて聞こえなかった。なんだって?」

「だから挨拶に……って、なにこれ?」

 コンスターチが目を丸くして、床に転がっている物体を指差した。  

手頃な大理石を加工した、龍の彫刻だ。

「ただ挨拶するよりはさ、粗品(記念品)を持っていった方が印象いいだろ? タオルとか無いし」 「いや……これ、粗品ってレベルじゃなくない? 俺も欲しいんだけど」

 コンスターチが彫刻を撫で回す。  


鱗の一枚一枚までリアルに再現されたそれは、我ながら良い出来だった。

「転生前は彫刻なんてやったことなかったんだけどな。50個近く彫ってたら、コツが掴めてきてさ」

実はこれも、【収納魔法】の応用だ。  

木材加工と同じ要領で、石の塊から「龍の形以外の部分」を収納(削除)しているだけなのだ。

3Dプリンタの逆バージョンである。  

これが魔法の力なのか、それとも暇を持て余したおっさんの努力の結晶なのかは分からない。

「まあ、喜んでもらえるならそれでいいよ」

「喜ぶというか……これ1個で家が建つぞ……?」

コンスターチの呟きは、削る音にかき消されて聞こえなかった。  

こうして俺たちは、大量の国宝級彫刻(粗品)を抱えて、街への挨拶回りに向かうのだった。

3Dプリンタが欲しいね。

小五の時、クリスマスと誕生日が近く、クリスマスならファミコン。

誕生日まで待つなら二足歩行リモコンロボット(2万ぐらい)を買ってやると親に言われ、

待てずにファミコンを買ってもらったが、後々の正解だった気がする。

最近3Dプリンター欲しいなぁと思いつつ、楽天でswitch2購入してもうた。正解だと信じたい。

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