第48話 第2回国際連合会議
「道は星に聞け」っていうカーナビのCMあったよね。
「俺の歌を聞け」っていうバサラがいたよね。
、、、懐かしいなって。
アタオカ行政都市が、凄まじいスピードで発展している。
もはや一国の地方都市というレベルを超え、テクノロジーの魔都と化していた。
このままではググレカス王国のバランスが崩れる。
仕方なく、ググレカス王国関連の一般的な行政機能を、近くに建設した
新都市**【ツイフェミ】**へ移動させ、アタオカを「技術特別区」として国から独立させることにした。
一国によるオーバーテクノロジーの独占は、国際的な罪になりかねないからだ。
レスバ新国王も「もう僕の手には負えません! どうぞどうぞ!」と
お手上げ状態なので、円満独立だ。
アタオカ独立国の初代国王(市長)には、工科大学総長のゼネストが就任した。
本当はゴボテンかチークワンブーに依頼したのだが、断られた。
「いやぁ、俺は紅まさりちゃんと新型エンジンの開発で忙しいからさぁ」
ゴボテンがデレデレしながら言う。
……ほー、ロ〇コンが!
紅まさりは未成年だぞ。
まあ、精神年齢が合うならいいのか?
そんな二人だが、仕事はしている。
テレビ番組にて、新番組『紅まさり・世界の旅』が始まった。
自作の小型ジェット機で世界中を飛び回る企画だ。
「勇者が乗っている」というだけで抜群の知名度と安心感がある。
エンジンの動力源は水素。排出するのは水だけ。
明らかにゴボテンの技術だ。
やつの影がチラチラする。
スポンサーは、世界中に学園都市を展開している「はるか学園グループ」。
姉の紅はるかも、先月ついに専門学校に「野球課」を設立した。
メディアと教育を牛耳る勇者姉妹。
なかなかあざとい商売をしている。
ふふふ、やりおる。
◇
世界が大きく変化する中、アタオカの中心に50階建ての巨大ビルが誕生した。
**【国際連合本部ビル】**である。
施工はドラゴン建設。
彼らがドラゴン化し、巨大な石材ブロックを前足で掴んで積み上げる様は、
まるで子供がレゴブロックで遊んでいるようだった。
工期は一瞬、強度は最強。恐るべし龍族。
今日はその落成式を兼ねて、第2回国連総会が開催される。
「お土産アリ」とメールしたのが奏功し、加盟国のほとんどが出席していた。
今回の目玉は、南大陸の【ゼンコウダマシイ連合】の正式加盟だ。
彼らが持つ広大な穀物畑によるコメの生産と、未開発地帯から採掘されるレアアースは、
今後の世界経済の要となる。
◇
俺は龍王として壇上に立った。
背後の大型ディスプレイに、ゾージルシ、ググレカス、そしてゼンコウダマシイの地図が表示される。
「……今回発表するのは、**『スターリンク計画・新生』**です」
地図上に、無数の光点が浮かび上がる。
「現在、この3国の上空には監視カメラとセンサーがあり、リアルタイムで大気の状態が分かります。
これにより、天気予報はもちろん、台風などの災害を事前に防ぐことが可能です」
「さらに、上空から電話とインターネットがどこでも使えるという訳です」
俺はおもむろに、手元の端末でチャットアプリを開き、通話ボタンを押した。
ディスプレイに、雪景色が映し出される。
『……世界のみなさん、こんにちは』
厚手のコートを着た美女――我が妻、クレメンスだ。
『龍族第2王妃のクレメンスです。ここは南大陸の最南端。
海の向こうに見えるのが南極大陸でしょうか。
この極寒の地から、衛星回線を使ってお話ししています』
「……ということです。遅延もなく、クリアな音声でしょう。
以上、デモンストレーションでした」
俺が締めようとした時、クレメンスが口を開いた。
『ねぇ、アベシ(あなた)』
「ん、どうした?」
『ガリクソンたちも可愛いけど……次は、男の子も欲しいなって』
ブツンッ!!
俺は慌てて回線を切った。
会場が静まり返り、次の瞬間、クスクスという笑い声に包まれる。
……バカヤロウ! ここは国連総会だぞ!
次回の議題は「ネットリテラシ(公私混同の禁止)」にしよう。
絶対にだ。
◇
顔の熱さを誤魔化しながら、俺は本題に戻った。
「……まぁ、こういったわけで。このシステムに賛同してくださるならば、
貴国上空への衛星設置の許可をいただきたい」
場内がざわつく。
「監視されるのか」「主権の侵害だ」という声も上がる。
議論は紛糾したが、最終的には満場一致という形になった。
「……良いですね。全会一致で『決定』ですよ」
俺が操作すると、モニターの地図が縮小され、この星全体が映し出された。
既に、地球全土が光の網(衛星)で覆われている。
「実はもう、設置しちゃってるんでね。もし拒否されたら、その国の上空だけ
『サービス停止』の設定をしなきゃいけないんですよ。……外します?」
脅しである。
今さらこの便利なインフラを手放せる国などない。
帰り際、各国代表には、スパコンで分析した詳細な自国レポートと、
衛星対応スマホ**【Xsky move2】、そしてノートPC【Xsky pro】**が100台ずつ配られた。
これだけの餌を撒けば、彼らは文句を言いつつも、普通に買い増しするだろう。
世界はもう、俺たちの掌の上だ。
ここのスパコン作っている人に「2位じゃダメなんですか」と聞いても
2位がいないんです。
スパコンといえば、あの人しか浮かばんわ。
スパコンバンチワ




