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異世界遁世  作者: 半防御 with G
文明開化の音がする
34/40

第34話 文明開化の音がする

電気を大切にね。

クレメンス(ハシガミ)は、新都市アタオカに**【アタオカ工科大学】**の設立を決定した。

敷地面積は、隣接する国際空港並みのデカさだ。

これから「魔素と電気の変換」をはじめ、恐ろしい実験が巻き起こるのだから、

広大な土地と隔離施設が必要なのだろう。

あいつ、国家予算を使って本気で遊ぶつもりだ。



さて、本来必要ではないのだが、形から入りたい俺は、本店(龍の山)と

ショウタウン支店の屋上に「電波塔」を建てた。

高さに合わせて、赤と白に塗り分ける。

日本の航空法に基づくカラーリングだ。

飛行機なんて飛んでいないが、これがないと落ち着かない。


その辺で高い建物といったら、パラレルの城しかない。

俺は城へ行き、屋根に登って、金属の棒――避雷針を括り付けた。

「師匠、なにか始めるんですか?」

屋根の下からパラレルが不安そうに見上げている。

そういえば、こいつに何も説明していなかった。


「これは避雷針だ。雷から城を守るんだよ。電気で思い出したわ」

「へぇ~。雷って電気なんですか?」

ボケーっとした顔で聞いている。

フランクリン先生に謝れ。凧揚げて命がけで証明したんだぞ。


「……あの、師匠が空に向かって棒を立ててるんで、てっきり何か

新しい宗教でも始めたんじゃないかと」

「違わい」


俺は苦笑しつつ、おもむろにポケットからゴボテンにもらった「ゴム板」を取り出し、

着ていた「羊毛のコート」でゴシゴシと擦った。

そして、指先をパラレルの鼻先に近づける。

パチッ!

「痛っ!?」

静電気が鼻先で弾け、パラレルが飛び上がった。


「……あれ? これ、魔法じゃないですね。冬場にドアノブ触った時とかに、たまにあります」

「そうだ。これが『電気』だ」

次に俺は、ゴボテンが自慢げに渡してきた「白色LED」と「小型モーター」を取り出した。

モーターの軸には手回し用のハンドルが付いている。


「この棒、回してみん」

「はあ」

パラレルがハンドルを回す。

キュルキュル……ピカーッ!

LEDが鮮烈な白い光を放った。


「うおっ! 光った!?」

「今、パラレルが運動エネルギーを電気に変えて、LEDが光ったということなんだ」

「電気も使い方によって、光になったり、熱になったり、動力になったりする。

さらに特殊な手順を踏めば、遠くの相手と『通信』もできる。

そのためにあの赤白の塔を建てたんだ」


「……それって」

 パラレルの目が釘付けになっている。

「魔法が使えないボクでも、使えるということですか?」

「そうだよ。俺たちの世界じゃ、魔法なんてないからな。全員がこれを使っていた」

「……!」

「この棒をさ、風とか水、あるいは蒸気の力で回せば、いくらでも電気は産み出せるよ」

 パラレルのテンションが目に見えて上がった。

 鼻息が荒い。


「……こういうの、好き?」

「大好物です! 魔法理論はさっぱりでしたが、これなら理屈が目に見える! 

今すぐ教えていただきたい!」

「お、おう。まあ、こういうのはクレメンスやゴボテン、基礎なら紅姉妹が詳しいぞ。

なんならアタオカに工科大学も建設中だし……」

「待てません! 大学なんて待っていたら数年かかります!」


パラレルが俺の手を握りしめた。

「簡単な基礎的なことでいいんです! 扱い方とか、効率とか、配線の繋ぎ方とか!」

「……分かった、分かったから!」


そんなわけで。

アカデミックな大学の完成を待たずして、現場レベルの技術者を育成する

**【ショウタウン電気専門学校】**が設立された。

初代校長は、領主パラレル(兼・生徒第1号)である。


街に、文明開化の音が響き始めた。

ここで、交流・直流とか、抵抗とかやり始めたら止まらなくなるよね。

電柱とか送電線とか考えたくない。

電車も1両目が充電池積んでて、駅で充電するようなイメージ。

動力はディーデルでもイケる感じで。

内燃機関か

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