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異世界遁世  作者: 半防御 with G
龍の山とソロキャンプ
3/50

第03話 少年の理想と現実

もう、おっさんだからか、寒くて指先が動かない。

小5からキー入力しているのに、ミスキーが多すぎ漣。こまったもんだ。

認めたくない。もうおじいちゃんだってことを認めたくわない。

だったら年金くれ。貰って働きたい。それか養ってくれ。


結論から言おう。  

俺の壮大な「セーブポイント作戦」は、初日で破綻した。


杭を打とうと道に出た途端、向こうから一台の馬車がやってきたのだ。  

挿絵(By みてみん)

逃げる間もない。

馬車は俺の目の前でギイと音を立てて止まった。  

御者台に座っていたのは、くたびれた中年男性だった。


「……異世界人あなたか?」 「あ、あぁ。……え?」

 秒でバレた。  まだ一言も喋っていないのに。


「10年前かな、アンタと同じような雰囲気の異世界人を乗せたことがあってな」

 男は気だるげに手綱を握り直す。  

どうやら【鑑定スキル】持ちらしい。

俺の出自もステータスも筒抜けということか。


「俺がチートで世界を変えるとか息巻いてたが、結局ドラゴンに喧嘩を売って食われてたよ。

アンタもその口か?」

「とんでもない! 俺は質素に、山にこもって生きていたいだけですよ!」

 全力で否定する。死にたくない。


「謙虚だねぇ。でも、これまで何人の異世界人が来たと思ってる?」

「え……?」

「ポンプにプリン、オセロにカレー、あとマヨネーズだっけ? 大体やり尽くされてるよ。

今さら持ち込んでも『またか』って顔されるだけだ」


ガーン。  

いきなり心をへし折られた。  

俺の「異世界転生あるある知識」による特許収入計画が、封じられてしまった。

「……き、木材は大量に持ってるんで、それで塩とか手に入れられれば……」

「塩かぁ。それも昔、異世界人が効率的な製法を持ち出してな。

今は利権に聡い貴族がガッチリ独占してる。勝手に作ったら……消されるよ?」

後半の言葉を聞こえないフリをした。  

塩すら自由にならないのか、この世界は。


「まあ、いずれバレて、国にこき使われることは間違いないから。乗っていきなよ」

 もう泣きそうだ。  

中身は50歳のジジイなのに、13歳の涙腺が緩む。  

貴族に搾取され、過労死する未来しか見えない。

挿絵(By みてみん)


その時、頭にふと浮かぶ感覚があった。  

相手に見透かされているという感覚。

それがトリガーになったのか、脳内で「ピロン」と音がした。  

ステータスを確認する。  

【無属性魔法】の下に、【鑑定(極小)】が追加されていた。

(やられたらやり返す……!)

 俺は涙目で、目の前の商人を鑑定した。


NAME: コンスターチ

AGE : 256 (Race: Dragon)

JOB : Merchant


「……おじさん、龍族なんだ」

 キキィッ!  動き出そうとした馬車が、急ブレーキで止まった。


「おおぉい! さっきまで鑑定魔法なんて持ってなかったじゃんか! 

これだから異世界人は……成長速度がおかしいんだよ!」

「ごめん、ごめんって。この世界で初めて会った人物があなたで、

まさか偽装(隠蔽)してるとか知らないし」

「……チッ。人間のフリしないと商売にならねぇんだよ」


コンスターチと名乗る(鑑定した)男は、ため息をついて遠くを見た。  

丘の上から見える街並みを、どこか悲しげな目で見つめている。


「厄介なことが起こるんだよ。俺でも5回は人間の戦争に巻き込まれた。

そのたびに、利用されて死んでいく異世界人も見てきたしな」

「……」


 俺の将来設計(街の配達屋)は、完全に詰んだ。  

人間に混じれば利用される。便利な道具として使い潰される。  

コンスターチの言葉は重かった。

「どんなに便利になっても、戦争のやり方が変わるだけだからな。お前も道具の一つだ」

「……長命種族の方は高みの見物ですか。いいですねぇ、いいなぁ」


その時、俺の頭の中で何かが切り替わった。  

社畜モードから、経営戦略モードへ。


「ねえ、コンスターチさん。ここまで馬車に乗ってるってことはさ、

やっぱり【転移魔法】って貴重なわけ?」

「……あることは知ってる。だが、見たことはないな」

「それを使える、しかも変身(人化)しなくていい人間族って、貴重だよね?」

コンスターチが目を細める。


「なんだ? 雇って欲しいのか?」

「いいえ。共同経営の提案だよ」

俺は、懐からオレンジのような果実を取り出した。  

右手に【転移ゲートA】、左手に【転移ゲートB】を展開する。  

果実をAに入れると、一瞬でBから出てくる。  

まるで、某猫型ロボットのドアのように。

挿絵(By みてみん)

「多分、人間相手じゃ話にならない。次元が違うから」

俺のデモンストレーションを見て、コンスターチが絶句している。  

物流革命。  

距離と時間を無視できるこの能力は、商人にとって最強の武器だ。


「……お前が優良物件なのは分かった。お前は何が欲しい」

「安全な住処すみかだよ。人間じゃなくて、あんたたち『龍族』の庇護下が一番安全だ」

俺はニヤリと笑った。


「コンスターチさん、きっと本店の偉い人に報告に帰るんでしょ? 社長か会長に、プレゼンさせてよ」 「会長って……。わかった、連れて行ってやる」

「感謝します、コンスターチ支店長!」

「……俺のランク付けなら社長クラスなんだがな。支店とかねぇし」


 こうして俺は、街へ行くのをやめた。  

とりあえず、謎のドラゴン商会と交渉し、最強のバックアップを勝ち取る。  

それが、50歳児ショウの新たな生存戦略となった。

つい前書きで欲望を漏らしてしまった。

シャワーを浴びながら〇したりしていると、ぼけた時、シャワーで〇してしまうらしい。

もし、じょうろで花に水を振りまいているとき、私も大地に潤いを与えることになるのかもしれない。

つい惰性で書いてしまった。次は気を付けます。

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