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異世界遁世  作者: 半防御 with G
勇者という若人たち
27/50

第27話 インフラなんて怖くない

寒い、服着たいが、あと3話アップする

ショウタウンと王都チーギュウを結ぶ大動脈、

その名も**【ゲキオコプンプン鉄道】**の建設工事が始まった。

ネーミングは第3王子レスバだ。

「激しく怒るように速い」という意味らしいが、センスが古すぎて逆に新しい。


設計は俺とクレメンス(ハシガミ)、そしてゴボテンによる共同監修だ。

地上から数メートルの高台(高架)を作り、その上に複線の鉄道を敷く。

高架下の両脇には舗装された道路を整備し、50メートル置きに

半地下のトンネル(アンダーパス)を設置して、人と車がスムーズに行き来できるようにした。


動力は、まさかの「オール電化」だ。

電力を生み出すのは、俺が考案した禁断のシステム――【転移式・無限水力発電】。

 1.上空に【転移ゲートA】を開き、水を落とす。

 2.落下の位置エネルギーでモーターの羽根タービンを回す。

 3.底に溜まった水は【転移ゲートB】に吸い込まれ、再び上空のゲートAへ戻る。


永久機関だ。

物理学者が発狂しそうなシステムだが、魔法があるなら使わない手はない。

この小型発電所を線路沿いに多数配置し、補助として魔石モーターも積んでおく。盤石だ。



この国家プロジェクトには、大量の人員が必要だ。

俺たちは「南半球」からの留学生や労働者を積極的に受け入れることにした。

特に、線路や道路の敷設工事の募集は、あえて「闇ギルド」のアジトに近い貧民街で行った。

提示した条件は――

 『賃金は相場の5倍。3食昼寝付き。寮完備』


そりゃあもう、人が押し寄せた。

闇ギルドに入るより、工事現場で汗を流した方が遥かに稼げるし、安全だからだ。

さらに寮では、語学学校を開き、翻訳した教科書や娯楽小説(俺の前世の記憶)を配布した。

これは教育であり、一種のプロパガンダでもある。

「真っ当に生きる方が楽しい」と教え込むのだ。



ある日、南大陸の有力な族長たちをショウタウンに招いた。

民族間でも言葉が通じないカオスな状況だったが、俺の【言語理解】スキルで同時通訳を行い、

なんとか意思疎通を図った。


俺は彼らを、鉄道の建設現場へ案内した。

そこで働く同胞たち(元・貧民)が、生き生きと電気工具を使いこなし、

族長たちに表敬訪問する姿を見せる。

さらに、電気の仕組みや、夜でも明るい街を見学させた。


「……これが、北の魔法(技術)か」

族長たちは驚愕し、固い握手を交わして帰っていった。

来年、ググレカス王国に正式な使者を送ることや、飛行船での定期航路の開設も締結された。


もちろん、その間も闇ギルドによる「テロっぽい妨害」はあった。

人材を奪われた彼らの、最後の悪あがきだ。

だが、それらは全て撃退された。


「……ふっ、他愛ない」

「バイト代入ったら焼肉行こうぜー」

警備のバイトで雇っていた勇者パーティ(安納チーム)だ。

かつて俺たちにボコボコにされた彼らも、実戦経験を積んで強くなった。

今や、闇ギルドの構成員程度なら指先一つでひねり潰せる。

お父さんは嬉しいぞ。



本来なら5年かかる壮大な計画だった。

だが、高賃金と「未来を作る」という学びに目覚めた南の労働者たちは、恐ろしく優秀だった。

工期は大幅に短縮され、なんと1年で終わりそうになっている。


「……予算が余ったな」

「倍額投資して、駅ビルと魔除け結界を追加しよう」

俺とクレメンスは即決した。

開通予定日には、各駅停車だけでなく「快速電車」すら走れるダイヤが組まれた。

さらに、ショウタウンと王都の中間地点に、新たな都市を作る計画が持ち上がった。

政治や行政機能の一部を移転させる副都心だ。

命名権を持った第3王子レスバは、高らかに宣言した。


「この新都市の名は――**【アタオカ】**とする!」

「……やっぱりか」

アタオカ(頭おかしい)行政都市。

都市の中心には、巨大な飛行船ハブ空港【アタオカ国際空港】が建設された。

名前はアレだが、機能は近未来的だ。

こういうインフラ整備は、今のうちにやっておかないと後で揉めるからな。

アタオカの夜、ホテル・ニューアタオカ。

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