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異世界遁世  作者: 半防御 with G
勇者という若人たち
22/50

第22話 肝心なとこのチョイスミス

手元にストックがあることが不安になってきた。

誰にも見られず、白い世界に包まれて。

ここから前書き・後書きが雑になるが、3章終わりまでアップだぜ

時空を超えた斬新な再会を果たした、その瞬間だった。

ずっと黙って見ていた前龍王ソルビトールが、湯呑みを置いて口を開いた。

「……ずっと違和感があったんじゃが、こんなに別嬪べっぴんなのに、魂がオッサンなのだよ」

その通りだ。

俺の知っている「ハシガミ」は男だ。

そもそも、俺たちが通っていたゼン高は、当時はむさ苦しい男子校だった。(今は共学らしいが)


「……マジかよ。お前、ハシガミかよ」

「そうよ、アベシ。久しぶりね」

クレメンス――いや、ハシガミがガハハと笑う。

その笑顔は、完全に部室でたむろしていた頃のツレだった。

「俺さ、某ゲームハードの会社に就職してさ。係長になった時の社員旅行でスキーに行ったのよ」

「ああ、お前スキー好きだったもんな」

「で、吹雪の中でコース外れて、崖の上から真っ白な世界へドーン! ……気づいたら神様がいたの」

真っ白な世界。

それが雪山だったのか、死後の世界だったのかは定かではない。


「で、『次はどんな人生がいい?』って聞かれたから、冗談半分で『女の子もいいかなぁ』

なんてオーダーしたら……前世の記憶を持ったまま王女様よ。困ったもんよ」

LGBTで言うところのトランスジェンダー相当になるのか?

いや、中身が完全に50歳のオッサンなままだから、もっと複雑なセンシティブ案件だ。


「……国のためなら、有能な男(お前)に身を捧げてもいいかなって思ったけど、

相手がアベシじゃキツイわー」

「俺もだよ。部室で隠れてエロゲーやってる時のハッシーの顔を思い出して、笑いが止まらんわ」

「なんでアベシかねぇ……一生の不覚だわ。無理無理」

婚姻の破談で大爆笑している二人を、ファミマがドン引きして見ている。

「……奥さん、すみません。コイツは前世の親友(男)でして。

変な意味での復縁はありませんので」

「そうよ。求婚されて、正体知って笑いが止まらなくてさ」


俺たちが腹を抱えていると、ファミマが不思議そうに首を傾げた。

「え、いいんじゃない? 第2夫人なら」

「「え?」」

「だって、中身が男でも見た目は美女だし。龍族は気にしないわよ」

ソルビトールも「うむ」と頷いている。

いやいや、俺が気にするんだよ!

一旦、真面目に話し合い、「保留」という一番曖昧な形に落ち着いた。



■ショウタウン・居酒屋互助会

俺たちは場所を移し、地下の秘密基地へやってきた。

「紹介するよ。ググレカスの王女やってる、高校の同級生のハシガミだ」

「ごきげんよう、クレメンスでございます。中身はオッサンです」

ジャガとゴボテンに挨拶する。

チークワンブーは、流通網(アマゾン化計画)の出張で不在だ。


「へぇ……モノレールには驚いたわ。しかも懸垂式(湘南タイプ)なのね」

「観光を目的としてるからね。大量輸送は地下鉄があるし」


 ゴボテンが答える。技術屋同士、通じるものがあるらしい。


「王都チーギュウにも、こういったシステムを導入したいけれど……」

「古い都市は、貴族の利権が複雑に絡んでるから厳しいっすよねぇ」

「そうね。でも、ここの繁栄を見せつけて、貴族たちを焦らせれば動くかもしれない」

クレメンスの目が政治家リアリストの目になる。

「ということで、ショウタウンとチーギュウの間に鉄道を引きたいんだけど」

「動力はどうする? 蒸気か? 魔動車か?」

電車エレクトリックはどうかしら。国の南部に銅山があるの。

電気と魔石のハイブリッドでもいいかもね。それぞれの特性を生かして」

専門的な話になり、ゴボテンが身を乗り出した。


「詳しいな。さすが技術科」

「当然よ。私、高校は情報技術科で、アベシは情報処理科だったけど……」

「今となっては懐かしいな。俺も工業高校だったから、『第二種電気工事士』の免許持ってたぞ」

「あら奇遇。私もよ」

クレメンスとゴボテンがガッチリと握手をした。

工業高校出身者特有の「資格マウント」ならぬ「資格の絆」だ。

見た目は美女とオッサンだが、完全に波長が合っている。


「……あのな、みんな。ハッシーは高校の同級生で、中身は俺と同じ50歳のオッサンだからね。

見た目に騙されるなよ」

ジャガが鼻の下を伸ばしていたので、釘を刺しておく。


「そうよ。中身は『オービタル』に流れて『アンビエント派』なオジサンよ」

「渋いな! じゃあ富田勲もテクノか?」

「だったらELOエレクトリック・ライト・オーケストラも入るのか?」

「それは違うでしょ。俺は断然『P-MODEL』にハマってたなぁ」

話はいつの間にか、インフラ整備から青春時代のテクノ音楽談義へと変わっていった。

王女のドレスを着たオッサンが、熱く平沢進を語る夜。

カオスだが、悪くない。

昔、ゲームが好きで古代祐三が神だった。

そこて経歴を調べていると、師匠がいるとのこと。

その師匠のアルバム買ったりする。

「へぇジブリの音楽とかやってるんだ」

久石譲だった。

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