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異世界遁世  作者: 半防御 with G
ショウタウンと陰キャ互助会
19/40

第19話 新たな厄介者の到来

白菜と豚肉を交互に挟んだ鍋のお値段以上の美味さに虜ロール

めんどいのでポン酢で食う。美味し。

冬のマジックなのかもしれんが、ずっと掛かっていたい。

この前、朝食ったら、ポン酢でむせた。マジック解除。

「えぇっ!? 魔石!? こんなにくれるのぉ!?」


 元・秘密基地(現・居酒屋ジャガ)のさらに地下。

 俺は【空間拡張】で地下2階を増築し、そこに帰還したゴボテン専用の工房を作ってやった。

 お土産の魔石(ゾージルシ王国産)を渡すと、彼は子供のように目を輝かせた。


「いやぁ、飛行船で帰ってきて正解だったわー。魔石エンジンのテストも兼ねてたんだけど、最高だね」

「……飛行船?」

「うん。作った」


俺は天を仰いだ。

そんな移動手段があるなら、最初から言ってくれ。

そうすれば、パラグライダーで決死のダイブなんてしなくて済んだし、

ゾージルシ王国に入国する際も怪しまれなかったはずだ。

……まあ、もう遅い。転移門も設置したし。


「早速、上(居酒屋)までのエレベーター作るわ。動力はこれで十分だし!」

 ゴボテンは魔石を抱きしめて作業台へ走っていった。



さて、俺たちの住むショウタウンは、主に人族が暮らす**【ググレカス王国】に属している。

王都の名は【チーギュウ】**。

……建国者のネーミングセンスを疑いたくなるが、歴史ある大国だ。


この国は、魔族の国(ゾージルシ王国)とは長年対立関係にある。

かつて国土を荒らされ、なんとか復興してきた歴史があるため、国民感情は良くない。

だが最近、辺境のショウタウンが龍族の仲介で魔族と貿易を始め、

あろうことか王都チーギュウを超える経済規模になってしまった。


王宮では、連日議論が交わされていた。

「姉上、これは由々しき事態です。ショウタウンの行為は裏切りではないでしょうか」

 第3王子**【レスバ】**が熱弁を振るう。彼は理想主義者で、プライドが高い。

「おいおいおい、メンツとかどうでもいいのよ。利益追求! 国民還元! これ常識でしょ?」

 それを鼻で笑うのが、第1王女**【クレメンス】**だ。

 彼女は超現実主義リアリストであり、国の財政を実質的に支えている。

「ようやくゾージルシとの貿易ルートが開けたのよ? 黙認一択だわ」

「人族としてのプライドはないのですか、姉上!」

「プライドで飯は食えないの。……ねえ、お父様?」


 話を振られた現王**【オワコン】**は、玉座で気だるげに頬杖をついていた。

 彼は政治への関心を失い、最近はもっぱら文化事業(という名の浪費)に現実逃避している。

「うむ……まあ、余は平和なら何でもよいがのぅ」

「王がそれでは困ります!」


 居ても立ってもいられなくなったクレメンス王女は、決断した。

 自分の目で確かめるしかない。

 彼女は「視察に行く」という書き置きを残し、単身王宮を飛び出した。

 ……だが、その書き置きは、何者かの手によって持ち去られてしまった。



「なんだと! クレメンスが誘拐されただと!?」

翌朝、オワコン王は激怒した。

娘の書き置きがないため、行方不明(誘拐)と判断されたのだ。


「姉上の短剣スキルはSクラス、身体強化魔法も使えます。そう簡単に誘拐など……」

「それでも女子おなごだからなぁ。心配じゃ」

オロオロする王の前に、一人の大臣が進み出た。

野心家の宰相、**【アボーン】**である。

「陛下。これは魔族、あるいはそれに組するショウタウンの陰謀かもしれません。

何らかの対策を取りませんと、国が……」

「それはそうなんだが……軍を動かすのは金がかかるし……」

「では、例のアレをやりましょう」

「……アレ、か」

王の顔色が変わる。

レスバ王子が怪訝な顔をした。

「アレとは?」

「……『勇者召喚』じゃ」


異世界からの救世主を呼ぶ。

それは、国の情勢を一発逆転させるための、禁断の(そして安上がりな)秘策だった。



一方その頃。

クレメンス王女は、王家の馬車を自ら御して爆走していた。

王都から5日。

辺境の領地に入った途端、ガタガタだった砂利道が、

綺麗に舗装されたアスファルト(錬金術コンクリート)に変わった。

「……なによこれ。王都より整備されてるじゃない」


さらに進み、ショウタウンの全貌が見えた時、彼女は絶句した。

城壁の向こうに広がるのは、中世の街並みではない。

3階建て以上のビル群。

ガラス張りの窓。

規則正しく整備された道路網。

「……エレベーターまである?」

外周には環状線のモノレールらしき高架が建設中で、地下では「東西南北線」なる

地下鉄工事が進んでいるという看板が見えた。

そして、住所表示板にはこう書かれている。

『青龍区 1丁目』『朱雀大通り』


「……ここ、日本じゃん」

クレメンスは呟いた。

王族としての言葉遣いが崩れる。

そこにあるのは、異世界の神秘的な都市ではない。

前世で慣れ親しんだ、そこそこ栄えた日本の地方都市そのものだった。

「普通の地方都市じゃん……!」

そう。

第1王女クレメンスもまた、かつて日本で生きた記憶を持つ「転生者」だったのだ。

国の権力者登場。

どうしよう? メルヘンっぽくいこうかなって思っていたのに

夜中3時のテンションでこうなってしまった。

走り出したら止まらないのよね。

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