第11話 再び転生しないために
今日は建国記念の日だ。
建国した日ではなく、認識したという日で、そのために ”の” が、入っているという。
ものは言いようだなぁと。
世間は祝日かもしれんが、俺は働いている。
なので、投稿が遅れてしまった ”の” である。
ある日、龍王と前龍王に呼び出された。
何かと思えば、定期健康診断だと言う。
C:\> STATUS_CHECK.EXE
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NAME : ショウ
AGE : 15 (Soul:50)
JOB : MERCHANT (CHAIRMAN) : DRAGON FIANCE
STATUS: NORMAL
HP : LOW (DEGRADED) <-- WARNING!
STR : MIDDLE (D-rank)
MP : LOW_GOD (Error:Too High)
SKILL:
> SWORD [E] (DEGRADED)
> SPEAR [B] (DEGRADED)
> HOE [S] (Expert)
> MAGIC
+ FIRE [v.7.5] (University)
+ WATER [v.7.5] (University)
+ WOOD [v.7.5] (University)
+ EARTH [v.35.5] (Researcher)
+ LIGHT [v.2.5] (HighSchool)
+ DARK [v.2.5] (HighSchool)
+ VOID [v.99.9] (Doctor)
- Teleport
- Storage
- Language
- Appraisal
- Hiding
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C:\> _
「……魔法が初級神クラスとな」
ソルビトールが呆れた声を出す。
【HOE(鍬)】スキルだけがSランク(達人)になっているのは、農作業の賜物だろう。
「うむ。もはや地上で一番強い魔法使いなのだが……」
現龍王ホエイパウダが、俺のHPバーを指差した。
そこには無慈悲なWarningの文字。
「体力作りをサボってランクダウンとは……」
「いやぁ、最近は耕すのも収穫するのも魔法で自動化しちゃいましたし、従業員も増えたので……」
言い訳をしながら、俺は冷や汗をかいた。
かつてハマっていた野球ゲーム『パワプロ』で、マイライフにて特殊能力が
「チャンスA→B」「対左投手A→B」に落ちた時の絶望感を思い出す。
「ムコ殿を認めてはいるのだが、その体力ではファミマと……なァ?」
「……あっ」
龍王の含みのある言い方に、俺は察してしまった。
ファミマは龍だ。
今は人化しているが、本質は数トンの質量を持つ怪物。
もし結婚して、夜の営み……いや、単に一緒に寝るだけでも、俺のHPが低ければ
「圧タヒ」する可能性がある。
「……ファミマは寝相が悪いからな」
「下手すると、寝返りひとつでショウが『再転生』しかねんからのぅ」
ひ孫の顔を見る前に、俺の葬式が出そうだ。
ソルビトールが本気で心配している。
「分かりました。しばらくお暇をいただき、鍛えてきます」
俺は一礼すると、決死の覚悟で建物を後にした。
◇
■ショウタウン・冒険者ギルド
金だけはあるので、見た目は質素だが性能はエグい最高級の防具を揃え、
俺はギルドのカウンターにいた。
もちろん、身分は隠す。
魔法レベルも【隠蔽】スキルで「小学生レベル」に偽装済みだ。
「名前は……『セイコマ』で」
「セイコマさんですね。……えっと、体力がEランクなのに、槍スキルがB?」
受付嬢が怪訝な顔をする。
この世界の冒険者ランク、およびスキルの最高位はSだ。
前世で好きだったオートレースも最高位はS級だったなぁ。
雨走路にめっぽう強い「〇平」選手が好きだった……なんて現実逃避をしている場合ではない。
「ええ、まあ。技術だけはあるんで。ランクはDでいいですよ」
こうして、謎の新人冒険者「セイコマ」が誕生した。
名前の由来は、北の大地に君臨する最強のコンビニエンスストアだ。
俺は早速、強めのダンジョンに潜った。
戦法は【槍】と【転移魔法】を組み合わせたヒット&アウェイ。
そして何より――
ザシュッ(モンスターを倒す)
ヒュン(本店に転移して書類にハンコを押す)
ヒュン(ダンジョンに戻って次の敵を探す)
これだ。
ダンジョン内からも本店に帰れるので、農業や事務作業の合間に戦える。
究極のテレワークだ。
ドロップアイテムは自らの商会に流すため、ファミマからの注文品ばかり狙うことになる。
「セイコマ店長! 新しい美容液に『シビレクラゲのエキス』が欲しいの! 樽で!」
そんな無茶振りに応えるため、俺は市場価格が暴落するほどクラゲを乱獲した。
◇
そんな生活を3ヶ月ほど続けていたある日。
冒険者ギルドから査察が入った。
理由は「依頼を一切受けずに、素材だけ大量に換金しているから」。
ギルドへの貢献度が低すぎるため、登録抹消の危機だという。
しかも、うっかり住所を「ショウタウン支店の社員寮(超一等地)」にしていたため、
察しのいいギルド長に呼び出されてしまった。
現在、俺は婚約者を連れて、ギルドの応接室にいる。
「……あのですね、セイコマさん。本来、偽名は禁止なんですよ」
ギルド長が脂汗をかいている。
俺の隣にいる美女が、あの「ファミマ・ビューティ・ホールディングス」の社長だと気づいているからだ。
「すいません。出来心だったんです」
「あのね、ショウは龍族王家の関係者なの。身分を偽って当然でしょ?」
ファミマがサングラスをずらして睨む。
「た、体力作りにダンジョンが効果的だと思いまして……」
「龍族を敵に回したいのであれば、それ相応の覚悟をしなさい」
「ファミマちゃん! 物騒なのはやめようね~、商売もあることだし!」
俺は必死に止める。
ギルド長は「もう帰ってくれ」と言いたげな顔をしていた。
結局、妥協案として以下の条件で許された。
1.偽名「セイコマ」のままで活動してよい。
2.ただし、たまにはギルドの依頼を受けること。
3.監視役兼仲介役として、ベテラン職員とパーティを組むこと。
紹介されたのは、元B級冒険者の職員、その名も「ヨークマ」。
ハトのマークが似合いそうな、人の良さそうなおじさんだ。
「よろしく頼むよ、セイコマ君」
「こちらこそ、ヨークマさん」
こうして俺たちはパーティを組んだのだが……。
ファミマは支店巡りで忙しく、俺も商会の仕事が山積みだ。
結果。
ショウ:「じゃ、ボス部屋行ってきます」ヒュン(転移)
ヨークマ:「えっ、ちょ、待っ……」
ショウ:「倒しました。一旦店に戻って在庫確認してきます」ヒュン(転移)
ヨークマ:「……」
ひたすら転移する俺に、ヨークマさんがついて来れず。
三日後。
「君とは見ている景色(座標)が違いすぎる」 という名言を残され、方向性の違いで解散となった。
なろう系に性的表現が薄いのは表現としていかがなものかと、読んでいて思うものだが
投稿する側になるとそんなことが気にならなくなる。
「そこじゃないんだ!」みたいなことなんだろうね。
今週末は一気に書き上げて、もっかい読んでみたら別の感情で読める気がする。
投稿してみるもんだなぁ。




