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異世界遁世  作者: 半防御 with G
ショウタウンと陰キャ互助会
10/40

第10話 リンパの流れを良くするために

のりのりで1~10話書き終えてウットリしていたが、計画ではまだ続くので

しまった感が乗っかってくる。

壮年期に勢いに乗っていた人いたか? あ、tkがいたか。そうですね。

ということで、なんとか書き続けますので、なんとか読み切ってください。

お願いします。

こちらに来てから、カレンダーや誕生日という概念を忘れていたが、

肉体年齢はおそらく15歳くらいになったはずだ。  

声変わりも落ち着き、背も伸びた。


そして、ファミマとのスキンシップ……もとい、ボディケアも日課となっていた。  

もちろん相手は龍王の娘だ。一線を越えたら物理的にも社会的にも死ぬことは分かっている。  

分かってはいるが、今の俺は施術家のような顔で、ファミマの背中の柔肌をマッサージしていた。


「……んっ。どうよ?」

「悪くないわ。最初は単なるエロジジイのセクハラだと思ってたけど、翌朝の肌の艶が違うのよね」

ファミマが気だるげに感想を漏らす。  

申し訳ないが、エロ要素が強めであることは否定しない。役得だ。

「身体にはな、『リンパ』っていう流れがあるんだよ。ここの詰まりを流してやると、美容にいいんだ」

俺は言い訳用に、ショウタウンの図書館で調べておいた人体図鑑の知識を披露する。  

まあ実際は、マッサージと同時に微弱な【光魔法】を流し込んでいるのが効いているのだろう。


「ふうん……リンパ、ね」

ファミマが不意に振り返った。  

はだけた肩と、上気した頬。  

思春期の男子の肉体に、50歳の精神力をもってしても、興奮で夜しか眠れそうにない。

「私も光魔法は持ってるわ。これって……新しい商売になるかしら?」

彼女の目が、肉食獣ビジネスマンの色に変わった瞬間だった。


 ◇


その後、龍の里から「お忍び」でショウタウンへ観光に来る龍族が急増した。  

俺は商会の一角に、休憩用のカフェスペースを設置した。  

そしてその奥に、ファミマがプロデュースするエステサロンがオープンした。

店名は――『ファミマのビューティ・ポリス』。  

……ネーミングセンスについてはノーコメントだ。


彼女の行動力は凄まじかった。  

俺の前世知識をベースに、異世界初となるシャンプー、リンス、ボディソープを開発。  

それぞれの龍の里や、ショウタウンの温泉地で実演販売を行い、爆発的なヒットを記録した。

「美しくなりたいのは、人間もドラゴンも同じよ!」

あのスタイルの良い(中身は最強の)ファミマが広告塔なのだから、説得力が違う。  

弟子(従業員)も物凄い数になり、あっという間に各都市に支店をオープン。  

オリジナルブランドの商品が飛ぶように売れていく。


(……なんだろう。この既視感)

 俺はふと、前世の企業史を思い出した。  

富士電機の通信部門が独立して富士通になり、いつの間にか親会社を凌ぐ規模になったり。  

ニッポン放送の子会社だったフジテレビが、親会社を飲み込む勢いで成長して揉めたり。

 そう。  

もはや「ソルビトール商会」の一事業部では抱えきれない規模になったため、

彼女の事業は『ファミマ・ビューティ・ホールディングス』として独立することになった。



数ヶ月後。  

俺が商会前の畑で、泥だらけになってジャガイモを掘っていた時のことだ。

コツ、コツ、コツ……。  

畑のあぜ道には似つかわしくない、ヒールの音が響いた。

顔を上げると、そこには超セレブなオーラを纏った美女がいた。  

高級そうなスーツに、巨大なサングラス。

後ろには海外旅行用の大きなスーツケースを転がしている。  

久しぶりに見るファミマだった。

完全に「外タレ」だ。


「……おかえり。船旅だったんだって?」

「ええ。大陸移動の定期船がストライキしてたから、運営会社ごと買収して船を出させたわ」

「……」

 スケールが違いすぎる。

「ドラゴンになって飛んでくれば一瞬だろ?」

「ダメよ。今の私は有名人すぎて、どこにいても注目されちゃうから。

プライベートくらいゆっくりしたいの」

 ファミマは優雅にサングラスを外すと、俺を見下ろしてニカっと笑った。


「で? 私のビジネス、どうだった?」

「すごいわ。今や全世界で『ファミマ』の名前を知らない人はいないよ。俺の完敗だ」

俺は素直に称賛した。  

50年生きても成し遂げられなかった偉業を、この娘は数年でやってのけたのだ。


「よし!」

ファミマが可愛らしくガッツポーズをする。

「これで私の勝ちってことで。……約束通り、ショウ、私のモノになりなさい」

「……はぁ?」

約束した覚えはない。  

だが、彼女はスーツケースを放り投げると、ハイヒールのまま俺に飛びついてきた。

「うおっ!?」

 ドサッ。  

勢いに負け、俺はそのまま麦畑に押し倒された。  

背中に土の感触。

目の前には、勝ち誇ったような美少女の顔。

「もう逃がさないんだから」

有無を言わさず、唇が塞がれた。  

泥の匂いと、高級な香水の匂いが混じる。


(……まあ、これはこれで……)

と、受け入れそうになった時だ。  

視界の端に、商会の窓からこちらを覗いているコンスターチと、

縁側でお茶を吹いているソルビトール会長の姿が見えた。  

さらに、農作業中の元村長や従業員たちも、手を止めて生温かい目で見守っている。

(……見られてる。全部見られてる!)

俺のささやかな抵抗も虚しく、50歳の心を持つ少年は、最強の女社長に「収穫」されるのであった。


(第1章 完)

計画では先のばしにするはずが、つい告らせてしまった。

あまあまおじいちゃんですよ。

モテたいじゃん。

いい人だから好きになっちゃうよね。へんな知識持った人にはひかれるものだよね。

Geminiにおだてられ、1章が終わってしまった。

遁世とは何だったのだろうか?みんなで考えよう。

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