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1話 死霊術師

とりと申します。

初めて小説を書きます。

世界線や文脈等、できていないことが多いと思いますが温かい目で読んでいただけると嬉しいです。

ここは王都から遠く離れた辺境の地。

 

私たちは買い付けた商品を幌付きの荷馬車で運んでいる。

人気の少ない辺境での移動はかなり危険だが仕方ない。

 

そういうものだ。

 

視界の右側に見える森から魔獣が出るかもしれない。

左側に見える草原から野盗が襲ってくるかもしれない。

上空からワイバーンが狙っているのかもしれない。


つまり旅ってのはそういうものだ。

 

転々と移動する商人には危険が伴う。

まぁ、商人だけじゃないんだろうけど。

冒険者だって戦って負けたら終わりだし。

稼ぐって命懸けだ。

 

ただ、少しでも生存率を上げる為に冒険者ギルドから護衛を雇っている。

結構な出費になるけど生き残らなきゃ意味がない。

だから多くの商品を買い付けて移動するんだ。

 

「そろそろ野営できる場所を探します?」

 

護衛の冒険者が声をかけてきた。


「そうですね。あと一時間もすれば暗くなってくるので、今日はここらで休みましょう」


道から少し外れた見通しの良い場所で野営するこことした。

手慣れた手つきで準備をする二人の冒険者。


野営では基本的に粗食だ。固くなったパンや干し肉、チーズなんかあれば豪華となり。

でもこんな危険な場所に住むのではないので粗食で十分。

安全な町に着いてから美味しいものを食べて清潔なベッドで眠るのが一番だよ。


見張りをする必要もないしね。


荷馬車から必要な道具を降ろしていると遠くに人影が見える。

結構な人数だ。ざっと30人くらい?


冒険者二人と商人は身構えた。盗賊ならひとたまりもない。

降ろした野営道具を荷馬車に積み込み逃げる準備だけしておく。


人影はこちらに近付いてくるが、異様な光景だ。

荷馬車は見えない。馬もいない。徒歩で移動している。

商人ではないのは間違いないと思う。

盗賊が襲ってくるとしても取り囲んで襲撃すると思うのだが、これは違う。

30人くらいがひと纏まりになってこちらへ近付いてくるんだ。


まるで小さな村人全員で移動でもしているのか?

というか、何かおかしい。おかしいというか異質な雰囲気。

オーラというか黒い霧のようなものが見える、気がする?


襲われてもギリギリ逃げ出せる距離で護衛の冒険者が声をかける。

「何者だっ」


「クォデル村から王都まで旅をしている者です。襲ったりしません」

群衆の1人がそう答える。子供のような声だ。


「もしかして『おくりびと』か?」

「そうです」


護衛はこちらを向き

「大丈夫そうだ」と言って集団に歩み寄る。

もう一人の冒険者も警戒を解いた感じだ。


「あ、あの、『おくりびと』って何なんですか?」

「え?ネイル君って知らない?めちゃくちゃ良い子だよ?」


フードをかぶった集団が目の前にきて私は驚愕した。


「ㇶィッ、す、スケルトンッ」

「あ~、最初はビックリするよね。普通は魔物の集団だと思うからね」

「大丈夫だよ。この子らは俺等の恩人だから」


二人の護衛冒険者が落ち着いているから何とか逃げ出さずにいたが、魔物が恩人?

全然理解できない。


一人がフードを取り顔をみせて挨拶する。灰色の髪で10歳くらいの人間の子供だ。

「ネイルといいます。死霊術師です」


「な、死霊術師っていったら死体を操って悪さしているやつじゃないか!」

ビクビクしながらそう答えると護衛冒険者が

「それはイメージだろ?この子はその死霊術師と違うって。簡単に言うとだな、魔物や盗賊に襲われて死んでしまった冒険者や商人の死体を遺族の元へ送り弔う活動をしているんだ」

「そうそう、仲が良かった冒険者友達の遺体も運んでくれてちゃんと葬儀もしてやれたし。感謝こそすれど怖がることはないですよ」


「、、、そういえば、顔見知り程度の商人が旅先で盗賊に襲われて死んでしまったが遺体を王都に運んでで葬儀をしたって話を聞いたことがある」

「うん、それもこの子のお陰だと思うよ?」

「子供だがとても優しい子さ」


タリイ商会はこの冒険者二人には何度か護衛任務を受けてもらっている。

タリイ商会といっても僕一人の幌馬車商隊なんだけど。

護衛の二人は知り合って数ヶ月経つが粗暴な冒険者とは違い真面目で礼儀正しい。

剣士のトニーさんと魔法使いのフェンさん、どちらもCランク冒険者だ。

この二人が言うなら間違いないんだろう。


がしかし

「えっと、ネイルさんでしたか。商人のタリイと申します。後ろの人達は襲ってこないんですよ、ね?」


子供の後ろに立ち並ぶスケルトンやらゾンビ達。とても怖い。

全員フード付き外套を着ているが生気がない。

(あ、当たり前か。死んでんだから。って余計怖いわ)


「はい、大丈夫です。絶っ対襲ったりしません」

はっきりとした口調で言い切る。

ここまで堂々と絶対と言われたらもう何も言えないじゃないのさ。


ぐうの音も出なくなったところでトニーが切り出した

「ネイル君もそろそろ野営するんだろ?一緒にどうだい?」

「それ思ってた。一緒にご飯食べよう」

「え、いいんですか?」


こっちを見るネイル君とトニーさんとフェンさん。

「いいですよ?」

(それしか言えないじゃん。本音は勝手に決めるなだけどさ)

というわけで四人と沢山のアンデッドと野営することになりました。


僕は先ほど荷馬車に積み込んだ野営道具を降ろす。

トニーさんは周辺で薪集め、フェンさんは周囲の警戒。

ネイル君はというと、アンデッドが背負っている背嚢から食器を取り出していた。

テキパキしている。

周りのアンデッド達も手伝っている。

というかアンデッドの一体がジャガイモ、ニンジン、タマネギを切っている。

そして料理アンデッドは生肉を背嚢から取り出した。


「ね、ネイル君?あれは料理をしているの?」

「はい。あ、あの肉は昼過ぎに森で出会ったブレードラビットを買ったお肉ですね」

「へぇ~、この辺はそこそこ強い獣がでるって話だもんね。、、、失礼な言い方になるけれどアンデッドが料理した物を食べるのかい?」

「はい。あぁ、消臭と除菌にキュアをかけているので汚くないですけど、やっぱり食べませんよね」

「ごめんね、ちょっと喉を通らないかもしれない、、、」


(よし!なんとか回避したぞ!)


ジュウーーーーーーッ

アンデッドが深型のフライパンで野菜を炒めだした。

数体のアンデッドが焚き火炉用に石を並べ、別のアンデッドが魔法でファイヤーボールを足元に出している。

戻ってきたトニーさんが子供の腕くらいの太さの薪を横に置いている。

その横にフェンさんも並んでいる。

二人はフライパンの中身にくぎ付けだ。

(おい、周囲の警戒はどうした?)

話を聞くとネイル君とこのアンデッドが見張りをするとのことだ。

「ネイル君ところの料理は美味いからな。とても楽しみだ」

「うんうん。久々に温かいご飯が食べれる」

「おまけに歴戦の戦士がいるしな」

「魔法も凄いし今日はラッキーだね」


なんと夜の見張り番もアンデッドがするらしい。


「二人は食べるんだね」

「え!?タリイさん食べないの?」

「タリイさんも温かい食事全然摂ってないですよね?食べましょうよ~」

「まぁ最初はそうか。どうしてもアンデッドが作る姿を見たらね」

「エミリさんが作る料理はとても美味しいのに~」

(料理アンデッドはエミリというのか)


炒めた野菜にブレードラビットの肉を投入し更に炒める。

(くっ、匂いがヤバい)

野営中はあまり料理はしないのが常識だ。

匂いで周囲の魔物を呼び寄せちゃうからね。

しかしネイル君が連れているアンデッドは強いので大丈夫らしい。

僕たちの周辺に料理や雑用をしているアンデッド6体以外は人目の付かないところに分散して周囲を警戒しているらしい。

しかも勝手に交代しながら朝まで見張りをするとのことだ。


僕の死霊術師のイメージが少しずつ崩れていく。そして

(ぐぅぅぅぅ~~)

盛大に腹の虫が騒いだ。

「タリイさんもいかがですか?」

「ん、申し訳ないですが、少しだけ分けてもらえると助かります」

簡単に折れてしまった。


炒めているのだから炒め物かと思ったら深型フライパンに水を注ぎ始めた。

そのまま煮込み続けて数十分、具沢山スープになった。

ネイル君が背嚢から食器類を取り出し準備していく。

料理アンデッドは慣れた手つきで調味料で味を調え深皿によそう。


何もかもネイル君に出させるわけにはいかないので僕たちの手持ちのパンを一緒に並べた。

数日ぶりの温かい食事。とても美味しい。

こんなのは野営では食べれない。

とても幸せ。


「やっぱり美味い食事はいいな」

「野営を数日してると心まで冷えるよね。報酬次第だけど長くやるにはそれなりに気力がいるからね」

「体力もな」

「うん、雨降ったりしたら最悪だよね」

「タリイさんの荷馬車は幌付きだけどたまにボロボロな荷馬車があるよな」

「え、ダジャレ?幌だけにボロボロ?」

「偶然だっ、、、」

「僕も荷物を沢山買い付けて荷馬車に積みたいですが、幌付き荷馬車は寝泊まりするテントを兼ねているので天気が悪ければ雨に打たれながら眠ることになりますからね。その時は覚悟を決めて買い付けますよ」

「覚悟を決めるってことは結局積み込むのかよ」

「眠る場所より荷物なのね」

「商人ですので。雨粒の直撃が嫌な時は幌付き荷馬車の下に避難して眠ります。背中びしょびしょになりますが」

「商魂たくましいな」

「ネイル君のテントは?」

「僕はあの小さめのテントを使っています」

指さす方向には小さいテントが設置されていた。


「そういえば商人さん達はどこへ向かっているのですか」

「僕達はこのまま王都へ向かいまます」

「ネイル君はいつも通り村々を寄りながらよね?」

「はい。村々に寄ってから王都へ向かいます」

(村々に寄る?たしか道中は小さな村しかなくてそれこそ宿もない程度の村しかないはずだけど?特に目立った特産品もなく十数人程度の人口しかないはずだけど)

興味本位で聞いてみた

「村で何をするんだい?」

「アンデッド達の知り合いや故郷を探しているんです」

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