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知らない天井、知らない自分。

はるかくんがはるかちゃんになる話です。

 目が覚めた。視界に入り込む知らない白い景色。

この天井は病院のもので、自分は病院のベッドで寝ているのだと気づくのには6秒かかった。


みんなもないだろうか?旅行先なんかでぐっすり眠った後目が覚めた瞬間に一瞬「あれ、ここどこ?」となった経験が。


…あれ?なんで俺、入院してるんだ?


ああ、思い出した。そうだった、刺されたんだっけ。


 俺の名は佐藤はるか。15歳のぴちぴち高校生男子だ。

新しい高校生活にも慣れ始めた6月12日の帰宅中にある事件が起こった。

 普段は友達と家に帰るけど、今日はたまたま陸上部を早上がりしたもんで、ぼっち帰宅だったのだが、帰路について数分たった時に

異変が起こった。

 

女の悲鳴が聞こえたのだ。

 気になって声の方に行くと、小汚いおっちゃんが女児の腕を掴んでいた。

 女は泣いていた。警察、とか大人を呼ぶ、とかいろんなことが頭によぎったけど、まずは助けないとと思い、

「大丈夫ですか?」と声をかけた。こんなことしなきゃよかったと10秒後後悔することになる。

「その、女の子、泣いちゃっててぇ、えっとぉ…」ゴニョついてたら、おっちゃんが叫ぶ。

「ああ、見たっ、クッ、んなぐぅ、殺したる!」そしてカバンをガサガサしたと思えば包丁を取り出す。何かあった猫型ロボット、といった様だ。

 

そして…刺された…のかな?首が小規模な赤いナイアガラになった、なんて思ってたら、もう思い出せる記憶は途切れた。


「つまり、俺は刺されて意識を失ってる間に搬送されて助かったんだ!」

なんてことを声に出した瞬間に違和感を覚える。

 俺の声はとっくに声変わりで低音ヴォイスになってたはずなのに、

 今自分の喉から出た声は…

 

高く、可愛らしい、女の声だ。

 混乱が止まらない。なんか、こう、喉とかもやっちゃったのかな?

「あぁ…あー、あー。」

 いや、思いっきり女声じゃないか。

 そしてあたりを見回す。別に深い意味はない、混乱による行動だ。

 すると、右に、可愛らしい小柄な女の子がいて目が合った。

 綺麗で長い黒髪、透き通った真っ黒な瞳、儚くてスリムなボディー。

 まじまじとガン見取れてしまったが、慌てて目があったもんだから、会釈をすると、向こうも同じタイミングで会釈した。

(被った。きまじぃー…)なんて、めでたい俺の脳みそは理解したが、すぐに、自分の誤った認識を改める。


右にいる…というか「ある」のは、


鏡だ。


そこの勘のいい読者くんはとっくに気づいてたんじゃないかい?

 

 鏡に向かって手を振る。可愛い女の子が手を振返してくれる。

 右手を見る。俺は身長も170なんぼかあって、高一にしたらちょっと高い方だった。手も、握力を普段鍛えてるからそれなりにゴツかったはず。

 なのに、この手は真っ白で、細い腕の先に綺麗な手と細長く綺麗な指がついていた。


「あ、俺女になったわ!」

なんて口にだす。

 人っこ一人いない真っ白な病室に、可愛い声が虚しく響く。



インキャ妄想を文にしました。もちろん続きます。

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