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世界の危機


「ちっ」


俺は綿あめの背に乗り、爆走しながら社長を探していた。どこを見ても炎に包まれており、知っている景色というのがすべて壊れていた


「この状況でも配信つながってるのが奇跡だな」


〝いや、まじでそれはそう〟

〝他の配信者の配信は止まっちゃってるけど〟

〝ていうか、今、インターネットつながってないんだよね。なんで見れてるんだろ?〟

〝きっと蒼夜さんの超人パワーで……ね?〟

〝それなら納得〟

〝うん〟


「お、みぃつけたぁ」


自分でも驚くほど低く暗い声が出た


「ちっ……やっぱ早えな、お前」

「綿あめがな。進化したっぽいし」


〝は?〟

〝進化?〟

〝マジで?〟


「ああ」

「へえ……ま、進化したところで俺には勝てねぇがな!」


社長は50メートルほど離れた場所に転移し、大量の炎の精霊を召喚する


「焼き殺せぇ!!」


球体や槍など様々な形状の炎が牙をむく

俺は綿あめに乗りながら氷の剣を作成し、炎を必要最低限だけ切り伏せていく。あとはチョコと大福に任せる


「ふっ!!」


綿あめも炎に怯えることなく走ってくれている。そりゃそうか。チョコの炎のほうが温度高いもんな。というか神になったんだからいちいち驚くわけないもんな


「ワォォォン!!」


綿あめは吠えて、炎を凍らせる。


「やはり、そいつはやべぇな。だが想定内だ! こい!! お前ら!!」


社長はさらに100体を超える炎の精霊を呼び出した


「行け!! あいつらを消し炭にしろ!!」


進路をふさぐようにして広がった炎の魔法に向かって突っ込む。本来なら一瞬で焼け死んでいてもおかしくないのだが、その炎は突如として空中で動きを停止し、ポンッ、という音を出して消えた


「にゃぁ」

「きゅ!」


日本のすべての火事を消し終えた二匹が戻ってきたのだ


「想像よりもずっと速いじゃねえか………!? くそっ! 使えない奴らだ!!」


そして、ゴロゴロゴロという音がなったかと思えば、社長に向かって特大の雷が落とされた


「ぐああああ!?」


上空を見るとココアが旋回していたつまり、社長が最初に召喚をした精霊は全て討伐が完了したということ、なら後は目の前に見える範囲だけ、あとは作業になるだけだ


「このォォォ!! 鳥風情がぁぁぁぁぁ!!」


真っ黒に焦げながら、ボロボロになりながら声を張り上げる社長。俺にはなぜか不穏な空気が感じ取れた


「もういい。もう少し粘って油断したところを殺ろう(やろう)と思ったが……やめだ。今すぐ殺してやる!! 殺れ(やれ)!! 炎の上位精霊!」


はるか遠く。空の果て、宇宙から巨大な炎のビームが飛んでくるのが目視できた。速度にするとおよそ新幹線ほど。かなりの速度だ


「あれ……やばくないですか!?」


今まで、しがみついて目を閉じていたハルさんが騒ぎ始める。今かよ


素早く四匹が動き、全ての魔力をつぎ込んだ全力の合成技を放つ。赤、青、緑、黄色の光が空を彩り、ジェット機並みの速度で飛んでいき精霊のオレンジの炎と衝突する。上位精霊の魔法対神四匹の魔法だ。どちらが勝つかは明白だっただろう


「なっ!?」


だが、なぜか綿あめたちの魔法が霧散した


「上位精霊の炎は飛んだ10キロ進むごとに威力が倍増するんだ! 宇宙空間から放ってるんだぜ? ざっと精霊の魔法の1024倍は威力があるだろうよ!! がはははは!!」


なるほど………あの炎に触れたら綿あめたちですら一瞬で消滅するだろう。だが、その綿あめたちは魔力切れで動くことができない。ならどうするか? 簡単だ。俺が従魔を守る。それが主の仕事だよな?

俺は綿あめたちを追い抜かし、前に立つ


〝おい!? 何をしているんだよ!?〟

〝無理だって、綿あめちゃんたちの魔法の劣化版しか使えないんでしょ!?〟


「わふ!?」

「にゃ!?」

「きゅ!?」

「ぴぃ!?」

「蒼夜さん!? 何をしてるんですか!?」


急に前に出た俺に綿あめたちとハルさんの驚愕の声が聞こえる。


(あまりにも理不尽な炎。だけどあの時、父さんたちもあいつらも同じ様な理不尽に立ち向かったんだよな)


そんな声は幼少期を思い返している俺の耳には届かなかった。

従魔たちの過去を出したので次は蒼夜の過去をだします

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