東バーデンギラ探検団
さてと。異世界に来たはのはいい物の、異世界はそう簡単に生きていけない物だ。これからどうやって生きていこうか。
「そういえば若造。あんたはどっから来たんじゃ?」
「あ、えーっと、一番東の国から来ました」
「ナニ!?一番東じゃと!?......」
な、何か不味いこと言っちゃった感じがする。突然聞かれたから、ついつい日本につられて一番東の国って答えちゃったけど、もしかして東の方って誰も住んでなかったりする!?
「そうか、東の方か...聞いて悪かった。そりゃあ無謀にここまで来るわな。このレクゼイア王国はあんたを歓迎する。よく今まで生きてきたな」
どうやら一番東の国はとにかくヤバい国なようだ。まあでもこのまま進めば上手く行きそうだし一番東の国出身と言うことにしておこう。
「そう言うことならわしんとこのギラに入れ。あそこはあんたみたいな人が多い」
ギラと言うとこに入れてくれるようだ。でもギラってなんだ?は!もしや異世界と言うことは冒険者パーティなのではないか!?それなら是非とも入れてほしい!
「それなら是非とも入れてほしいです!」
「フン!そう言ってくれて嬉しいぞ!それじゃあ早速行くとするか」
パーティに入れば異世界で生きていくことも容易だろう。なんてったって異世界に行った人は皆そうだったから。
そうこうして町の中心部に向かって歩いて行った。
色とりどりの店が並んでる。元居た世界にもありそうでなさそうな野菜がたくさんある八百屋。鮮やかなオーラを放つ花や、見るからに肉を食べそうな獰猛な植物もある花屋。宙に浮く魚や地面の中を泳ぐ魚もいる魚屋。そしてアニメやゲームでしか見たことのない、燃えてたり輝いてたり、はたまたつたが絡まってたりする杖や、禍々しいオーラを放つカラフルな宝石、刃がオレンジ色に輝く剣や青色に輝く斧、ダイヤモンドのように光る鎧、そんな夢のような物が並ぶ店、そう、武器屋だ!他にも目を奪われる店が悠然と並ぶ街並み。やっぱりここは異世界だ~!
そしてついにやって来た、東バーデンギラ探険団本部と言う場所。この建物がそのパーティ、と言うか組織の総本山。やっぱり僕の運は尽きてなかった。さーてこっから快進撃を始めてやる!
「あ、ジョウさん!今日も任務来てますよ~」
「ちょっとそれは後にしてくれんかの。今日はこいつを勧誘してきた!」
「あ、こんにちは!初めまして、サカモン・ウイチです」
「ジョウさんは本当お人好しですね~ウイチさん初めまして、僕は受付のコッズル・ヂランです。ウイチさん、入団手続きでしたら奥で少し待っていて下さい」
もしかしたら入団試験でもあるかも知れないな。心の準備はしておこう。
「そうじゃ一つ言い忘れておった。実はこいつはの〜なんとトーグヴェンから来たんじゃ」
「トーグヴェンから来た!?そうだったんですか...」
トーグヴェン?一番東の国の名前なのだろうか?まあ覚えておくか。にしてもどれだけヤバい国なのだろうか...今度聞いてみよう。
「それでは先ず、ウイチさんには手続きをしてもらいます」
そう言って紙を持ってきた。長い。A4の紙を52枚くらい縦に繋げたのと同じぐらいある。
『その一 バーデンギラ探検団の志望動機を書いて下さい。(最低100文字以上最大20000文字以下)
その二 魔力適正属性を選んで下さい。(無属性を含めた13属性のどれかに丸をつけて下さい。複数丸をつけても構いません)
その三.....』
と言う感じに47まで続いている。いくら異世界でもこれが普通とは思いたくない。
「あの〜いくら何でも長過ぎませんか?」
「あーそうですね。まあウイチさんなら空欄にしても良いですよ。一個くらいなら」
終わった。やっぱり運尽きてたかも知れない。
元々は番外編のつもりだったので、プロットはありません。なので常に書きながら先を考えています。