王都は大変でした
薬指の爪を一番伸ばしてます。二番目は小指、三番目が人差し指と親指。そして中指は伸びたら即切ります。
おはよー。今日で異世界に来て3日目だ!あ〜一回振り返ってみるか。
先ず0日目。異世界に来た。ジョウさんに助けられて東バーデンギラ行って、ウラウさんと出会って、西海岸でゴグフェンヂカノンと出会った。そのまま怪物魚倒したけど、めっちゃ怪物魚来て、変な二人組が倒してくれた。そういえば36日後に何かやるって言ってたな。でディーサーさんにゴグフェンヂカノン預けて、代わりの武器探しにアニポル行って、まあ色々あってアンダーワールドスピアーをGETした。
そして1日目。王都に向かって行くけど、北門で魔獣が暴れた。そこでテンランと出会って、歩いて行った。で結局一日中歩いてた。
昨日の2日目。起きたら牢屋で、王都を観光。そして代表ギラでディクと出会って北鉱山到着。中でも色々あってBOSS土竜撃破。そうして今に至る。
波瀾万丈だな。
「あ゛ー、おかげで喉も、無事じゃ無い」
昨日呪文叫まくったからな。
さてと、今日はもうバーデンギラに帰れば良いのかな?まあとりあえず代表ギラ行くか。
「こん、にちはー」
「あ!ウイチ!!あーえっと色々大丈夫だった!?」
ディクは相変わらずだ。目元にクマできてるけど。
「喉以外は大丈、夫」
「なら良かった!それでそれでね、私達で色々調べたの。その結果、十中八九でエンム・プレウが生き残っている可能性が高いわ!」
やっぱりか。上等だ、異世界に来て魔王を倒さずに帰れるか!
「エンム・プレウは、ディクの想像力なんかでは、理解できぬ、強さだぞ」
「先生!」
「ドランヌク将軍も、あいつには絶対勝てぬ。と言う程だ」
..あ〜ディクが歴史好きな理由分かったかも。このおばあちゃん先生だ。
「エンム・プレウは、絶対的な力に、興味が無かったといわれる。何故なら、もう既に持っていたからだ。絶対的な力、それは、伝説の英雄が何人束になろうと、賢者やトーツレットの知恵があろうと、九剣やバダンの杖でも、不死鳥であっても勇者であっても、決して及ばぬ力なのだ」
やっぱり話長ーい。ただ強いよって言うだけでこれか。全部説明されると困るから聞かないでおこう。
「それでも、その絶対的な力に対抗出来た、英雄カンカンタンも、もう居ないのだ。だから―」
「先生!もう良いです!」
「...あの〜、もう帰って良、いですか」
「あ、この事はディーサーさんにも伝えておいて!後の事は代表ギラ連合と四方ギラ連盟でなんとかするから!!」
「分か、たー。じゃあね〜」
いや〜王都は忙しかったな。にしても僕の感覚ちょっとバグってるな。あのBOSS土竜絶対国一個滅ぼせるでしょ。...まあ異世界転移したならこれぐらい普通か。
そういえばずっと気になってた事がある。ここは...なんていうか、どういう所なんだ?僕の居た世界と完全に違う異世界なのか?それともゲームの中の世界か?はたまた夢か?仮装現実ってやつか?アニメやマンガの世界か?異世界にも種類があるはずだ。でも異世界からじゃ分かる訳無いよな。あーそもそもどうやって来た?それが思い出せればほぼ答えなんだけど。まあ記憶がある訳無いけど。...多分神かゲームマスターとかに連れてこられた感じだ。いやたまたまの可能性もあるか。...次の目的はこの世界の正体と帰り方だな。
あ、これ一昨日のタフェロック・ミミックだ。ヘザヲスでも撃っとこ。
「へ、ザヲ..ゲフ、ゲフ」
辞めとこう。
あーの尻尾は雷使いのイノシシか!?寝てる。イノシシって夜行性だっけ?
今さらだけどサーン使えば速く移動できたじゃん!!
「サーン!」
おおぉーー。はぇぇぇ。あそうだ、これにダン付けたら新幹線ぐらい速くなるんじゃね!?
「サーン・ダン!!」
ゴン
木にぶつかった。
...あんまり調子乗らない方が良いな。アニメやマンガの常識って本当だったのか。
なーんか前からすごい速いの来てる!!
ゴッッツン
「いっって!!前見て、ってあ〜え〜ウイチか!!」
「あ、そっちは、え〜ソウビクさん?」
「どうだい、元気か?海お..ゴグフェンヂカノンはどうした?」
「あー今ディ、ーサーさんに調べてもらってます」
「そうか、早く分かると良いね!えっと33日後に西海岸で朝四時な!覚えといてよ〜。サーン・ダザン!!」
超高速、それこそ新幹線ぐらいの速さで走り去っていった。...本当33日後に何があるんだろう。あー頭痛い。
よ〜やく北門に着いた。アンダーワールドスピアーから光が失われてる。一時間ぐらいサーンで走ってたからな。
「通行証を見せてくれ」
そういえばそうだった!通行証って何だ?団員証で行けるか?
「通って良し」
行けたは。
「...あ、ウイチさん!」
「ウ、ウラウさん!」
「土竜倒したんですね、聞きました。...スゴいですね」
「いやーそれ程でも(異世界転移したからね)」
「...実はこっちは大変で.........」
「?」
「―私はやっぱりそう思うの!!」
「私もそうだと思うわ。やっぱりそれが良い」
「おいらは良くないと思うっす!!」
「どこが良くない?」
「それは〜その...ボス!言ってやってください!!」
「コッタいつからそっち側になったんだ...」
「我がハッキリ言ってやろう。言え、スダ」
「その考えでは―」
「いやあなたが言うの!?バッハくんが言う流れでしょ普通!」
「ケンカも、口ゲンカも、良くない。」
「そうじゃな。だがわしはもっと良い考えがあると思うがの」
「ジョウさん!?せめてこっちに入ってください!」
「あ、あの〜ぼ、ボクは..!」
「我らと違う考えは敵だ良いか?」
「違う、考え方は敵!違う、考え方は敵!」
「行け、ルアル」
「マト、も、敵!マト、も、敵!」
「違う、私は敵では、ありませんよ。」
「おいらと勝負っす!ヒクバさん!」
「なんで私...」
「だから、ボクは!」
「待って!ショウクくんが何か言おうとしてるでしょう!」
「バッハ様、いかがなさいますか」
「却下」
「分かりましたバッハ様。バッハ様は却下と言う事で」
「ボスがそうおっしゃったので、早く退がりなさい」
「酷い。」
「敵、に、情けはいら、ない!」
「オルガン本当はこっちなんでしょ〜。早くこっち来なよ〜!」
「バッハ様、あんな出鱈目に騙されないでください」
「...確かに大変な事になってるな」
「うん......私は抜け出して来たわ」
「あ〜〜あし〜た〜の〜あ、ウイチさん。お帰り〜」
「ヂランさん、あのー今何やってるんですか?」
「あ〜君のゴグフェンヂカノンについてだよ」
『!!!』
ん?ゴグフェンヂカノンについて話してたのか?何かゴグフェンヂカノンにあったのか?
「言いよったな、ヂラン。ほれ、皆もう素直に話すべきじゃ」
「で、でも...」
「我はずっとそう言っていたが?」
「もう誰か代表がどっちかの方で言えば?」
「じゃあジョウさん?」
「わしはやらないぞ」
「じゃあ僕が言うね〜」
「ヂランは!」
「チッチッチ〜。人の口に戸は建てられないよ〜。ウイチさん、君のゴグフェンヂカノンは―」
一体なんだって言うんだ!?
ウイチの喉が無事じゃ無いのは私の喉が無事じゃ無いからです。ウイチはできるだけ苦しめたい。