幸運か不運か
こんにちは!初めまして!僕の名前は坂本運一。取り柄は、自他共に認める幸運を持ってる事。でもそれ以外特に取り柄は無い。
今日も、僕はいつも通りの日常を送っていたと思うのだが、詳しくは覚えてない。何しろ気づいたら、異世界に居たのだ!
僕にとっては運が良かった。なんせ異世界だ!異世界に行きたいと誰しも一度は思った事があるだろう。それが叶ったのだ!とにかく嬉しい以外に何も無いだろう!
そんなこんなで今は町を探索している。とても綺麗な町だ。正に想像通りの異世界。昔のヨーロッパ風の建物がずらりと並び、その間を人が通って行く。改めて此処が異世界なんだと思った。
だがしかしここでとある問題に気づいた。言葉が通じない。
考えてみたら当たり前だ。外国語を勉強せずに外国に行っているのと同じなのだから。
それにしてもどうしようか。このままでは飢え死にしそうだ。異世界に来たのは運の尽きだったかも知れない。
僕の読んできたマンガや小説の知識で、異世界で生きていけるとは到底思えない。
でも、僕の運は未だ尽きていなかったようだ。
「そこの若造。あんたは外国人か?」
突然後ろから謎の髭もじゃの爺さんに話しかけられたのだ。しかも日本語で。
「え!?あ、そ、そうです。あの、何で僕と同じ言葉が喋れるんですか?」
「なんじゃ、あんた自動翻訳魔法も知らずにこの国に来たのか?無謀なやっちゃな。ほれ。これで喋れるぞ」
そう言って爺さんが手を僕の顔の前に翳した。何かが頭の中に入り込んできた感じがする。
「どうじゃ若造。わしの言葉も分かるじゃろ」
日本語ではない謎の言語で話し始めたが、何故か分かる。これが自動翻訳魔法なのだろう。
「た、確かに分かります!ありがとうございます!あ、ところであのー、貴方の名前は?」
「わしはタクリャ・ジョウじゃ。若造は?」
「あ、えーっと...」
その時咄嗟に思いついた名前が
「サカモン・ウイチです!」
こうして、ウイチとしての新しい日常が始まった。
初めて書いてみました。なので至らぬ所があっても大目に見て欲しいです。