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1.春の訪れ 冬和

冬から春に【時流】の儀式 冬和

季節は巡る。当たり前のように。

凍てつくような冬が終われば、暖かな春が来る。


イキモノの芽吹く時期。


今俺の二胡に合わせて踊るは、春の神寿珠。

薄い桃色の衣から伸びるしなやかな手足。

緩く結い上げられた髪には柔らかな鈴の髪飾り。


ちらりと見やれば、輝くような笑顔。

この時だけは、冬の神冬和と春の神寿珠だけのものだ。


季節の変わり目の大切な儀式。とは言え秋から冬への儀式は義務感しかないのだけれど。


寿珠の双手が御所の桜の大木にかざされた時、まるで魔法のように一面に緑が広がり、桜の蕾が花開く。


今年も無事【時渡】は終わった。


最後にお館様にご挨拶を済ませたら、今期の俺の役目は終わる。 


__冬は終わり、しばらくは寿珠の時。


大きな歓声に包まれながら、2人、お館様様の元に向かい、平伏。


「冬和、寿珠。【時渡】大義であった」


妖艶と言う言葉が最も相応しいのではないかと思わせる今代のお館様は初の女性当主。


代々男系だった一族の長に、女性という立場で日々苦労もあることだろう。が、それは次の機会に。


寿珠が桜を献上し、御返礼をいたす。


「お館様におかれましては、ご機嫌麗しゅう。益々のご多幸をお祈り申し上げます。冬から春への時渡、滞りなく終了いたしましたこと、私寿珠、並びに冬の冬和からご報告いたします」


「今年の春はどうか」


「豊潤な実りをお約束いたします」


「結構。励め」


「御意」


神官たちが静かに退席していき、襖は閉ざされた。


部屋には3人。


初めまして。藤咲花鈴です。

5人のカミ様よろしくお願い申し上げます。

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