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ゆるい短編

君がいない明日を生きる

作者: 閑古鳥

 君が死んだと聞かされたのは、学校のホームルームでだった。

 普段早く来ている君が、珍しく今日はいなかった。風邪でもひいたのかな?なんて思いながら、ただぼんやりと青い空を眺めていた。先生が来て、朝のホームルームを始めて最初に言われたのが、君が死んだという事だった。

 それはよくある事故だった。自転車に乗った君は、少しよそ見をしていた車と衝突して、帰らぬ人となった。昨日の夕方のことだったらしい。

 一限目は緊急の集会になると言われて、ぼんやりしたまま体育館へ向かう。校長先生が事故の説明をして、僕達にも気をつけるように言うだけの集会だった。

 教室に戻ると先生から連絡があった。お葬式は少人数で行いたいらしく、仲のよかった友達だけが行くようにと言われた。僕は君にお別れを言うこともできない。もっとしゃべっていればなにか変わっていたのかな。そんな後悔だけが押し寄せてくる。

 数日経って君がいないことが日常になってきた。誰ももう君のことをしゃべらない。君のいた席ももうない。君のいた跡が消えていく。君がいたことを、こんなにも簡単に忘れていく。記憶の中にある君の顔が声がぼやけてしまう。どうしようもなく悲しくなって、でも取り戻すこともできない。ただただ時間が過ぎていくのに流されるしかできない。

 僕はまた君がいない明日を生きる。君がいてもいなくても変わりのない明日を。君を忘れていく明日を。

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