表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星空の小夜曲~恋と未来と、少女の決意~  作者: 由希
第2章 中央大陸編
124/188

第104話 予期せぬ出会い

「ハアッ、ハアッ……」


 誘導に従い、何とか近くの民家に逃げ込んで。扉を閉めて、一息を吐く。


「も、もおおおお……何なの、アレぇ……」

「大丈夫、人間さん!?」


 すると奥から、パタパタと女の人が駆けてくる。その姿を見て、私は思わず驚いた。


「えっ!? ……エルフ!?」


 そう、女の人の耳は、サークと同じで長く尖っていた。サーク以外のエルフ、生まれて初めて見た……。

 隣のサークを見ると、やっぱり驚いたように目を見開いている。サークくらい長く旅をしてても、やっぱり同族エルフは珍しいのかな……なんて思っていると。


「……エリス……?」

「え……? あなた、サーク? やだ、サークじゃない!」

「へ?」


 お互いの名前を呼びながら、何だか熱く見つめ合う二人。……え……二人とも知り合い、なの……?


「ふぅ。ただいま、姉さん」


 困惑していると、私達を誘導してくれた人が中に入ってきた。よく見れば、この人の耳も長く尖っている。


「ヒューイ、サークよ! サークが来たのよ!」

「え? ……本当だ! まさかサークと会えるなんて……!」

「ヒューイ!? お前まで……!?」


 二人のエルフは、サークを見て酷く喜んでいるように見える。対するサークは、現状にまだ理解が追い付いてない、といったような感じだ。

 ど……どうしよう。私、どうしたらいいのかな……?


「人間さん!」

「ふ、ふぁい!?」


 私が所在無げにしていると、不意に女の人の目が私の方に向いた。少し垂れ気味の鳶色の瞳は、まるで幼い少女のようにキラキラと輝いている。


「人間さんはサークのお友達よね? いいえこんなに可愛らしいのだもの、恋人さんかもしれないわ! お名前は? サークとはいつからのお付き合いなの?」

「……いや。いや、待て、エリス。ちょっと待て」


 グイグイと私に詰め寄り質問攻めにする女の人と私との間に、漸く現状を受け入れた様子のサークが割って入る。そして見た事もないような困り顔で、深く、深く溜息を吐いた。


「……驚かせたな、クーナ。今、ちゃんと紹介する。この二人はエリスとヒューイ。その……俺の、従姉弟だ」

「……い、とこ?」


 サークのその言葉に。今度は私が、二人をまじまじと見てしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ