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星空の小夜曲~恋と未来と、少女の決意~  作者: 由希
第2章 中央大陸編
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第102話 見慣れない依頼

 夜を徹して国境へ向かい、次の国に入る頃には朝になっていた。

 私達は一旦国境近くの宿場町で休息を取り、それから改めて王都に向けて出発した。その国の情報が一番集まる場所と言えば、やっぱり王都だからだ。

 そして、国境を越えて三日後、私達は王都へと到着していた――。


「……こうしてマトモにギルドに来んのも久々な気がするな」


 依頼掲示板の前に出来た行列に並びながら、サークがそう呟いた。

 今日私達がここに来たのは、何かおかしな依頼がないか確認する為。異神の手の者が引き起こした事件をなるべく潰して、計画を妨害する為だ。

 そしてそれは、私達自身が強くなる事にも繋がる。戦いを重ねて、今よりもっと強くならなくちゃ!


「ま、ヤバい依頼がないならないに越した事はないが、どんな依頼があってもいいように心構えはしとけよ」

「うん!」


 サークの言葉に頷いて、最前列まで移動するのを待つ。待つ事体感十数分、漸く私達は掲示板が見える位置まで辿り着いた。


「さて、おかしな依頼は……ん?」


 依頼の物色を始めた私達だったけど、間もなく、私の目に見慣れない依頼が飛び込む。その依頼の種別の欄には、「救援依頼」と書かれていた。


「ねえ、サーク。この救援依頼って……」

「ああ、これは、一度依頼を受けた依頼を自分だけじゃ無理だって判断した冒険者が、ギルドに追加人員を要請した時に出る依頼だ。結果的に取り分が減る上にギルドの査定にも響くから、滅多に出ない依頼なんだけどな」


 成る程、言わば冒険者からのSOSって事だね。で、ここにいる誰も見向きもしない辺り、人気のない依頼でもあると。

 ……でも、そういうデメリットを押してでも依頼を出したって事は、つまり……。


「ねえサーク、これって……」

「かなり厄介な依頼……もしかすると異神側の連中が絡んでる可能性はあるな」


 サークを振り返ると、サークも私と同意見だったらしく頷いた。それに、助けを求めてる冒険者仲間を見捨てたくないもんね!


「サーク! この依頼、受けよう!」

「ああ、俺も異論はない」


 私達の意見は一致し、私は、救援依頼の紙を手に取ったのだった。

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