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9.ギルドと冒険者


「はい。これで登録はおしまいです」


手形のついた金属板に手を置き、すぐに離すように命じられてから、10分程で登録は終了し、ギルドカードが発行された。


登録作業が始まると同時に、ダンさんもローファさんも買取窓口へ行くと言い、お礼を言ってその場で別れた。


この金属板は「神在板かみありいた」と呼ばれ、ステータスをギルドカードに転写し、かつ重犯罪歴があれば赤く発光する板となっている。


もちろん、金属板は赤く発光することはなかったが、小心者らしく無駄にドキドキしてしまった……。


宿屋や、ある種の商会にも置いてあるが、こちらは簡易版の「神在板かみありいた」で犯罪歴だけが、わかるようになっている。


カード発行の間は、基本的なギルドの紹介や決まりごとの説明を受け、今後の迷宮探索について簡単に、アドバイスを貰った。

と言っても、パーティメンバーを早く見つけるようにと、釘を刺されただけだったけどね……。


正直、僕はあまりパーティを組む事を考えていない。


この国の人の評価は良くも悪くも、スキル次第。


迷宮を潜るのに最適なスキルがない中、それでも良いという人は少ないと考えている。


そして、一番の大きな理由は固有能力だ。


この固有能力は転移・転生者以外でも、稀に持っている人は存在し、どれも強力なスキルが多い事から、バレればまず平穏な日々は送れない。


その為、この能力を隠しつつ最大限に利用出来る事が条件となる。


都合の良い事に固有能力は鑑定や「神在板かみありいた」など鑑定板では判らない。


残念美神ざんねんびじん曰く、今まで存在が明らかになっている人は、自分から能力を見せたか、話したかで発見されているらしい。


いずれ、料理屋もやりたいし終身雇用と考えれば奴隷を買うのが一番なんだよね。


あとはウェイターとして現地の人をその時に雇えばなんとかなるのか。


その辺の相場と奴隷相場も合わせて今度調べる必要があるか……。


まぁしばらくは一人でなんとかやってみるか。


パーティについてあれこれ考察しつつ、待たされている間に聞いたギルドのルールは、大方の予想通りの内容だった。


ギルド説明によると、冒険者ランクはGからSの8ランク。


Gランクは、僕らのような15歳になってすぐ登録をした冒険者のランク


Fランクは冒険者が推薦し、戦闘能力含め初心者を脱したと認められた人のスタートランク


それ以上は、依頼達成ポイントにより昇格していき、Dランク以上は昇格試験の合格が昇格の条件となる。


Sランクは他支店のSランク2人以上又はギルドマスター3名以上の推薦が必須条件となる。


依頼は採取・討伐・護衛・納品等様々あり、どの依頼も取得効率はあるが、依頼の達成ポイント自体に優劣はない。


基本、依頼は迷宮内での活動で達成できるものが殆どであり、都市の外に出ての依頼は少ない。


依頼書は1階の掲示板はG〜D。2階はC〜A。Sランクは全て指名の為掲示板は存在しない。


依頼を受けたかったら依頼書の番号札を持っていく。掲示板から剥がさない。


常時依頼は達成後受注でも可能

失敗したら違約金が発生する。


これらの説明を受けたところで、黒い縁の名刺サイズのカードと首にかけるタグを渡された。


Lank:G

Name:ユウ

Skill:


勿論僕はGランクだ。


カードには、ランクと名前そしてスキル欄があり、スキルは「神在板かみありいた」から実はしっかり転写されているが、ギルド員含め冒険者の最大の生命線であるスキル開示は本人の許可無くされないようになっている。


またギルド員はそのスキルを探ろうとする事も一応は禁止されている。


そしてタグには名前とランクのみ記載されている。

通常見せたり、迷宮に入る際使うのはこの首にかけるタグでいいようだ。


「では何故スキル欄があるかと申しますと、スキルが依頼の条件になっているケースがあるからです。その際は雇い主にスキル欄に表示させ提示する場合があります」


「えっと。それじゃあ結局どの依頼を受けたかでスキルがバレちゃうんじゃ……」


「はい。そのような危険もございます。なので元々守秘義務の契約魔法をかけられているギルド員はもとより、依頼主にも守秘義務の契約魔法をかけております。なので当事者から漏れることはないかと思われます」


そもそも、スキルが非表示なのはスキル内容で差別を受けないようにするためというのがあるらしく、あの村のように村に役立たないスキル構成をハズレだと迫害するケースを減らすのが目的だと説明された。


「ユウさん。最も事故率の高いのは最初の依頼です。冒険者になったからといって特別な力が与えられるわけではありません。あくまでも迷宮に潜る資格を得ただけでございます。十分にお気をつけ下さい」


それまでの表情から一変し、厳しい顔のミリネさんは自分がカードを発行した冒険者が戻らない事を何度も経験していると、アドバイスをくれた。


「ありがとうございます。まずは慎重に依頼を選びたいと思います」


少し浮ついた気持ちをしっかり引き締め、ギルドカードを握りしめミリネさんに背を向ける。


そして出口に向かい一歩を踏み出……。


「あっ!今日泊まるところがないです!ミリネさんどこかないですか⁈」


「あなた……。あなたに期待したほんの短い時間を返してほしいわよ……。まぁいいわ駆け出しの冒険者が泊まるならギルドを出てさっき来た道を戻っていくと北側の建物の並びに白い看板の宿があるからそこがお薦めよ。

名前は【ナザーレ】ね。ほら行った行った。まったくもう」


「ありがとうございます。今度こそ失礼します!」


呆れ顔のミリネさんもまた綺麗だね。


おっとそんなこと考えているのバレたら怒られちゃうか。


よし今度こそ宿屋に向かおう!


日に日にアクセス数が増えてきて嬉しい限りです。

引き続きよろしくお願いします。


やっと冒険者になりました。

迷宮に入るのはいつなのか。いつになったら料理を作るのか……。


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