18.決して惜しむべきでは無い一手間
急にブックマークが増え嬉しいです。
ユニークアクセス2000人
PV10000も超え。皆様のおかげだと思っています。
現在奥のステージには4人の男女が並んでいる。年齢は15〜28歳 首からボードを下げており、
名前
年齢
スキル
戦闘行為の可否
性行為の可否
値段
が順番に書かれている。
《しらべる》で確認したが、全て正直に書かれていた。
リート(男)
21
伐採 絵画
戦闘 可
性行為 可(女性)
銀貨 80枚
ディエミ(女)
17
草刈 麻痺耐性
戦闘 可
性行為 可(男女)
金貨1枚 銀貨10枚
ナイズ(女)
木工 悪臭耐性
28
戦闘 可
性行為 可(男女)
金貨1枚 銀貨20枚
クーデ(男 黒犬族)
12
疾走 暗視
戦闘 可
性行為 否
金貨1枚 銀貨40枚
「まずはこちらの4名がユウ様の御資金でご用意できる奴隷達でございます」
うん。まずはスキルが全て生産スキルなんだな。値段の差はもう一つのスキルと性行為か?獣人はの奴隷は黒髪にドーベルマンのような先の少し細くなったろうそく型の黒耳が付いている。少し目つきの鋭いが顔も整っている。良いスキルだし、種族的な強さも考慮されてるんだろうか?それにしても12歳?どう見ても成人している立派な獣人だ。
「ユウ様にわかりやすく説明させていただきますね。これらの奴隷達は戦闘スキルは持っておりませんが、伐採スキルは斧での戦闘に補正が、草刈りは鎌状の武器やショートソードに、木工も同じくショートソードの他手斧に補正が入ります。
一番右の獣人は戦闘スキルはないものの獣人特有のスピードと体躯を生かした格闘が得意です。性行為に関しましては(女)ならば女性とのみ性行為可能。(男女)ならば男でも女でも可能と言う意味ですね」
生産系スキルの武器補正はなんとなくわかっていた。村にいたコダンが斧を振り回してたしね。
ちなみに料理スキルはショートソードと思って使ってみたが、どうも補正が入った感じはしなかった。まぁ、すでにしっかり補正が入るものは分かってるし、良いんだけどね。
「なるほど。よく分かりました。ただこれらのスキルを持っていてこの値段であれば、生産系の方が買い求めそうな気がするんですが、先程の龍人の方と比べても差が大きすぎる様な気がするんですが?特に獣人でもある彼なんて特に」
龍人族の戦闘奴隷で白金貨20枚。つまり金貨2000枚それに対し、疾走と暗視なんて良さそうなスキルなのに金貨1枚と40銀貨って安くないか?
「ハハハ。いやいやそうでしたねユウ様は奴隷の事をご存知無かったんでしたね。申し訳ない。まずここは迷宮都市です。だからこそ人材は余るほどいるんです。そんな中で奴隷を安く買って強制的に従事させる事はもちろん可能ですが、奴隷の場合なぜか熟練度が上がらず、教えても教えても良いものが作れないですよ。だからこそ需要は迷宮での戦闘奴隷かポーター。もしくは家事や家の管理。そして性奴隷です。だからこそ戦闘経験もない成人したての獣人は非常に安いんです」
ん〜。それってやる気が無いから覚える気がないだけなんじゃ無いだろうか……。
どう見てもこの世界の奴隷はブラック企業の更に窓際社員って感じの扱いだし……。
「まぁ戦闘経験も無いですが、死にたく無いので必死に戦いますし、ある程度奴隷紋で縛れますからね。迷宮へ戦闘奴隷を連れて行くパーティは多いですよ。回転も早いですがね」
「えっ?それって使い捨てって事ですか?」
驚いたがステージの4人に聞こえないくらいの小声で確認する。
「はい。残念ながらその通りです。大体が無茶な戦闘や罠避けに使われて命を落としますね。あぁ先に主人が死ねば主人なしになり自由になりますが、そのまま街に出れば捕まって奴隷商に戻されます。ちなみに主人なしを保護した場合は保護者が引き取るか売るかを決定できます。勿論相手を殺して奪った場合はすぐに簡易版の『神在板』で分かりますけどね」
「あー確かにそうですね。そう言えば成人したての獣人は安いとの事でしたが、彼はまだ12歳ですよね?まだ成人してないのではないでしょうか」
先程疑問に思った事を聞いてみる。クーデと書かれた彼は、どう見ても20歳を超えた風貌であり見た目だけは成人している。しかし実際の年齢は12歳と、かなり若い。その年齢で迷宮への入場は可能なのだろうか。
「ユウ様の村には獣人もいなかったと言う事でしょうかね。なるほど中々の閉鎖的な感じだったのでしょう。ではご説明させて頂きますと、しっかりとした食事をそれなりの量をとっていれば獣人族は6〜9年で成人と同じ状態になります。そして彼らは見た目の変化が遅く60歳あたりで急に老け込んで人の老人の姿に一気になっていきます。なので獣人は10歳でみなし成人とされ冒険者がパーティにいれば迷宮入りが可能になるのです。自分だけで潜るには15歳以上と言うのは変わらないですけどね。」
「成る程。有難うございます。納得しました。色々教えて頂き有難うございます。ただ申し訳ない無いですが今回は奴隷の購入を見送りたいと思います。もう少し今の自分にどういうパーティメンバーが必要か考えてきたいと思います」
「なるほど。確かにそうですね。いえいえ今回は残念ですがユウ様はこのレベルの奴隷では無い気がしてなりません。是非またいらしてください」
にこりと微笑むクワトロさんに見送られ、奴隷商会を後にし、午後からの戦闘訓練を受けるためにギルドへと戻る。
途中、屋台でゴロポイト揚げと言うゴロポイトを茹でて潰したものに、細かく切って味付けした肉を入れ一口大にして揚げた物を買いギルドへ向かう。この街に来てのお気に入りの食べ物の一つで、ちゃんと調理されている感が少しある所が気に入っている。味はまぁソースをかけないコロッケ?ちょっと油っこいけど、屋台でも人気の一品だ。
〜ゴロ揚げ オリジナルVer〜
材料
ゴロポイト 1個
ラビエ牛の切れ端 少々
塩 少々
パン粉 適量
①柔らかくなるまで茹でる。
②ラビエ牛の切れ端を更に細かく切り、炒め塩で味付けする。
③茹でたゴロポイトを塊がなくなるまで潰し、炒めた牛肉を入れ混ぜ合わせる。
④③を一口大に丸め直接パン粉をまぶし、温めた油に入れ揚げる。
これで完成。
あれ?小麦粉は?卵は?と思ったがここは迷宮都市クオリティ。もう一手間はかけない。パン粉を揚げるという使い道があるだけ驚きだよ。でもトンカツもメンチカツもない…。なんで?
とにかく直接パン粉つけて揚げるものだから、多くは食べられない油っこさではある。
ーーー本当にクドイ。
「小麦粉をまぶして卵をつけてからパン粉をつけたらもっと美味しくなるよ」
なんて言ったらめちゃくちゃ怒られた。そもそも美味しい料理を提供しようと思って作ってるわけではない、商品として売ってるだけ……。料理スキルもないし料理を作ってる。というより物を作って売ってる感じだな。せっかく教えてあげたのに。
やっぱりこの都市で料理を広めるのは中々骨が折れそうだね。
誤字脱字や表現の違いなどがありましたらどしどしご指摘ください。
なるべく良い小説になるよう日々訂正加筆していきたいと思います。
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