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11.お使いクエスト

誤字脱字あれば感想欄に書いていただければ、すぐ修正します。

ラビエーニに着いて1週間。


少しは街に馴染んできたと思う。


まぁ東区限定だけどね。と言うのもまだ迷宮には潜らずに街での依頼。


つまり、お使いクエストをこなしていたからだ。


冒険者ギルドの掲示板を確認すると、迷宮での採取討伐依頼がやはり多い。


しかしそんな中、それなりに多い、と言うより溜まっていたのが、街でのお使いクエストと呼ばれる配達や依頼者の手伝い、庭の管理などの雑用だった。


「あの〜。Gランクの掲示板の脇に凄い依頼書が束になってる一画があるんですけど……」


依頼書の束について聞こうと、受付の女性に声を掛けた。ギルドの制服を綺麗に着こなし、美人というより可愛い感じのお姉さんで、ショートカットが似合う貧……スレンダーな体型。


「なにっ⁈やるの?やってくれるの⁈」


活発そうなイメージだなっとは思ってはいたが、聞こうとしたらすっごい食いつかれた……。


めっちゃ身を乗り出してるんですけど……。


「いや。何かなって思って聞きたかったんですけど。そんなに受ける人いないんですか?」


「なんだぁ〜 やっぱり違うのかぁ〜」


なんかすっごいがっかりされた!

一々リアクションが激しい人だ……。


「そうなのよぉいないのよ。あなた昨日登録した新人さんでしょ?あの依頼書に、興味持つなんて珍しいわね。


大体の新人なんて『よっしゃー俺は冒険者だー!迷宮いくぞー!最強になるぞー!お使いクエスト?そんな安い依頼やってられっか!』って感じよ。


昨日まで一般人だった子が、成人迎えたらって強くなるはずなんてないのにね……。


あぁごめんね。あの依頼は、街の中の依頼なのよ。冒険者ギルドって言っても、迷宮攻略だけが仕事じゃないのよ。


街の皆さんのお陰で、冒険者もギルドも成り立ってるからね。


だから本当は凄い重要なのよ。でもほとんど誰も受けないから、罰則を受ける低ランク冒険者のボランティアって感じになっちゃってるのよ」


「そうなんですね。ところで、1日いくつまで依頼は受注出来ますか?」


「依頼の受注は3つまでよ。期限は受けてから3日くらいがGランクには多いかしらね」


「では、新人で街に来たばかりでも出来る街中の依頼を3つ紹介頂けませんか?」


正直迷宮には凄い興味はあるが、僕は神様から戦う力は貰っていない。


だから最初からしっかりと、準備が整ってから迷宮に入るつもりだった。


だからこそ、もともと街中クエストを受けつつ、ギルドの戦闘講習を受けるのが、一番だなと考えていた。


誰も受けないなら、丁度いいかな。


「ほっほっほんと?今更やっぱり無し!はダメですよ!ちょっと待て下さいね。あっ私は受付担当の《シルネ》です!えっと……」


「ユウです。宜しくお願いします。シルネさん」


「ユウさんですね。宜しくお願いします。えっとですね。お薦めなのはこれと これと これです」


シルネさんは、大きく胸を張って満面の笑みを浮かべ、分厚い束からすぐに3つの依頼書を抜き出した。


うん。胸は平らだったよ。でも可愛らしい笑顔でした。


「えっとなんでこの3つなんですか?」


一瞬目付きが鋭くなったような気もしないでもないが、まぁ気にしない。


「そうね。あなたみたいに積極的に街中依頼を受けようとする冒険者には是非受けて欲しい依頼を選んだわ。ちょっと失礼な事を考えてそうだからやめようとも思ったけどね。通常罰則ボランティアならなんのメリットもない依頼を回すわ。この3つの依頼はね……」


紹介してくれた依頼は3つ説明を聴くと、本当にこちらのメリットを最大限に考えてくれたのだと理解できた。


1・依頼者 グランファ鍛冶店:素材倉庫から素材の搬入作業

この東地区でもトップクラスの鍛治師である、グランファさんとの顔合わせが目的。

普段は、紹介や気に入った冒険者のみから、オーダーを受付ける頑固な職人。

顔合わせだけでも、非常にメリットがある。


2・依頼者 ニール精肉店:ラビエ豚 ラビエ牛の解体作業手伝い

冒険者にとって重要な、解体の基礎を学べる。


3・依頼者 ジャミー調薬店:調薬の下準備作業手伝い

薬草の基礎知識と共に、報酬のポーションは新人には比較的高く、得られるものが大きい。


「ありがとうございます!ホントに為になる依頼ばかりです」


「うんうん。そう言って貰えると嬉しいよ。いつもは街中クエストを勧めても鼻で笑われるばかりだからね。じゃあよろしくね。3日で終わらせてくれればいいから、終わったらサインを貰ってきてね」


そう言って送り出して貰った後は、グランファ鍛治店から依頼を受けた。


素材倉庫は迷宮近くにあり、迷宮で採れる鉱石を買い取り保管していた。


しかし、実際大きな音が鳴り響く為、鍛治をやるのは街の外れであり、定期的に素材を倉庫から店に、運び込む必要があり依頼を出していた。


グランファさんは、ドワーフの鍛治師で身長は150cm程だが長い髭を生やしている。


全身筋肉で覆われており、想像通りのドワーフ姿だったが、他のドワーフとは身に纏う威圧感が違い、一瞬気圧されてしまった。


「こんにちは。冒険者ギルドから依頼を受けましたユウです。素材搬入に来ました。よろしくお願いします」


「はぁ〜。全くここに来たって事は、シルネの嬢ちゃんの紹介だろ。珍しいなお前さん迷宮の依頼を選ばなかったのか?」


挨拶したが、腕を組んだまま残念な顔をされてしまった。


どうやら期待とは、違ったみたいだ。


「はい。街中クエストでまずは色々準備を整えようと思いまして……。どうしてシルネさんからの紹介だと?」


「あぁ。この依頼はなまずは罰則クエストじゃ受けられん。儂が許さんからな、そんな輩。だからシルネに任せておるのだここに来る人選をな」


「えっ?それじゃあただでさえ少ない受注が、さらに厳しくなるんじゃ」


「あぁそうだな。まぁそんな時は、儂の弟子が総出で搬入作業をするさ。という事で1人では厳しいぞ坊主」


あれ?なんでシルネさんは紹介したんだ?



今話もお読み頂きありがとうございます。

やっと冒険者としての仕事を始められました。


ブックマーク&評価頂きありがとうございます。

5ポイントをつけて頂けるよう頑張ります。

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