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サイレン  作者: 森本泉
9/9

再びサイレン 地上の火

『再びサイレン 地上の火』


「俺の夢はね、小学校のグラウンドくらいのでっかい紙にでっかい筆でもう思うさま絵を描いて、それで完成したらガソリン撒いてそのまま燃やしちまうんだ。」

「サイレン、ホームランバー買ってきたけど、食べる?」

 夏休みになってから、サイレンは大体私のマンションに入り浸るようになった。サイレンのアパートにはクーラーがない。

「俺を殺すきか!って窓開けて叫びそうになった。」

 そして今年はまた特別に暑い。学校もなくなってしまったからサイレンは涼しいところで落ち着いて絵を描くために、仕方なく私のうちにやってくるようになったのだ。

「おお。糸尾。ありがとう。」

「サイレンって暑いの苦手?」

「最近苦手になった。」

「前は平気だったんだ。」

 サイレンはチョコアイスの包み紙を剥いてすぐさま齧り付いた。

「糸尾。考えても見てくれ。この炎天下の道路工事がどれだけ過酷か。もう照り返しがきついとかじゃなくておれ自身がアスファルトになっちまったみたいなんだもん。」

 休み中はサイレンに取って稼ぎ時だし、会社としても学生の休み中は使えるだけ使っちまえ(鬼だ)みたいな感じでとにかく毎日くたくたになるまで肉体労働している。

「サイレンさ、さっきの夢の話だけど。」

「うん。」

 26度に温度設定した部屋で扇風機とマンツーマンになりながらアイス食べてるサイレンが振り向いた。

「やろうよ、それ、面白そう。夏休みなんだし。」

「へ。」

「校庭くらいの紙に絵を描いて、そのまま燃やしちゃう。」

「え、今?」

「うん。夢って別に20代で叶ってもいいじゃない。それとも人生のこの瞬間にやりたいっていう目標があったの?」

「いや、特に無いけど。」

「じゃあいいじゃん。今年やろうよ。」

「糸尾って時々思い切ったこと言うよな。」

 そう言ったサイレンは、さっきまで焦熱に痛めつけられた勤労学生だった顔を一新していた。

「確かに俺の夢だったんだけど、そう簡単に実現するかな。正直自分では一生無理だろうと思ってたんだ。」

「山奥の廃校になった小学校とかだったら大丈夫じゃない?」

「あるかな、そういうの。」

「今田舎に行ったらいっぱいあると思うよ。町村合併で小学校とかばたばた潰れたし。」

「そうか。そう言われたらそんな気がしてきたな。移動手段どうすんだ。」

「サイレン免許持ってる?」

「持ってる。1年の時に無理して取った。」

「誰かから車借りれそう?」

「うーん、ここからそんなに遠くない所なら、1日で行って来られるような場所だったら、1泊2日で誰かしら、車借りられないこともないと思うな。」

「模造紙ってどのくらい要るかな。」

「わかんねえな、校庭の大きさにもよるけど、多分20ロールもあれば。」

「書道パフォーマンスで使うような、あんな筆のこと言ってるんでしょ。」

「そうそう、まさにそれ。」

「買うと高そうだね。」

「なんとかして作ってみるよ。おお、俄然楽しくなってきたぞ、糸尾」

 サイレンが子供みたいな顔して言った。文字通り、夏休みの子供だ。

「一緒に来てくれる?」

「一緒に行っていいの?」

「糸尾が言い出したんだろ。着いてくるつもりじゃなかったのか。」

「行きたい。」

「よし、行こう。まずは廃校の学校探して…。」

 それから数日掛けて、私とサイレンはありとあらゆる検索ワードを使って近隣四県の廃校になった学校を探した。市役所や教育委員会のネットとか、図書館に行って新聞や市報のバックナンバーをしらみつぶしに探した。なかなか大変な仕事だった。校庭いっぱいにガソリン撒いて燃やしてしまうんだから、かなり山奥じゃないと騒ぎになってしまう。もうほとんど人が寄り付かなくなっているような僻地が望ましかった。近くに民家があってもいけなかった。といっても車が通れる道が無くて途中から歩きと言うのも困る。

 私はサイレンがマンションにやってくるときを図って自分が見つけた情報をサイレンに知らせて、ああでもない、こうでもないといつまでも検討しあった。

 それに平行して他のいろいろな小道具の準備も進めた。

 サイレンの行き着けの文具店であるだけの模造紙を買い占めた。サイレンはその店の大得意だったみたいで、レジのおじいさんが消費税分おまけしてくれた。

 荷物になるからペンキはそんなに沢山持っていけない。必要最低限、赤青黒黄緑白ピンクの缶を買い込んだ。それだけ買うと一回でうちまで持って帰れなくて、ホームセンターの主任さんがサービスで台車を貸してくれた。

 絵筆については悩んだが、二人でいろいろアイディアを出し合った末竹箒の柄の部分に古タオルを裂いた奴をたくさん巻きつけて作った。同じものを念のため3本作った。

 模造紙はそのままだと風でひらひらしてしまう恐れがあったから、時々学校に出かけてエントランスなんかを使って可能な限りガムテで張り合わせた。コンパクトにたたんでおける限界まで、5ピースくらい作った。

 そうこうしているうちに、「たぶんここが状況的にベスト」と思われる物件が見つかって、8月最終週を目処に二人で旅程について相談した。

 私のバイトはいつでも休みが取れた。サイレンが社長さんと相談して2日の休みをもらう。我々のゼミの男の子から車を借りて、前日の夜から出発することにした。夜のうちを出発してその夜を車の中で明かし、翌日の夜が明ける間にサイレンが絵に取り掛かって、で出来るだけスピーディーにことをこなしちゃって、それで完成したらすぐ灯油を撒いて火を点ける!

 こんなことが上手く行く保障なんてどこにも無かった。

「なあ、糸尾、これって犯罪かな。」

 サイレンは特に心配そうでもない感じで、時々そう言った。

「犯罪だったら何罪かな。」

「うーん、住居不法侵入?」

「住居じゃないよ、外だよ。」

「うーん、器物損壊?」

「自分で持っていったものに火を点けるだけだよ。」

「でも万一校舎に燃え移ったら大変だしな。」

「そうか、念のため消火器もいくつか持ってかないと。」

「あと山奥だから、その辺の森に燃え移らないようにしないとなあ。」

 風が強くてもだめ、雨が降っててもだめ

 本当に、念を入れて準備を進めれば進めるほど、

 私たちはいったい何をしているんだろう

 というハテナマークが我々の間に大きく大きく膨らんでいった。

 でもこの日々はもう文句なしに楽しかった!

私は毎日いろんな仕事をしながら絶えずにやにやにやにやしていたに違いない。サイレンがそうだったから多分私も同じだろう。ここはこうしよう、それはどうしよう、二人で毎日相談しながら夏の日はしずしずと過ぎていった。

最終的に二人の頭には、

「どうか誰にも見つかりませんように!」

という文章が道路標識みたいにびったりとこびりついてしまったけど、結局どちからも

「やっぱりやめようよ。」

の声は聞かれず、遂に決行の夜を迎えた。


サイレンが2日しか仕事を休むことが出来なかったので、一回でも下見に行ってロケハンをすることは出来なかった。サイレンは、一世一代の大作にぶっつけ本番で望むことになったのである。

言い出しっぺの私としては、どうか道々に防犯カメラつきガソリンスタンドがあったりしませんように、とこの期に及んで祈っていた。万が一警察沙汰になったときには、どんな社会的制裁が加えられるんだろうと思ったんだけど、よくよく考えると自分たちのしようとしている事にそこまでの凶悪性は見られないはずだし、まあここは腹を括ろうと決めた。

サイレンが仕事を終えた夜8時、私たちはクラスメイトが貸してくれたワゴンタイプの軽にごちゃごちゃした荷物をいっぱい詰め込んで、隣県の山奥にある目的地を目指した。

もちろん初めて行くところで、カーナビにも載っては居ないし夜だし田舎だし、道に迷う可能性もおおいにあったのだが、

「山登りするわけじゃないんだから、車で走れるところを走り続けたらとにかくどこかには着くだろう。」

 とサイレンが言った。

 朝までに目的地に行けるのか、警察に職務質問されたりしないか、火事に発展しないか、もしかしたら廃校になっても警備の人が残ってたりするかもしれない。

 不安材料はいくらでもあったんだけど、車中の私とサイレンはそれこそ浮き足立っていた。二人とも遠足気分だった。奇妙にハイテンションだった。この時の二人を支配していた空気の正体は、後々も解析不能。 

「糸尾、俺今すごく楽しみだ。」

「私は結構びくびくしてる。」

「大丈夫だよ。万が一しょっぴかれてもまさか裁判沙汰まではならないよ。罰金くらいで済むよ。」

「そうかな。」

「もしそうなったら糸尾のペナルティは俺が負担してやるから。」

「え、いいよ、そんなことしなくても。」

「いいからさせろよ。俺がやりたかったことなんだ。糸尾は着いてきてるだけなんだから全責任は俺にあるんだよ。大丈夫だ。何十万くらいの罰金なんて、何ヶ月か学校休んで目いっぱい働いたら何となる。」

 そのサイレンを今回たき付けたのは私なんだけどな、と思ったけど、サイレンは気にしていないようだった。

私だって充分犯罪の片棒じゃ担いでる。もしこれが犯罪になるんだったら。なんにせよサイレンは口笛でブルーハーツを吹くくらい上機嫌で、でも正確なハンドルで車は目的地を探す。

やっと見つけた目的地は小さな分校だった。推測だけど、冬の間だけとか雪が多くて子どもが街の学校にいくのが大変な時に臨時に使われていたんじゃないだろうか。生徒数は、数十人も入らないだろう。

「模造紙全部敷いたらきっつきつになるな。」

「でも良かった。誰もいなそうだしここなら多分誰かがふらっと見に来たりもしないよ。」

「それについては俺がさっきナイスな言い訳を思いついたんだ。」

「どんな。」

「『アートの専門学生で夏休みの課題をやっているんです』。」

「それで通用するかな。」

「あながち遠くも無いだろ。アートで納得してもらえなかったら美術の専門学校って言えばいいんだ。」

 深夜の2時を少し過ぎていた。私たちは車のハイビームを点けて校庭に模造紙を敷き詰めた。出来るだけ大きな石を探して風で飛ばないように紙を押さえた。

 ペンキはバケツに入れることが理想だったのだが車の中にバケツを5こも6こも入れる余裕がもうなかったので、ちょっとやりにくいだろうけどペンキの缶にそのまま筆を突っ込んでもらうことにした。

「糸尾、俺は今日このペンキが全部なくなるまで描き続けてやるぞ。」

 サイレンが闘志を燃やす。

 夜が明け始めるのを車の中で待った。バッテリーが上がることを警戒していたので明かりは点けなかった。だから自分の手が何処にあるのかも分からないくらい本当の真っ暗闇だった。

 隣にサイレンが座っているかどうかも分からない。アイマスクをしているみたいに何も見えなかった。こんな真っ暗闇の中に居るのは生まれて初めてだったけど、私はちっとも怖くなかった。サイレンは黒い空気に間切れて消えてしまったみたいに黙って何も言わなかったけど、私はちっとも怖くなかった。

「大分ものが見えるようになったな。」

 2、3時間は経っていたはずだけど、正確な時間は分からない。まだ5時にはなってないと思う。

「糸尾、俺行くわ。」

 サイレンが車から降りた。後部座席のドアを開けて3本作った特大の筆を取り出す。

「やっちまえ!」

 私は言った。サイレンの力強いグー。

 サイレンは筆の一本を握り締めて模造紙のまん中に立った。そしてしばらくの間目を瞑ってじっと立ち尽くしていた。息を殺しているみたいに見えた。イメージを高めているんだろうか、と私は思った。

 5分ほどそうして集中してから、急にサイレンは天を仰いで大きく息を吸い込むと、

「うおおおおおらあっ」

 と叫ぶか筆を振り上げて青いペンキ缶にザッシュと突っ込んだ。

 私は一部始終を座ってみていた。

 サイレンは竜巻に呑まれたこま鼠みたいに紙の上をがむしゃらに走り続けた。

 うあああああああ

 おらああああああ

 興奮しているのか体力を使うから気合を入れているのか、ずっとそんな風に叫んでいた。

 小さな分校でもそれでも校庭なので、そのくらい大きいと絵の全容は私が見ても判らなかった。もしかしたらサイレンも判って描いているのではないのかも知れない。

 描きたい様に描いているのだ。

 いつだってそうして来たように今だってそうしているのだ。

 うわああ、おりゃああと叫んでいたサイレンの様子がいつのまにかおかしくなり始めた。

笑ってる。多分笑っている。あははは、とかあっきゃっきゃとか顕かにサイレンは段々テンションがおかしくなっていく。ドロワーズハイになっている。

「あはははははははははは!!!。」

 サイレンは笑いながら走り回りながら、紙の上に筆を叩きつけていた。壊れた。やった。私は遂に絵でサイレンをぶっこわすことに成功したのだ!

「サイレン、やっちまえ!」

 と私は言った。

 あんなに走り回ってあんなに大爆笑して、よく息が切れないなと思った。

 サイレンはもう笑いすぎて笑い声が駄目になっている。

「**********!!!!」

 これと同じのどっかで見たな。

 ずっと見ていたらつられて私も笑ってしまった。

「あーははははははは、」

 笑ってたんだけど、ん、違うぞ、私はここはきっと笑う所じゃない。どうしよう。どうしたらいいんだろう。

 そうだ、私は、

 私はきっと泣きたいのだ。理性のダムをハンマーで壊せ。泣いちまえ。後の人生で使う涙をここで全放出しろ。

 私は泣いた。

「うわあああああああ。」

 涙がどびゅっと出た。涙が飛び散って出たなんて初めてだ。

「わあああああああん。」

 私は泣いた。何で泣きたいんだが分からなかったけどとにかく泣いた。

「うおおおおおおおんん。」

 もしかしたらこの世に生まれ出たその時よりも今のほうが泣いてるかもしれない。私は泣いた。いくらでも泣いていたかった。

私の人生の今みたいな瞬間が訪れることがあったなんで。嬉しいと言うのか、いっぱいいっぱいと言うのか、とにかくあふれ出した感情が涙以外で収拾付けられなくて、私は泣いた。わんわん言って泣いた。私がびいびい言って泣いている間、創作に集中しすぎたサイレンはそんな私の様子に一切気付いていなかった。この瞬間はもう二度とない。二度あったら困る。こんなにも、あらゆる制約から解き放たれて、自分のやりたいことを好き放題にやっている瞬間は二度とないはずだ。

サイレンを見ていたい。

この欲求が果てしなく実現していた。私はサイレンが描いている姿をいつまでだって見ていたい。そして今まさにこの願いが寸分の不足なく叶えられている。

きっとこの先の人生はもういいことなんで何も無いんじゃないか。そのくらい私は満たされていた。すべてにおいて満足だった。私の人生にこんな瞬間が訪れるなんて。そしてこの今が過ぎてしまったらこの今は二度と無い。だから私は泣いた。力の限り泣いた。もう二度とない今のためにいつまでも泣いていたかったから。

 早朝の森の中に、サイレンの嬌声と私の鳴き声が、妙に溶け合って消えていった。

 永久運動みたいに走り回っていたサイレンが、気がついたら絵のまん中で直立不動していた。袖を通して着たオレンジ色のツナギはもう分けが分からないくらい汚れている。

 出来たのかな。と思ったらサイレンは急にのけぞって拳を堅く堅く握りしめて、

 吼えた。

 サイレンみたいに吼えたのだ。

群青の空にレールガンみたいなサイレンの咆哮が逃げてった。

上空に停滞している退屈な何がしかを一撃必殺で仕留めてしまうような破壊力。空気がびりびりと驚愕した。サイレンを中心にして地面を衝撃が走り抜ける。まつろわぬ物は叩きのめせ!竜の昇天みたいに神々しい咆哮だった。

「糸尾、ペンキの缶片付けてくれ。」

 サイレンがさすがに肩で息をしながら叫んだ。

「灯油撒くぞ。」

「完成したの?」

「ひみつ。」

 私は軍手をはめてどれもほとんど空になっているペンキ缶を回収した。あんまり暴力的に絵が描かれたために、どの空き缶もどろどろになっていた。その後からサイレンがゆっくりと灯油を撒いていった。

 結局どんな絵が描かれていたのかは分からなかった。私はただ、断片的に見ることが出来た色の欠片が、絵というより顕かに何か喋っている、極彩色という言語を喋る獣みたいだと思っただけだ。

 サイレンはあっけなくマッチを投げ入れて、明けきらない薄明かりの中に透明な火がもやもやと広がっていった。

「もっと名残を惜しまなくて良かったの?」

「俺は描きたかったわけじゃないんだ。燃やしちまいたかったんだ。だからこれで俺の夢はコンプリートだ。あーあ。しあわせだ。糸尾。俺は今幸せだ。」

 サイレンはコンクリートテラスみたいになっているところにごろんと転がってしまった。

「糸尾、おれはやっぱり糸尾のことが好きだ。」

 とサイレンが言った。 

私は、やっぱり何て答えたらいいか分からなくてなんにも言わなかった。

「でもやっぱり駄目だ俺は。俺は絵を描くのがこんなに好きなんだ。人生で一番なんだ。糸尾。こんな俺でもオムコさんにしてくれますか。」

「やだ。最低限私が一番な人じゃないと嫌だ。」

 私は答えた。

「そうか。そりゃ残念だ。」

 サイレンは、あっさりとそう言った。あんまりあっさり諦めてしまうから、私はなんだか悔しくなって言う。

「サイレンがこれから絵をたくさん描いて、いろんな国に行って、もう目いっぱい描いてもう充分だ、明日からもう一切絵筆を握らなくてもいい、と思ったら、そうしたら私のところにおいでよ。」

「俺のこと待ってるのか。」

「うん。」

「それっていつまで。糸尾。俺あと80年くらい描いてたいけどそれでも待ってるのか。」

「そしたら私は100歳か。うん、いいよ。103歳になったサイレンが『今だ』って教えてくれたら、何もかも投げ打って残りの生涯をサイレンのおしめ替えて暮らす。」

「一生トイレでおしっこが出来るようにがんばります。」

 とサイレンが言った。

「いい目標だね。」

 と私は言った。

「糸尾、どうしたんだ。君顔がどろどろだぞ。」

 やっと気付いたサイレンは起き上がって近寄って来て、自分の頭に巻いていたタオルを取ると私の顔をごしごしとこすったのだ。


ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。感謝します。

今から5年ほど前に書いた小説です。まだまだつたなさが残る文章ですが、自分では楽しんで作れた思い出のあるお話です。

このサイレンと糸尾なのですが、物語終了の後ちゃんと結婚して一児をもうけています。

その、続編、ではないんですが

息子である彼の物語も今後投稿していくかもしれません。そのときは今作とはまた違った文体になっているはずです。(なにせ時間が経っていますから)そのギャップも楽しんでいただけましたら、しあわせです。


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