表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

十手とは、そもそも、、武器?たりうるのだろうか?  十手で日本刀と戦えるのか?十手の真実とは、

作者: 舜風人

十手、とは、、江戸期の武具・武器・捕り物道具の一種である。


とはいえ、長さはせいぜい40センチほどのただの鉄棒ですよ。


そもそもこんなもので、これで日本刀の刃渡り70センチ全長1メートルに対抗できたんですかね?


いくら十手術の達人であっても、


彼と吾の差はあまりに大きいですよね。


まあ、時代劇などでは、扇子一本で(鉄製の扇子です)


襲い掛かる相手の大太刀をするりと躱して


蝶のように舞い、鉄扇で相手を打ち据えたりしていますが


まあ、、、これは、あくまでも、フィクションですよ。


事実は、、、実際は、十手とは岡っ引きの身分証明書なのです。


いわば警察手帳であり、


時代劇などでも、番太の親分が懐から房の付いた十手を相手に見せびらかして?

「俺はその筋のモノだがさあ白状してもらおうか?」

などと、


尋問したりしている場面がありますね。


あれが本来の、十手の使い方であって、身分証明書、、警察手帳、、ですね。

十手とはそれで日本刀相手に本気で戦うための武器なんかではないのです。

はっきり言いましょう。十手とは、、武器ではないのです。


実際、十手とは岡っ引きの身分証明書なのです。

江戸では御用聞き(ごようきき)、関八州では目明かし(めあかし)たちの、ための、

いわば警察手帳であり、身分証明書です。


時代劇などでも、岡っ引きが懐から房の付いた十手を相手に見せびらかして?

「俺はその筋のモノだがさあ白状してもらおうか?」

などと、


尋問したりしている場面がありますね。


あれが十手の使い方であって、身分証明書、、警察手帳、、ですね。

岡っ引きの下働きの「番太」などは十手が支給されませんから自分で鍛冶屋に頼んで適当につくってもらって所持したそうですよ。(一般町人が十手を持つことは許されていません)



そもそも十手で日本刀相手に本気で?実戦使用などとは誰も考えてはいないのですよ。


全長1メートルの大太刀を屈強の武士が思い切り振り回されたら、40センチの鉄棒(十手)など全く無意味です。

以前、私は、十手術の達人とかいう人の演武を見たことがあります。

弟子が木刀でふりかかかると師匠はそれを練習用の木の十手で受けて、素早くひねり、

木刀をさっと奪い去る、、、っていうものでしたが、


はて?

ここにはおかしなところがありますよね。


それは弟子が全力で、全身の力で木刀を振り下ろしているのか、、ということですよ、。

見ると軽く振り下ろしてるだけです。これでは実戦とは違うでしょ。

ほんとの真剣の戦いになったら相手は全力で思い切り振りかぶってくるはずですよね。

そのときそのパワーを果たしてあんな40センチの鉄棒(十手)で受け止められるのか、、ということですよ。

仮に受けたとしても、十手は簡単に跳ね飛ばされてしまうのがオチです、

それくらい太刀を思い切り振り下ろす力は強力ですよ。

しかも十手は片手持ちです。片手で受け止めるんですよ。


十手を片手で持っていて相手は1メートルの太刀を両手で思い切り振り下ろすんですよ、

いかに十手術の達人でも彼我の差は歴然ですよね。

そもそもが

無理なんですよ、というか不可能なんです。

十手で日本刀と戦おうなんてことはね

つまり

十手術なんてはっきり言って嘘っぱちのマヤカシでしかないのです。

十手で日本刀をやすやすと、ねじ伏せるなんて夢であり、、もっと言えば「妄想」でしかないのです。


では、

実際の捕り物ではどうしたか?


そもそも十手で日本刀相手に実戦使用などとは誰も考えてはいないのですよ。

出来っこないからですよ。そんなことは。


1メートルの大太刀を振り回されたら、40センチの鉄棒(十手)など全く無意味です。


では、実際の捕り物ではどうしたか?


まず犯人を見つけたら


呼子(笛)で取り手を犯人のもとに呼び集めて、


袖がらみや六尺棒、さす又などの「長もの道具」(2メートルです)で


寄ってたかって犯人をねじ伏せるのです。


これではいくら剣の達人でも抵抗できませんよ、


何せ日本刀よりも、二倍長い道具でねじ伏せるのですから、


日本刀をいくら、振り回しても意味がありません。


もっと手荒な方法では


大八車を犯人に突っかけて押し倒すという捕縛術もあります。


これでは日本刀も何の役にも立ちません。


ですから何度も言うように、、十手は単なる見せるだけのシンボルであり、


あれで実戦するわけではないのです。というか出来っこないのです。


あんな40センチたらずの鉄棒で


一メートル以上の日本刀をぶんぶん振り回す相手をすること自体が


完全に、ムリ、、不可能なんですよ、


十手術などは妄想でしかないという事実でしょうね。

あれはあくまでも演舞でしかないのです。

つまり見世物です、

十手で日本刀と実戦などはもう不可能も不可能でしかないということです。


ただし、、護身術というか


接近戦というか、

そうなれば十手も相当の殺傷力を発揮はできます。


接近戦で十手で思い切り相手の頭を叩けば頭蓋骨が割れますし。


眼やのど、みぞおちに突きを入れれば相手は即死でしょう。


または十手でのどをしめれば相手は死にます。、


ですから十手をおもちゃ扱いはできませんね。


ある意味限定的な場面においては怖い武器でもありうるのですから。

十手とは一種の「暗器」だということでしょう。


こうした護身用の持ち物としては


てならし、とか、鉄扇とか、喧嘩煙管とか、がありますね。


あるいは忍者が隠し持った、暗器(忍器)という隠し小武器もありました。


別名「手の内」とも言いますが


手のひらに収まる、かぎ型の刃物とか、「くない」とか「鯉口」などと言われる小武器ですね。


接近戦になったらこれで相手の喉笛を掻っ切るのです。

これは油断している相手には効果的ですね。

もちろんこれらの暗器では正面切っての太刀相手という戦いは不可能です。

あくまでも接近戦とか相手の油断に乗じて、、という場面だけです。


ところで、、


十手にも結構長いものもありますね。


「打ち払い十手」とか


「馬上十手」と言われるものです。


長さは優に1メートル以上はありますね。


1メートルの鉄棒ですから長さでは


これは日本刀にも十分対抗できます。


まあ言ってみれば鉄製の木刀?みたいなものでしょうから長さ的には応戦可能です。


ですがこういう十手は普段持ち歩きませんよ、


特別な時、、刀に対抗して捕縛する時だとか、、、そういう時に持ち出してきておくだけのものですからね。




さてそもそも十手の起源とは?


十手は、捕り物帳、銭型平次。鬼平犯科帳 などで有名な小武器ですが。


十手は起源は中国の「三叉棒」と言われていますが、


日本では江戸時代に、岡っ引きの武器(というより身分証明)として有名になりました。


十手は実用的な武器というにはあまりに長さが40センチであまりにも貧弱です。


これ一つで、どう考えたって、大刀振り回す強力の侍に勝てるわけがありません。


では十手とは何なのか?


今でいえば警察手帳です。


番太、岡っ引き、であるという証明書みたいなものですね。


十手も与力・同心クラスになると、


真鍮製で彫りのあるものとか、銀流し(銀メッキ)のものもあります。

もちろん与力・同心はサムライですから太刀も腰に差しています。

そして十手も、、懐に持ってるということです。

つまり、、今でいえば警察官の身分証明?としてのものだということです。


ところで、、十手のほとんどは鉄製です。鍛冶屋が鍛えて和鉄で作っていますから鉄味があるのです、



そこが偽物、つまり明治以後に作られた倣製品との見極めのポイントです、


鉄の味がはっきり違います。


鈍い銀びかりした鍛鉄の味わいを覚えておくとよいでしょう。


十手は今でもよく知られた骨董での人気アイテム?ですから


骨董市などでもよく見かけますがほとんどニセモノばかりですね。

明治以降の西洋鉄で作られたモノばっかりです。


まあにせものの定義がどうなのかという根本問題点もありますが

というのは

明治以降も初期には警官が十手を持っていたという事例もありますし、

それらは結構安っぽい作りですしね・。


そこで、

江戸期の和鉄製を一応本物十手としましょう。



さて


ここからは偽物十手の見分け方をいくつかあげます。

以下にせものの特徴を挙げます。



①豪華である。彫り物がある、彫銘がある。


これらはほとんど偽物です。十手は実用的な武器です。時代物にそんな豪華なものはありえません。



②鉤が溶接である、


これは明治以降のものです。明治時代にも警官が十手を持っていました。

古いものでこの手の十手が出てくることもあります。

しかし、これをのぞけば溶接モノは全部偽物です。


③真鍮製、赤銅製である、


これは与力クラスの身分の高い同心、与力の持ち物ですから、ほとんど現存していません。

で、今そこらの骨董市ででみかけるこういう物はすべて偽物です。



④環が回らない、


これもダメです。本物の環は、心棒を削り出して細くし、そこにはめ込まれれて鳩目で固定されています。



⑤からくり十手。仕込み十手


十手の柄を抜くとそこから仕込みの短刀が出てくる、いわゆる仕込み十手ですね


こんなものが江戸時代の当時あるはずがありません。十手は神聖なる?岡っ引きのの身分証明です。

くだらないからくりなどつけるはずもありません。というかソンナ仕込みをつける意味がありませんから。

岡っ引きは忍者じゃないんですよ。



⑥柄にサメ側が巻いてある、


これも相当怪しいです。竹皮とか紐が巻いてあるのはありえますが

豪華なこういう巻物が巻いてあったら一応疑うべきでしょうね。



⑦木製である、

木のものあるのですが

これは練習用?というかいわゆる「鼻捻じ」ですね。

「手慣らし」ですね

いわゆる十手ではありません。



⑧鉤カギがない。


火つけ盗賊改め、関八州見回り役の十手にはこういうものもあります。

鉤の代わりに丸い鍔がついています。

ですがこれの現存品はまずありません、そこらにあるのはすべて偽物です。



⑨ただの鉄棒である。


鉤もない、鍔もないというのもあります。

要するにただの鉄棒です。これは手慣らしと言って、

十手とは違うものです。いわゆる兜割り系統のものです。

これの本物もほとんどありませんね。



⑩近代的な鉄でできてる


江戸期のものは当然和鉄です。鉄の味が違うのです。




まあざっと以上でしょうか。


しかし例外もごくわずかあります。


豪華で彫のある江戸時代のものも、ごくまれにありますね。


最後の見極めはやはり


鉄の味です。


鍛えた鉄の色合いをおぼえておくべきでしょうね。


十手は骨董アイテムとしての愛好者が多いので

明治大正昭和と陸続と倣製品が作られ続けてきました。

骨董市などで見かけるものはほとんどがそれらです。


本当の江戸期のものは実際はほとんど残っていないのです。

江戸時代、実際岡っ引きがどれほどいましたか?


その岡っ引きが十手を明治になってからも大事に子々孫々受け継いできましたか?

武士の魂である日本刀なら大事に家宝として受け継いだでしょうか?


たかが十手ですよ。

それに、、

江戸期、十手は町人などは持てなかったんですよ。

町人が十手を持つことはご禁制、、、逮捕ですよ、。

岡っ引きしか持てなかったんですよ。



それを考えると、、

江戸期の十手がそんなに今に残っていて、骨董市にごろごろあるはずがないのですよ。

というわけでそこらに出回ってる十手は99パーセント

明治以降のフェイクである、ということでしょうね。


いや、、明治期の作品だったら儲けものですよ、

「準ホンモノ」?ですから?


実際そこらにあるのは

昭和出来

いや平成出来の

現代十手でしかない場合がほとんどです。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 確かに十手で太刀と対応に立ち向かうのは無理な話です。しかし、太刀と正面から向き合い立ち合いすれば無理なだけです。真剣を手にして振った事が有りますか?時代劇映画のようにバッタバッタと相手を切…
[一言] 刀を持った侍の犯罪者相手なら町方同心や与力が相手するのではないでしょうか。あのタイプの十手なら包丁レベルの相手を想定してるのではないでしょうか? 刀相手なら十手の原型になった釵(サイ)がいい…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ