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僕は忘れてない
ナオ…。
…まだ、僕のことを。
…僕はどうなんだ?ホントに、全部、精算したのか?
僕の心の中には、ホントにもうなにも残ってないのか?
電話した。カナに会いたかった。
「お待たせー!」
カナの笑顔にほっとした。
街をぶらぶら。
「ナオと話したの?」
「うん。少し…」
「イヤねえ。未練があるのかな?」
「よく、わかんない」
僕はアタマを振った。
「もう、そのこと、忘れたいんだ」
「うん…」
カナが笑顔で答えた。
カナとキスした。
「これで忘れられた?」
「少し…」
カナがもう一度、キスした。
「…これでどう?」
自分の部屋。
ナオ…。
僕は、忘れてない。
多分、彼女も…。
…どうしたらいいんだろう?
僕はベッドで目を閉じた。