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出会い、再び
放課後。
カナとアパレルの店にいた。
結構カナは迷うタイプらしい。
というか、自分にいろんな服をあてて楽しんでいるんだろうか?
この店に入ってから、時間がもう随分たっている。
「悩むな〜」
でも、時間をかけた甲斐があって、もともとカワイイカナが、もっとかわいく見える服が買えた。
「ありがとね…。時間かかったから、怒ってるでしょ?」
「別に。気にしてないよ」
「お礼にジュースおごるよ」
僕らはファストフードに入った。
いた。
ナオが…。
ナオは、同級生の男子生徒と一緒だった。デートだろうか?
お互い、相手に気がついて、そしてお互い、相手のことに気付かないふりをした。
ナオも多分…。
しばらくして…。
カナのケータイが鳴った。
「…はーい」
カナが申し訳なさそうな顔をした。
「緊急の用事、入っちゃった。ゴメン!私、帰るね」
「しょうがないよ。じゃあ」
「じゃあね」
店に一人。
向こうにナオがいる。
間が持たなくて、僕はジュースに手を伸ばした。