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終わりとはじまり
キスした。
「これで最後だね」
「うん…」
僕もナオも、明るい表情だった。
「でも、明るく別れられてよかったー。湿っぽいの、やだもんね」
ナオが笑顔で言った。
「そーだね」
僕も笑顔だった。
学園。
「シンジ、オハヨー」
クラスメイトのカナだ。結構カワイイと、男子生徒に人気がある。
「おはよう…」
どうしたんだろう?カナがわざわざ挨拶するなんて…。
「聞いたよ。ナオと別れたんだって?」
「うん…、まあ…」
「これで、私にもチャンスが来たわけだ!」
「えっ?」
「なんでもない。で、今日は予定、ある?」
「ないけど」
「じゃあ、洋服見るの、付き合って!買おうか迷ってる服があるんだー」
ふと視線にナオが入った。
笑顔で、男子生徒と話していた。
…これでいいんだよな。僕は笑顔になった。