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blessing  作者: 雨音未波
10/37

†〜5〜†

二人の会話は続く…。


「なら分かっているでしょう。亜子さんがどんな存在か…そして……首にかかっているネックレス…」


チラッとあたしの首にかかってるネックレスを旒來は見た。

しかしすぐに視線を逸らす。


何?このネックレスに何かあるの?

話について行けなぃぃぃ!

「…あのネックレスは、サクヤ様から受け継いだ物…、虹色の水晶玉…なら彼女は…」


あたしはこの言葉にカチンときた。少しね…。


「ちょっと待ってよ!」


すぐに旒來に向かって叫んだ。

だって黙ってらんない!

このネックレスは…っ!!


「このネックレスはあたしの全財産使って買ったネックレスだよ!そのサクヤ?とか言う人から貰ってないからっ!勘違いしないでよ!!」


いきなりの大声に二人はあたしを見て固まってしまった。


でも納得出来ないんだもん!これはあたしが迷いに迷って買ったやつなのに!それを貰った!?ふざけんな!ならあたしの全財産がパァじゃんっ!!貰ったって言うならあたしの金返せ!!!


…ぁ…あれ?何か変な方向に…。…まぁいいよ!!


「とにかく!!これはあたしが買った物ですっ!分かった!?」


疲れて肩で息をしているあたしに、二人はまだ固まったまま。


でもいいの!言う事言った!満足!!


…けど、サクヤって誰?


また疑問が出来て、聞こうと二人に話しかけようとしたが…。


あたしのさっきの文句に放心状態の二人…。


…何か話しかけづらい…。てか怒っちゃったし、居づらい…。どうしよう…。


さっきの文句を反省し、体を小さくして下を向いた。

それに気づいた十夜がフッと笑い、優しくあたしの頭を撫でてくれた。


「泣くなって、俺達が悪かったよ。だからもう泣くな、なっ?」


優しい声…泣いてないんだけどな…。


…でも…興奮してたから少し落ち着いた。ちゃんと状況を理解しよう。


「…ん…ありがと十夜さん」

あたしは頭を上げた。十夜は笑ってると思ったんだけど…。


何故か驚いた顔してる…何故?


「俺達年近いだろ?多分。なのにさん付けいらねーよ。十夜でいい」


ぁ…だから驚いてたんだ。成る程…。


「あたし16だけど…」


「何だ、同じじゃん。ならお互い呼び捨てな」


「ぅ…ぅん…」


「よし」


十夜は満足の顔をしていた。そして笑った。

その笑顔は、幼い子供の様な笑顔で、とても優しそうだった…。


…可愛い…。


思ってたら顔が熱くなってきた…。あたしは気づいて両手で顔を覆う。その行動を不思議に思った十夜は、あたしの顔を覗いてきた。

「どうした?具合悪いか?」

「ちっ…違…」


必死で顔を隠す。そしたら上からクスクスと微かな笑い声が…。


「…何笑ってんだよ、旒來」

十夜は笑ってる旒來に気づき訊ねた。旒來は未だ顔に笑みを残し、十夜の問いに答える。


「いえ…何でもないです、すいません」


そしていつもの優しい表情であたしを見た。


「亜子さん、話の途中でしたね。続けましょう」


「ぁ…はい」


あたしも顔の赤みを取り、二人に向き直った。


「では初めから…」

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