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《地下研究室》

いつもと変わらない日曜日の事、正姫、鈴音と刹那はたまたま食後の運動と言う事で、廊下を歩いていた。

「相変わらず美味しかったですね・・・って!・・・ん?」

「え、如何したの?」

「あそこのドア、開いていますね・・・あそこっていつも閉まってますよね」

そこにあったのは施設内に有るドアの一つ普段は鍵がかかっており、入る事が出来ない・・・しかし、一つ

疑問なのが、そのドアだけ木製で、鍵も外側、横にするタイプで誰でも入ろうと思えば入れるのだ。

だが入ろうとした人間は居ない・・・何故、誰でも入れそうと言うのが逆に怪しかったからだ。

「え、でも、グボルグが出入りしてんの見たことあるよ」

「グボルグの部屋ですか・・・」

「ねー!入ってみようよ!」

「え、でも、バレタラ・・・」

「大丈夫だよ!バレタラ迷子になったとか言えばいいんだし!」

「え、でも、刹那は?」

「刹那怖い」

「ほら、見てくださいよ刹那だって怖がっています」

「怖いけど・・・行く」

「え――――・・・」

「二対一で決まりね!」

「・・・んー・・・」

鈴音はまっすぐな目で視線を避ける正姫の顔を見る。

「う・・・ん~」

「ジ――――――――」

「・・・っはー・・・解りましたよ・・・でも危険だと思ったらすぐに此処に戻ってきますからね」

「うん!さすが正姫!話が解る!」

こうして彼等は、ドアの中に入り、中を見た・・・

中を見ると中は部屋では無く、地下へと繋がる階段があった・・・

「暗くてしたが見えない・・・」

「え?刹那見えるよ」

「ん?」

「刹那、暗闇の中でも見えるよ」

「おー!さすが刹那ちゃん!じゃあ刹那ちゃん戦闘で、皆手を繋いで行こう!」

「しかたありませんね・・・」

三人は刹那を先頭に階段を降りて行った・・・

「凄い、なんか寒い・・・」

「視界が悪いですね・・・いったいここは何段目ですかね?」

「んー解らないけど、そうとう歩いていると思うよ」

「んー」

「あ、正姫!」

「え?」

「ライトの光が見えてきた」

「あ、本当です・・・」

下に居り彼等は自分達の目を疑った・・・

ドアの中、地下には大きなシリンダーが幾つもあり、水のような物で満たされていた・・・

見た目ですぐ解ったが、これは黒都の研究室・・・研究資料や実験動物の保管庫みたいだ。

「こ、これは・・・なにこれ正姫・・・」

「見ての通り・・・実験体ですね」

「これ・・・ん?」

「このシリンダー・・・人間が入っている・・・」

奥から三番目・・・鈴音の見つめていたシリンダーの中には確かに人間が入っていた・・・

「なんですか・・・これ?・・・」

「えーと、ルビがふってある『やこうど』?・・・」

それぞれにはラベルが貼られており、それには『夜行人』と書いてあった・・・

「他にも?・・・」

彼等の予想した通り他にも沢山あった。

「えーと、こっちはには?『鬼人のDNA』『悪魔のDNA』『改造ロボ:鉄』『獣人狼』『アロンドロイド』

『Ex6コアトリク』『ディヴォンモールショヴィッツェ』『ネオプラズマの欠片:サンプル』『空皆無寝』

『銃剣ラッセル』『藤森試作品』・・・それとグボルグの机には幾つものバインダーがありますね・・・」

正姫はバオンダーを手に取り、中身の紙をめくり始めた。

「こっちには、白いバインダーや黒いやつ・・・『錬成術』『鬼人化』『世界の創製者:ミーナ・ホルン』

『錬丹術』『四龍』『マーク・ホルン』あれ?さっきのミーナと同じ苗字?・・・マークのバインダー」

パラパラっと正姫はマークのバインダーの中身捲り始めた。

「んー何の事でしょう~・・・」

「え、どうしたの他には何があるの?」

彼はマークのバインダーを閉じ机に置いた・・・そして、他のバインダーを手に取り始めた。

「んー、えーと『五天魔装武』『五重の修羅扇』『クワランタ・セッテ』『ロシア村破壊事件』『人外魔境』

『アンデッド・セブン』『齣管 元晴』・・・どれもなんだか難しい事が書いてありますね・・・って、ん?このピンク

のバインダーは何でしょう?」

「ピンクの?」

ピンク色と言うのは可愛いからなのか鈴音が反応する。

「グボルグ先生、ピンクのバインダーとか持ってんだ!」

「はい、意外ですね・・・見出しには・・・『魔法少女』?」

「え!?」

その言葉を聞いた瞬間、鈴音は彼の手にあったバインダーを強制的に奪い、懐に隠した。

「い、いきなりなんですか!?」

「こ、これは、なんでもないの!?」

「・・・んー・・・まー・・・ん・・・気になりますね・・・」

「気にしないで!そんな事より、色々あるね!」

「え、ん~そうですねー」

ガタッと物音がし、三人は口を閉じた・・・

「(やばい・・・グボルグが来たと言う事ですか・・・逃げる手段は・・・)」

「如何する正姫!?」

「グボルグが来たら隠れながらも階段に近づき、逃げる」

「でも・・・監視カメラで此処に入った事ばれているんじゃ」

「・・・あ・・・そうでした・・・」

ガタガタッと足音は近づいてくる・・・

「ヤバい・・・って・・・ん?」

隠れて見ていると、入って来たのグボルグでは無く警備員であることに気づいた。

「(あれ、グボルグじゃない?)」

「ん?ここは此処は何処だ!?好奇心で入ってしまったが、なんだこの暗い空間!シリンダーの中に入って

奴等だけ光っている・・・怖いぞ!?」

「見ましたね」

「(ん!?この声!?)」

警備員の後ろからグボルグが現れた・・・

「あ、これはグボルグ様!」

「・・・君は此処で何をしている?」

「はい、すいません、ちょっと迷って」

「そうか、新しい実験体が来てくれて嬉しいよ・・・」

「はい?」

彼はポケットから注射針をだし警備兵の首に刺した・・・苦しいのか警備兵の一人は叫びをあげた・・・

「うわあああああああああああああああ!」

「(こ、これは!?)」

「(あ、あの人・・・先生・・・)」

「鈴音、刹那!見られているなんて関係ないです!逃げますよ!」

そう言って、正姫は二人の手を掴み階段を駆け上がった・・・

「ちょっと正姫!?」

「いいんです。やっぱり僕は反対だったのですよ!」

これはグボルグの計画のうちか、それとも偶然か・・・下に居た彼はにやけていた・・・

「(ふふふ、これが『恐怖』です。これで彼等は私には逆らえないでしょう・・・あえて此処を見せ、私が

冷酷で残酷な人間だと思わせる。子供は単純で、今までもそしてこれからも私には逆らわないでしょう)」

それから彼等は、グボルグの言う事をちゃんと聞き、授業もちゃんと聞いていた・・・

あの日見た物を彼等はできるだけ忘れようとしていた・・・


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