表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/26

《暗い空》

その時、正姫は色んな事を考え、一つの仮定に至った。

「つまり僕に友達を作れと言う事ですね!解りました!」

「考え事終わった?」

「え?」

横を見るとそこにはEx5、伏見 鈴音が何故か彼の部屋に居た。

「って、え!?どうして貴女が僕の部屋に!って言うかどうやって!?」

「ん?普通に窓から」

「『普通』?・・・んー僕の情報によるとそれは『普通』ではないのですが・・・いや、でも、それが集団

行動において普通なのかも・・・んー人の部屋には前のドアからだと思っていましたが・・・」

「そうだよ」

「え?普通?」

「普通は前のドアから入るんだよ」

「『普通?』・・・んー普通とはいったい・・・難しいです・・・」

「まーどうでもいいじゃん!私は伏見 鈴音!平仮名で書くと!」

鈴音はペンと紙を探していた・・・

「あ、いえ、名前はもう良いです」

「え・・・」

正姫は彼女の行動を止めてしまい・・・彼女は下を向き涙目に・・・。

「え、あ、すいません・・・えーと、名前見たいです!ほらこれペンと紙です。名前を書いてみてください!」

「え・・・うん!解った!」

三秒前まで泣いていたかと思われたが一瞬で泣き止んだ。

「(・・・んー・・・これが『思いやり』と言う物なのですか・・・)」

「はい『ふしみ りんね』!」

「あ、はい、凄いですね・・・」

「でしょ!」

「でも、どうして僕に部屋に?」

「え、うん、実は私ここの事、あんまり知らないの」

「『此処』って?『黒都』の事ですか?」

「うん!だからさ、一緒の探検しようよ!」

「いや、僕此処の事だいたい解りますから、その必要は・・・」

「え、本当!じゃあ、色々案内してくれない!?」

「え、うん(どうせ何もやる事ありませんし、一日暇に過ごすのもあれなので)いいですよ」

「うわーやった!」

「それで、どうして窓から?」

「え、うん、ドアに鍵がかかっていたから」

「・・・普通にノックすれば・・・」

「え、うん、今度からするね」

「そう言えば僕もあんまりこの黒都の事しらないんですよね・・・探検しますか!」

こうして彼等は外に出た・・・黒都と言うのは建物だらけで、全てが廃墟のような物、ビルもあったが

使われていないようだ・・・大きさにしてかなりデカい、一般的な遊園地と同じくらいの大きさだ。

ただ此処には何もない・・・黒く、寂しい都市・・・此処が『黒都』である。

人が居るとすれば警備兵が二、三人、誰も皆無愛想・・・監視カメラにや彼等に監視され、行動を全て監視されるのは、あまり良い気分ではないのだ・・・

「ねー・・・正姫・・・此処暗いて、怖いよ・・・」

空は眩しく青かったが、地上の雰囲気が暗いのだ・・・そう、そこに有る空が偽物のような、闇は明るい空をも飲み込み、暗くする・・・青い空が、黒都に呑まれ上空の空が深く暗い深海のような青に見ええる。

「そうですね・・・あまり実験室以外や僕に関係ない所には行きませんから、まさか黒都がこんな所とは」

「・・・食べ物屋さんとか・・・無いんだ・・・」

「え?」

「外には沢山あってもっとキラキラしていた・・・」

彼女は蹲り、泣き始めた・・・

「え、ちょっと、何泣き始めているのですか!?」

「ヴあああああ・・・帰りたいよおおおおおおおお・・・」

「帰りたいって?・・・どうしましょう・・・何か何か・・・」

「うわあああああああああん・・・」

「だ、大丈夫ですよ!きっと大丈夫です!僕達の実験が終わればきっと帰れますよ!」

「う・・う・・・本当に?・・・」

「本当ですよ!僕が保証します」

「『保障』?・・・」

「とにかく、大丈夫って事!きっと帰れるよ!だから、今日は帰ろ、はやに戻ろうよ!」

「・・・」

「きっと、僕達が居た黒都の中心には食べ物もある筈だよ、だから寮に、あ、部屋に戻ろう」

「・・・う、うん」

「(はぁ~・・・泣き止んでくれましたね・・・)」

「正姫・・・帰ろ!」

「え、あ、ん!?」

鈴音は正姫に手を引き走り始めた。

「ちょっと!?五秒前まで泣いていたんじゃ!?泣き止むの早!?」

こうして彼等は寮に戻った・・・

案の定、黒都の中心の建物は、廃墟では無く、普通のビルなのだ。

食堂もあり、いろんな物もあった・・・雰囲気は少し暗いが・・・

此処が正姫達の住んでいる場所なのだ。

 それから二人はご飯を食べ正姫の部屋に戻る。

「あ、適当に座っていてください」

「ん?うん・・・正姫君の部屋って広いね」

「そうですか?・・あまり物が無いからそう錯覚するのだと思いますけど」

「『錯覚』・・・正姫君って難しい・・・」

「とにかく、そう言う事です」

「ねーあの後藤君と刹那ちゃんって何処に居るんだろう?」

「え、名前覚えているのですか!?」

「当然じゃん!」

「(凄い・・・)そうですね、おそらくあの二人は補習かと」

「補習?」

「はい、この前やったテストで赤点とると補習なのです」

「へ~」

「そう言う鈴音は大丈夫なのですか?」

「うん、私勉強頑張っているから!」

「そうですか、名前書けますものね」

「うん!・・・それでさ、正姫君は休みの日とか何してんの?」

「今日みたいな日ですか?・・・んー特には何も・・普通は何するのですか?」

「えーとね、絵描いたり、おままごとしたり、楽しい事する!」

「・・・」

「じゃあ、さっそくやろ!」

そう言って彼女はなんだか机に筆箱やら皿、コップを置いて、座り始めた・・・

「お帰り貴方!」

「貴方?・・・」

「そう言う、事なの!私がお母さんで正姫がお父さん」

「え、ん?・・・(これが、おままごと・・・なんと低能な・・・)」

「ほら、座って!」

「(しかたない・・・付きやってあげますか)お、ただいま、鈴音」

「ごはんできてるよ!」

「あ、はい」

彼女は鉛筆をさらにばら撒き、それがスパゲッティーだと言う・・・

「・・・これを食べろと?」

「フリだよフリ」

「フリですか・・・モグモグ、美味しいです」

「でしょ!私頑張ったんだよ!」

「おう、良く頑張った。いつもありがとうな!」

「うん!」

「(こんなので良いのだろうか?)・・・」


訳の何となくしか解らないまま・・・彼は鈴音の遊びに付き合っていた・・・


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ