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Vo.7

ランキング入りしました!ありがとうございます!

あと、(、、、)よりも(....)のほうがわかりやすいというご指摘を頂いたので変えました!

「それじゃあ、葵さんと共演を?」


「そうなの....鈴恵さん、どうしよー⁉」


私は机に突っ伏す。グラタンの匂いも私の鼻には届かない。


「葵さん、喜ぶでしょうね。」


「やめて‼」


「でも、お仕事一緒にするとしか聞いてないんでしょ?」


「違うの...ラブストーリーなの...うぅっ...」


「らぶすとーりー?」


「恋物語。」


「ああ....」


鈴恵さんは納得したようにじゃがいもをよそった。


「ありさ、げんきだして。すまいる!」


6歳に慰められる私ってなんなんだろう。小さい手が私の頭を撫でる。


「千里...ありがとう...」


小さい手を握る。温かくて少し落ち着いた。


「まあ、葵さんも仕事として割り切るんじゃない?」


そうは思えない。

私が候補に上がってたとき、まだ共演する人は決まってなかった。つまり私が決まった直後に出演決めたってことになるよね?


それって感情めちゃめちゃ入るじゃん‼


あんのバカあおい‼今度会ったら、、殴れない。私の芸能人生が...うぅっ...




「まあ、イチャイチャするとは限らないわよ。失恋ソングかも...」


「鈴恵さん、曲の名前キスミーベイビーだよ...私にキスしてってこと。」


「まあ...仕事は仕事と割り切りなさい。」


うぅ....


私はグラタンをスプーンですくって食べる。

千里はパクパクとCM来るんじゃないかと思うほど美味しそうに食べてる。


「それにしても雑誌が多いわね~。」


鈴恵さんは机にある雑誌の階段をいじる。


私が世代別に雑誌を分けたのだ。散らかってるといえばそれまでだけど。


「ポーズの研究用にね。世代とかによって微妙にポーズのやり方が違うんですよ。まだ全部は見られてないんですけど。」


「ふぅーん。」


千里は走って白いソファーに座り、目の前にあるテレビを無言で指差す。


「ピラメキーノー!」


「はいはい。」


私は千里の隣に座り、リモコンでテレビをつけた。


「ちさと、あのおへやがいいな~。」


千里はちょうどソファーの真後ろにある今は物置と化している部屋を指差した。


「なに?もう自分の部屋予約するの?」


私は千里の頭を撫でる。口を突き出す千里に私はとろけそうだ。絶対モデルやれるって~!


「うん!ヒョウがいやになったら!」


私は笑った。仕事頑張ろうかな....千里のために。








「...じゃあ私服はいつもシンプルに?」


「ええ。写真撮影とかで着る服とかで気に入ったものがあればブランド聞いて、自分で買ったりとかはしてますけど。」


今、”人気急上昇モデル特集”の取材中。女の人が目の前でうなずいてる。


実は、取材を受けるのははじめてなんだよね。心臓がドラムみたいにリズムを作りながら高鳴る。



「やっぱりお手本にしてる人がいたりとか?」


「オードリーヘップバーンですね!あの人のファッションは全く古さを感じさせなくて惚れ惚れしちゃいます!」


思わず興奮して手と足をパタパタさせちゃう。


「美の秘訣は?」


び.......ビ......美?気をつけしちゃった。



「美の秘訣......?けっ化粧をちゃんと落とすことぐらいですっ!」


「そうですか~。肌キレイですもんね~。」


顔が少し火照る。両手で手で顔を包んだ。


「ほっ本当ですか?うれしい、、‼」


インタビュアーさんは笑った。


「なんか、美咲さんって気取りがなくてかわいいですね!」


「やっやだ。そんなに褒めないでくださいぃ~。」






インタビュアーさんが良かったのか、すごくいい気分で初めてのインタビューを終了させた。

あのインタビュー、いつ出るんだったっけ?


そう思って手帳をバックから取り出そうとしたときだった。


台本が目に入った。禁断の台本。見たら多分気が狂うであろう台本。


見なきゃ。


”キスミーベイビー PV台本”


爆弾を扱うかのように台本を持ち、めくった。



”美咲.....女 葵......男


女、じっと見つめてる


視線の先には男がいる


音楽スタート


女、タンクトップにミニボトムスで登場


男は車を洗ってる


女は隣の車を洗い始める。


女は車に乗っかり、男を誘惑するように体をくねらせて美脚を披露


男はそれに気づき、女に笑いかける。


サビ


女はバンの上に立ち上がり、踊る。


女はすべり、後ろに落ちて気絶


妄想の中で男とキス”


「ぎゃぁすっ‼」

台本を壁に投げつけた。台本はばさりと落ちた。


いやいやいやいやいやいやいやいやいや‼なんで私があいつを誘惑する役回りなわけ⁈私、あんなことしたことも妄想したこともないわ‼

しかも、きっきっきっきっきっキス⁈

なんで⁈なんで⁈キスミーベイビーでもキスを無理に強要するような内容にしなくていいじゃん‼そのあとはみんなの妄想の世界に任せよーよ‼映像なんかよりもよっぽどリアリティある‼ねぇ⁈ねぇ⁈


そりゃ、キスしたことあるわけじゃないよ⁈

あいつと付き合ってたときはキスしてたよ⁉でもさでもさでもさでもさでもさでもさでもさ、


そんなことしたら.....


思い出しちゃうだろぉぉぉぉぉぉぉぉっ‼‼



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