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Vo.2

早速お気に入り登録して下さった方がいらっしゃいました。

ありがとうございます!

『美咲ちゃん!美咲ちゃん!』


先輩の声。頭が異常に冷たい。目の前は真っ白。


ここ...


『医務室よ。あなた気絶しちゃったから...大丈夫?働きすぎじゃ...?』


『大丈夫です。ありがとうございます。』


私は起き上がろうとする。頭には氷水があった。


『すいません。美咲さん、大丈夫ですか?』


カーテン越しに男の人の声....


『大丈夫だって、葵くん』


先輩はカーテンに叫ぶ。


予想はさ、予想はしてたよ?こいつ基本優しいからさ、そりゃ目の前で女の子が倒れたら放ってはおかないよ?でもさ....




来るんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!



『入っても?』



よせ!やめろ!来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな!!



『.....!!』


『美咲ちゃんいいんじゃない?目の保養で!』


先輩...目の保養どころか、あの人の捕虜になりますよ。私。



いやっ..待てよ?大丈夫かもしれない...こいつは私が私だって分からないかも..?

前と外見だって違うし。ドレスだし。



イケるか?



私は頷いた。


一応声は出さない。声色変えてもいいんだけど、あいつにこびてると思われるのはシャクだ。


『葵くーん!入ってきていいって!』



カーテンを開けて入ってきたあいつは....



かっこいい..やっぱり。あいつから銀色の光が放たれてるみたいだ。私なんかじゃ足元にも及ばない。



ってナニカンガエテルンジャワタシワ⁈



『美咲さん。大丈夫ですか?』


あいつは私の顔を心配そうに覗き込む。その顔に驚きとか疑惑の色は無い。


よし、気づかれてない!


私は氷水をあえて目の上にのせる。顔がばれないために。


そして頷く。


『それじゃ、私は行くね!』



...へぇ?それって....




ダメダメダメ!!先輩!行くなっ!行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな!



私の心の叫びは届かず先輩は行ってしまい、足音も遠ざかってしまった。




話さざるえなくなった。





ヤバイ。声で...




急に目の上から氷水が浮いた。


異常現象かと思った。単純にあいつが氷水を奪っただけだったけど。


あいつは氷水をつまみながら、向かいのベットに座った。


『あっ...ちょっ...』


『ばれないとでも思った?有理沙。』


ありっ...


その名前で呼ぶなぁっ!!






私の名前は小林有理沙。美咲っていうのは芸名なの。

私、実はモデルになる前は小太り体型だった。こいつに浮気されたとき、やけになって人生初のダイエットして痩せたの。浮気されるまでは自分の体型なんて気にしたことなかったんだけどね。



痩せたからばれないと、、、ええ、ええ‼私がバカでした!そうですよね!8年近くこいつといたんだからばれない訳がないですよね!?



『有理沙。すごく美人になったね。』


やめろっ!!無視無視っ!!


私はベットに寝転びあいつに背中を向けた。


『...やっぱりまだ怒ってるよね?』


オフコース。


『でも...あれはひどいだろ?もっと違う方法が...』


....


こいつが何を言ってるのか分かってた。


こいつが浮気して、私がこいつに問い詰めたときだった。


『仕事の都合上仕方なかったんだよ。ネタ作りのために事務所にやらされてさ。君には分からない世界だよ。』


こいつはそう言った。



分かる?分かる?仕事理由にされたらなんにもできないじゃん?許すしかないじゃん?


でも....こいつとグラドル、事務所違うんですけど。


しかもね、グラドルが声明を出した。


『私は、彼と交際しています。』


あっさり認めやがった。その後、こいつとの共演なんてない。まあ急にグラドルがテレビに出始めたのは事実だけど。



私は泣いた。私よりもよっぽど美人でグラマーな人と彼氏がチューしたらそりゃ泣きますって。

悩んで悩んだ結果、私はこいつに何も告げずに同棲してた家を出る。





『今も...付き合ってるんだね...神山みちるさんだっけ?』


『最初は君だって気がつかなかった。』


ん?お前無視したなぁっ?!なにすました顔してるんだぁ?


『私のはな...』


『でも君が気絶したときに君の匂いがして。ずっと君が好きだった香水の香り。そしたら

なんかいろいろ思い出したんだ。』


やめてっ!!その声でドラマみたいなセリフ吐かないでくださいっ!!


『僕たち...やり直せないかな?』

『いや。』


即答っす。当たり前でしょ?


『彼女いる人と付き合えないよ。てかこんな話やめよう。帰るね、私。』


立ち上がった私の腕をあいつがつかんだ。


『あいつは彼女じゃない。それに君の別れの言葉も聞いた記憶が無いしね。』


『そっ...そんなのさぁ...』


私はたじろぐ。こいつは私をガンみする。


『本気で別れたいなら今すぐ言えよ。僕の目を見てさ。じゃなきゃ、僕は君を諦めない。』


つかんでる腕の力が強くなる。


いや、私が家出た時点で別れたことに....ならないですよね。はい。

ああ、涙が出てくるわぁー。


『過去のことは思い出したく無い。彼女いるのにさ....』


『だから彼女じゃないって言ってるだろ?』


こいつはイライラしてる。

なんであんたがイラつくわけ?イラつきたいのこっちなんですけどぉ?


『...よう。』


『えっ?』


『別れよう。こんな辛い気持ちもうしたくない。じゃあさよなら。』


私は掴まれてる腕を引き離し、走ってパーティ会場に戻った...




『えっ帰っちゃうの?』


『はい。すいません。誘って頂いたのに。』


『まあ、しょうがないわね!またね!』


私は先輩にお辞儀してから、会場を出て行った。




タクシーで家に向かってるとき、いろいろ考えてた。

私は傷ついて、あのときは何も考えられなかったけど、やっぱりあの別れ方は悪かったな。一年前は私も子どもだった。


子ども...


ふと、あの天使のような笑顔が頭によぎる。


....千里元気かな?

誤字訂正しました!


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