Vo.31
入試に出かけた時...女子校出身の私は
「ああっ、男だ!!!男がいるぅっ!!Σ(゜д゜lll)」
って感じでした。
はい、俳優彼氏行ってみよー!!!
「さっきは切ってしまってごめんなさい...」
「いいのよ!そんな状況ならパニクって当然よ!私こそタイミングが悪かったわね...インターネットのニュースで見つけたから一刻も速く伝えないとって思ったのよ。まさか本人と一緒だったなんてね...」
私は恋人の家改め悪魔の館から直行で先輩の家へと来た。
オレンジを基調とした明るい部屋...私の心はブルーを基調とした暗い気持ち...
「美咲ちゃんさ...」
「はい...」
「男運ないね。」
「...それを言わないで下さいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「ごめんごめん!泣かないで!お願いだから!!」
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!なぜだあああああああああああ!!テーブルに八つ当たりいいいいいいい!!!
「美咲ちゃんまだいい男に会えてないだけよ!世の中いい男たくさんいるから!!ね!?ね!?」
「ううっ、」
先輩に差し出されたティッシュを引っつかんで目をゴシゴシ拭いた。
「まあ...美咲ちゃん、特に知られてまずいこととかあるの?」
「ふへえ...。」
「私の場合はね、あいつ見てくれはいいからいろいろ話しちゃったわけ。それで...はあ。」
「?」
「言うけど!!言うけど!!整形手術のこと話しちゃったのよ!!」
「は...!?え?」
うそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?
「ちょっ、誤解しないで!!私ね、鼻を二回折っちゃってるのよ!!一回目は小学校の時にふざけて棚に激突しちゃって、二回目は高校生の時に女子とふざけあってたら友達の拳が顔にあたって!!酷く曲がっちゃったのよ!!だからそれを治して...」
「あっ、あ〜。」
それは仕方ない。
「それを言ったのよ...そしたらケンカした時にネットのニュースに書かれて...」
いつも元気に笑っている千夏先輩から光がシュルシュルと消えていった。
「でっ...でも...それは仕方ないじゃないですか。美容目的ではないですし...」
千夏先輩は自傷的にフフフと力無く笑った。
「そんな風にバカ正直にあの人が書いたとでも?」
「え...」
「まあ正確には書かせたって言った方が正しいけど。知らない?見出しは"美容の指南本をだしたモデル千夏、今度はファンに美容整形を指南?"だって。」
え...。
「最初は松田さんだとは思わなかったの。そのあとすぐに仲直りしたし、一年くらい関係続いたし。で、最後はすれちがったから別れたんだけどね、別れたら今まで付き合った人の名前が写真付き全部ネット上に流出したってわけ。あの顔でゲス野郎なんてね...全く。」
沈黙が流れた。どうしても理解できない。あんなに紳士的な人にそんな影があったなんて...初めて会った時のことを思い出す。
あんなにかっこいい人がこの世にいるんだと思った。性格も完璧で大人で...。はあ。一体なんだったの。あの低い声も、唇も優しかったのに...
「美咲ちゃんは、私ほど汚れてないからネタになるようなことはないんじゃ...」
「あります。」
「え...?」
「高校時代太ってたことです。私はそこまで気にしてませんけど、私を傷付けるのには立派な理由じゃないですか?」
「あ...」
「それに...」
「葵くんね。」
はい。
ああああああああああああああああああああ!!!私は一生男に恵まれない運命なのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお?!前世になにしたらこんなに男に祟られるわけ?!誰か教えてええええええええええええええええええ!!
「まあ、落ち着いて...本当に...はいティッシュ。」
「ぐずぅっ...」
「あのね、私がそもそもあなたの交際について知ったのは別のこと調べてたからで...」
「別のこと...?」
「そう。今日はあなたにとって大変な夜になりそうね。」
「ふぅ...?」
「あと5分くらいよ。」
先輩はiPhoneを見ながらそう答えた。
「なんかあるんですか...?」
「ま、いろいろね。」
♪〜♪〜♪
「ん?美咲ちゃんメール?」
「みたいです...誰だ...?」
"あいつ"
...
「むきいいいいいいいいいいい!!!」
ソファに思いっきり携帯を投げつけた。
「美咲ちゃん?!どうしたの?!」
「すいません!!腹立っちゃって!!あああああああああああああああああああ!!」
もうっ!!このタイミング悪すぎ男おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
乱暴にバックの中に携帯を突っ込んだ。
「いいの...?メール内容見なくて...?」
「いいです!!どーでもいいですあんな奴!!」
「ヤケにならないで...」
ピンポーン、
「あっ、来た来た。ちょっと待ってね。」
先輩は玄関へと消えていった。
私は腕を組み、今までの自分の恋愛事情を振り返え...ダメだ!!怒りが先行してなんにも考えられない!!
「はいはい...美咲ちゃん、暴れないでね。悪い子じゃないから...」
「え...」
なんでこいつが....!?
「こんばんは...美咲さん...いいえ小林有理沙さん。あなたをずっと探してました。」




