Vo.17
今回から高校時代の話です!
有理沙が千夏に話す形なので、若干読みづらいかもしれないです。
始まりは高校1年のときです。
まあ、私小太りだったんですよ。自分では一切気にしてなかったんですけどね。だから生まれてから恋愛にも恵まれず、洋楽とファッション雑誌に囲まれて生きてきたわけですよ。はい。
あいつとの関わりが始まったのは秋からです。共通点?ないです。
私図書委員だったんですね。というのも図書室っていうのが先生も一切来ないもんで無法地帯化していて、私にはもってこいだったんですよ。私...そこまで真面目じゃないですよ先輩。だって普通に図書室でiPod聞いてたんですから。
あっ話それました。この辺りで分かると思うんですけど、あいつが秋から図書委員になったんです。最初はお互い話もしなくて。あいつはPSPやってるし、私はGossips読んでるしで。
「...」
「...」
本っ当お互いが存在してないみたいな。まあ興味無かったし、名前すら知らなかったんですから。
でも、ある日突然ですよ突然。
「...おい。」
あいつが話しかけてきて。
「...」
いや、無視したわけじゃないですよ。まさか自分に話しかけられてるなんて思わないじゃないですか!えっ?他に人がいたかってことですか?....いないかったです。
「おいっ、小林!」
お尻がイスから3センチくらい浮きましたよ。今まで話さなかった奴が自分の名前知ってるんですよ?結構な衝撃ですよあれ。
「なんであんた私の名前知ってんの?!」
「いや...クラスメイトの名字くらい知ってるだろ。」
「私、あんたの名前知らないよ。」
それがあいつとの初めての会話です。
あいつの顔今でも覚えてます。すごかったな~目が見開いて眉間にシワが寄って、"ありえない"って感じの顔でした。
「僕のこと知らないのか?」
「知らない。興味ないもん。」
「クラスメイトの名前そろそろ覚える頃だろ?」
「クラスメイト....ほとんど覚えてないや。興味ないから。」
「....」
元から興味ない人の名前覚えるの苦手なんですよ。失礼?はい...自覚はしてるんですけど...どうしようもないんです...
「で、なに?」
「...下の名前聞きたくてさ。」
「は?」
「お前、面白いから。聞いておこうと思って。」
こいつ意味不明って思いましたよ。
だって初めて話しかけられたのに、なにこの"元から知ってました"的な。"観察してました"的な。
「なんで教えなきゃいけないの?」
「いいよ。教えたくなければ。」
それで少しむっつりするんです。腕と足を組んで。秘密を教えてもらえなかったガキンチョかって心の中で突っ込んじゃいましたよ。
「有理沙。」
「ありさ?どういう字?」
「有るに理科の理に沙。」
「ふぅーん。」
それだけ言って、私はまたiPodでガガ様聞き始めたんです。そしたら覗き込んできて。
「誰の歌?」
ホント理解不能。つい2分前まで一度も話したこと無かったやつが普通に話してくるんですよ?不気味ったらありゃしない。
「ガガ様。」
「ガガ様って...レディー•ガガ?」
「そ。」
無愛想ですって?名前も知らないやつにいろいろ聞かれたらそうなりますって。
まあ、覚えてなかった私も悪いんですけど。
「好きなんだ。レディー•ガガ。」
「うん。人として好き。」
「そっか。」
その日はその会話で以上です。そのあとはいつも通りだったんですけど、この日から何かが変わりましたね。絶対。