表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/34

Vo.14

今回はちょっとベタな友情物語が(笑)

「ふぅ....」


千里は寝た。


あれから家にかえって来て、少し元気になったけどいつもの千里のようにニコニコはしてなかった。ショックが大きかったんだろう。



「千里....」


ピンポーン、


誰だろう....こんな遅くに来るような人なんて私にはいないけど....


「はい?」


「美咲ちゃーん!千夏でーす!」


「あっ!千夏先輩!」


実は千夏先輩は数回ここに来たことがある。


でも、まさか部屋番号を覚えてるとは。


「今近くまで来てたから来ちゃいました!入ってもいい?」


「はい、どうぞ~。」


マンションの入り口を開けた直後に後悔した。


....千里のことなんで言おう?めっ姪っ子?それが1番説得力あるか。


少し全体を片付けた。ざっくりと。


ピンポーン、


「はーい。」


「こんばんは~!お邪魔しまーす....あら?ごめん、誰か来てた?」


先輩は小さなピンク色の靴を見て言った。


「姪っ子です。今は寝てるんですけど...」


「あ~。そうなの?じゃあ長居はできないわね~!はいっ、お土産!」


先輩は私に小さな袋を渡した。


「ありがとうございます。」


「いやー、それにしても相変わらずキレイな部屋ね~。...おっ!ちゃんと勉強してるんだ~!えらいっ!」


千夏先輩は机の上の雑誌の階段を見た。


ヤバイ、片付けるの忘れてた!景色に風化してたからな~。


「あっすいません...」


「いいのよ、気にしないで!押しかけた私が悪いんだし!」


先輩は雑誌を一冊パラパラとめくった。


「そーいえば、PV撮影どうだった?」


「おかげさまで、スタッフさんに良くしてもらえてうまくいきました!」


「本当?スタッフも来たのがあなたで良かったでしょうね!美香は業界でかなり嫌われてるから!」


さすがいじわる先輩。


「やっぱり、スタッフさんに対する態度が悪かったからですか?」


「そう。まあ、今は表に出ないようにしてるけどね....でも、美咲ちゃんも気をつけて。問題はここからよ。」


千夏先輩は私以外誰もいないのに声をひそめる。


「と、言いますと?」


「今、美香は自分の地位を取り戻そうと躍起になってるわ。カムバックするために他のモデル仲間を売る確率も出てくるから。」


???


「モデル仲間の情報を売る代わりに、特集を組めとかそんな感じよ。テレビに裏情報を暴露するとかね。美咲ちゃんは美香の埋め合わせだから、逆恨みされそうだし....」


いやっ!困る困る困るっ!!やめてくれよいじわる先輩っ!!!


てかあんたが悪いんでしょうが!


「まあ美咲ちゃん新人だから、まだネタになること無いでしょうね。だから今は安心して!」


良かった。これからも新人でいきたいな。そしたらずっとネタなしなのに。



「あっそうだ!姪っ子のお顔拝見してもいい?子ども大好きなの!」


「あっ、いいですよ。」


先輩は千里に歩み寄る。


「うわ~。かわいい~!まつ毛長~!」


確かに千里は天使だ。


「ありがとう!いいな~!こんなかわいい姪っ子がいて~!」


うーん、やっぱり千里が姪っ子ってしっくり来ないな....。



「いやー、かわいい~!もぉ~ホント....」


先輩は何かが目に止まったみたいだった。


「ジゼル....」


ジゼル•ブンチェン....世界のモデルで最も稼いでいるモデルだ。


先輩はジゼルが表紙のファッション雑誌を手にとっていた。


「美咲ちゃん、ヴィクトリア•シークレットって知ってる?アメリカの下着ブランド。」


「はい、もちろんです!スーパーモデルの登竜門じゃないですか!」


モデルなら誰もが専属モデルになりたいと望むブランドだ。日本ではあまり有名じゃないけど。


専属モデルになったあかつきにはスーパーモデルの仲間入り同然だ。


「私ね、ヴィクトリア•シークレットの専属モデルになるのが夢なの。」


「えっ!そうなんですか?」


「うん。でもね....」


「?」


「....私、身長が170ないのよ。ほら、海外でやっていくなら170ないとダメじゃない?だから、悩んでて....」


....先輩の顔は苦悩に満ちていた。いつもニコニコと笑顔を絶やさない先輩にも、悩みがあるんだ....そう思うとなんか胸が痛くなった。


「...先輩、ケイト•モスっているじゃないですか。スーパーモデルの。」


「ええ。」


「ケイト•モスも身長170ないですよ。それに何回スキャンダル起こしても、あの個性でカムバックを果たしてるんです。だから、スーパーモデルに絶対170ないといけない訳じゃないと思いますよ。」


「....そうなの?」


「先輩には強いオーラもありますし、世界でもいけますよきっと!」


先輩はしばらく下を向いていた。


励ますつもりだったんだけど....まずかったかな....?


急にガバッと先輩が抱きついた。


「うおっ!」


「ありがとう美咲ちゃんっ!私これ誰にも相談したことなかったの!あなたで良かった!ホントに!」


なっなんか恥ずかしい...でも、良かった。


「私頑張るわっ!ありがとうっ!燃えて来たわっ!!」


と言って先輩は一直線に玄関に走っていった。


「事務所に話してくる!」


「えっ、今からですか?」


もう9時回ってるんですけど!


「行くっ!それじゃあ!」


そう言うが早いがとびらを開けて走っていった。


あ......心が状況についていけない.....



部屋に戻った。


行動早すぎです先輩.....!


ふと携帯を開けた。なんか落ち着きを求めて。


不在着信1件、と書いてある。


あいつ。


あいつからだ。掛け直したほうがいいかな?


いいやめんどくさい。放置。お風呂入ろっと!


プルプルプル、


まさか....


着信、あいつ。


無視したい。でも.....いやっ、いいだろ無視して!いやっ.....


「なに?」


「....有理沙?」


来たよ。







勝手ながら更新早すぎたので、少しセーブしていきます....これだと休み終わったらキツイので.....(−_−;)


このペースで慣れてしまった人、ごめんなさい(泣)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ