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Vo.13

今回は話の設定上かなりシリアスです。


お気をつけを(笑)!

それは有理沙が都内を揺れながら歩いてたときだった。


「あー!ただいま~!」


やかましく神山みちるが帰ってきた。侵入してきたと言った方が正しい。

ベビーシッターの鈴恵と千里は睨みつける。


なにがただいまだ。


神山は人の家で服を脱ぎ始めた。


はしたない。有理沙さんだったらあり得ない。


鈴恵は考える。そもそも有理沙さんはこいつのせいで出て行ったのかと思うと怒りで気が狂いそうだ。


神山は下着姿になり全身鏡の前でポーズをとった。


「鏡よ鏡....世界で1番美しいのはだぁーれ?それは.....わ•た•し!うふふ....」


千里は吐きそう、という顔をした。


そしてあり得ないことに、勝手にいろんなところをゴソゴソしだした。


「やめてください。葵さんに失礼です。」


鈴恵はダメと分かっていても言った。


「はぁ?おばさん黙っててよ。それともなに?マスコミにあのことを知られても?」


鈴恵は引き下がった。あのことを出されるとどうしようもできない。あれが知られれば葵は俳優を続けられないかもしれない。


そして、新たな秘密を探してるのだ。....葵を自分のそばにいさせるために。


「やっぱり無いか。何回も探したもんな。」


神山はつぶやく。ちらりと千里を見た。


「千里さんは関係ありませんっ!この子を巻き込まないでっ!」


鈴恵は千里を抱きしめた。


「ちさとぉ~あんたなんか知ってる?葵くんの元カノとか?」


千里は"もとかの"がなんなのか分からなかった。

でも千里も子どもながらに嫌いな女が下着姿でうろつかれるのが気持ち悪いと思った。



神山は千里の部屋にづかづか入っていく。


「やめてくださいっ!!」


千里の机をあさり始めた神山を鈴恵は抑えようとする。


「ちさとのたからものにさわらないでぇっ!」


千里は神山をぶち、泣き始めた。




「おいなにやってんだよ?」


葵が帰ってきた。


「あっ、おかえり。ん....?」


神山は何かを見つける。


「おかえりじゃねえよ!!千里のものには.....」


「誰このデブ?」


見せた写真には葵、千里、鈴恵、そして、まだモデルになる前の有理沙が写ってた。


葵は写真を取り上げた。それを泣きじゃくる千里に握らせる。


「千里、はい。」


葵は千里を抱きしめた。


「なに?元カノ?」


「関係ねぇだろ。」


千里を抱きしめながら神山を睨みつける。


「あ~。元カノなんだ~。あんたこんなの趣味なの?」


「黙れっ!!!」


葵は千里を引き離し、怒鳴った。


こんな顔を葵さんがするのは何年ぶりだろう。有理沙さんがいたときは....



「千里には手を出すなって言っただろう?!」


「べっ...別にいいじゃない。机をあさっただけよ。」


神山は今までにない葵の怒りに少しうろたえる。


千里は葵の顔を見てまた泣き出す。いつも優しいお兄ちゃんが怒ってる。


「だれよ?あのデブ?」


「ありさをわるくいわないでよぉ.....!」


千里のつぶやきは運悪く神山の耳に届いてしまった。


「ありさ?へぇ~ありさって言うんだ....こいつ。ふんっ、デブのくせに名前は可愛いのね。」


バリィーン!!!


部屋に甲高い音が響いた。


テーブルの花瓶を葵が殴り割ったのだ。葵の手からは血が流れ始める。


「ああっ....!葵さんっ!!!」


鈴恵は葵に駆け寄った。鈴恵が買ってきた花は無残に散り、破片と混ざり合っている。


葵は怒りに震えてる。自分のケガにも気がついていないようだ。




「うわぁぁぁぁぁぁん!!!」


泣きながら千里は家から飛び出していった。


「千里さん!」

「千里っ!」


慌てて2人も家を飛び出す。千里は小さかったため姿が見えず、声を頼りに追いかけたが途中からその声も聞こえなくなり、ついには見失ってしまった。



正確に言えば、見失ったのではなく偶然通りかかった有理沙が千里を見つけ、連れて行ったのである。






「....なるほど。私が連れて行ってかえって混乱させたのね。ごめんなさい。」


私は経緯を鈴恵さんから携帯で聞いた。


今はすぐ近くの公園で荷物を置き、千里を慰めていた。


千里は私のひざで寝ている。



「いいえ...有理沙さんは悪くないです。逆に千里さんが誘拐とかに巻き込まれずに済んで良かった...」


鈴恵さんはすすり泣いている。


「メスヒョウは?」


「逃げました。帰ったらいなくなっていたので。」


気まずくなったんだろう、あいつなりに。


「昨日あいつが....電話してきてくれて良かった。じゃなきゃ私、千里のことを連絡できなかったですから...」


そう。私の電話している先はあいつの携帯だ。あいつは今、怒りすぎて話せる状態じゃなかった。


「ちょうど良かった。今、千里の部屋のものがあるんだ。一日ぐらいなら泊まれますよ。」


「でも、お仕事は...?」


「明日は無いんです。大丈夫ですよ。」


私はなるべく元気な声を出した。


「ありがとう...その方がいいわ。千里ちゃんのためにも。」


千里の頭を撫でる。


「あいつにもそう言っておいて下さい。...あと手、お大事にって。」


「分かりました。それじゃあ。」


電話を切った。


千里...辛かっただろうね.....ごめんね。守ってあげられなくて。


神山がかなり嫌なやつでしたね....はは。


次からはまたいつものに戻るんで安心して下さい!

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