表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/34

Vo.11

「美咲さんの顔が今にも食べられそうな小動物みたい...やっぱマジキスはきつかったか!」


モニターに人が群がる。

.......


「美咲さーん、おーい。」


「.....私の魂は食べられてますか.....?」


私は思わずつぶやく。


「?美咲さん?大丈夫ですか?」


もう、いや。


「美咲さーん。植草さん、手加減してあげてくださいよ‼」


悪魔の王様は私の魂を食べて満足したようだ。後味を楽しむかのような顔だ。


「そうでしたね....美咲さん、大丈夫ですか?」


悪魔だ。今さっき私の魂を喰った悪魔だ。


「うーん、もう一回ウソのキスでやりましょうか!」


私は立ち上がり、水を一杯口に含む。


気持ちを落ち着かせる。


「美咲さん....?」


「大丈夫です。続けましょう。」


もう何も怖くなくなったわ。1番恐れてたことが起こったんだもん。



どっからでもかかってこいや~‼



「お願いしますっ‼」


「....あっはい!それじゃあテイク2入りまーす!」


アスファルトに寝る。熱いけど、どうでも良くなった。


「3.2...!」


はい、さっきと一緒。近づくでしょ?笑うでしょ?しゃがむでしょ?顔近づけるでしょ?私幸せでしょ?


終わり。


「はい、カット!オッケーです!」








「一日目お疲れ様でした!暑かったですね~」


「本当ですね~!」


私は着替えながら衣装さんと話していた。


「明日はスタジオだからいいんですけど...」


「確か、全部夢だったっていう展開ですよね?」


「そうです。まさかの夢オチです。」


悪魔に魂食べられたことも夢にしてくれないかな...?


「美咲さん、私服おしゃれですね~!」


「ありがとうございます!今日はミランダ・カーを参考に....」


衣装さんと2人で出て行こうとした時だった。


「美咲さん。」


出た。悪魔。もう怖くないわ。Tシャツにダメージジーンズ。前はダメージジーンズなんてはいてなかったよね?悪魔さん?


「なんですか?」


「メルアド....もらってもいいですか?」


しまった‼そのこと忘れてた‼


悪魔にメルアドなんて渡したら魂をタダで売ったようなもんだぞ?


でもどうしよう?超古い手を使うか?


「ごめんなさい。携帯家においてきてしまって....」


必殺、携帯おいてきてしまった攻撃っ‼


はっはっ!どうだ?悪魔めっ‼


「そうですか....じゃあ、誰かが持ってたらもらってもいいですか?」


この現場じゃあ誰もいない。はっはぁ~‼


「ええ。いいですよ。それでは。」


私は営業用スマイルを浮かべてその場を去った。



「やっぱり植草さんかっこいいですよね~!オーラがあるっていうか...」


衣装さんも悪魔の暗黒オーラを感じ取ってるんだ~!


「確かにオーラありますよね。」


「銀色のオーラと言いますかね!なんなんでしょうね!」


あっ...そっちすか?


まあ当たり前か。


「あっやーまーしーたーさーん‼」


「イエーイ美咲ちゃん!お仕事お疲れちゃん!」


山下さんとハイタッチした。


「それではここで失礼いたしまーす!」


衣装さんと別れて、車に乗った。





「いやー美咲ちゃんのスタッフ受けがいいこといいこと!」


「そうなんですか?」


山下さんは車を運転しながらカプチーノを飲んだ。私はひたすらぼーっとしてた。


「ほーんとよー!またお仕事来るかもねー!」



今度はラブストーリーはやめよ。絶対。








お風呂から出て、美顔器を浴びてるときだった。

プルプルプル、


知らない電話番号だ。誰だろう?


応答ボタンを押した瞬間に、誰だか分かってしまい激しく後悔した。


「あーりさ。今日楽しかったね。」


ピッ。


切った。


いや、待てよ?一体誰から....



プルプルプル、


「誰から聞いた?」


「おいおい、切るなよ~。君のマネージャーだよ。出っ歯の。」


やーまーしーたーさんっ‼言ってよー‼


「普通に教えたの⁈」


「君に許可もらったって言ったらあっさりね。サプライズしたいから、言わないでって言ったんだ。」


山下さんはサプライズって言葉に弱い。これはもう本能みたいなもんだから、仕方ない。


ピッ。


切った。


美顔器の電源を切り、ベッドに向かう。


プルプルプル、


なんだよっ‼


「なにっ⁉」


「だから切るなって!話があるんだよっ!」


ちょっと怒り気味。


「なに?」


「俺たちもう一回、切るなよ⁈」


ちっ、ばれたか。


「別れは言ったよね?パーティでさ?」


「ちゃんと誤解を解きたいんだ。あのときは2人とも子どもだった。僕も真実を君に言うのを恐れてはぐらかしたし、それで君は出て行った。」


私は濡れた髪をかき乱した。






それは一年前のことである。



週刊誌にある記事がすっぱ抜かれた。


"若手イケメン俳優植草葵、Gカップ女優とお泊りデート


今人気急上昇中の若手俳優、植草葵。他にはない、圧倒的なオーラで人気を博しているが、今回熱愛が発覚した。


「お互い熱烈に愛し合ってますよ。アプローチしたのは植草のほうからです。」


関係者は言う。


本誌は濃厚なキス現場もキャッチした。明らかに顔がはっきりしている。


お相手はGカップの元グラドルにして女優の神山みちる。○月X日、2人は都内のバーで待ち合わせ夜景デートを楽しんだあと、ホテルへチェックイン。


「ホテルのチェックインの時もずーとイチャイチャしてましたよ。周りの人が引くらいに。」


某ホテルのスタッフはそう言った。


この記事が出ることで植草葵の仕事に支障が出ないか不安である。"


私はこれをコンビニで読んだあと、すぐにあいつに聞いた。でもあいつは都合の悪いことだったため、はぐらかした。


『仕事の都合上仕方なかったんだよ。ネタ作りのために事務所にやらされてさ。君には分からない世界だよ。』


なんかまるで私が悪いみたいになった。


しかも、やらされたってどこまでやらされたの?ねえ?ホテルに泊まったんでしょ?その日って仕事で帰れないって言ってたよね?


この頃からケンカが増えた。私は自分の頭を冷やしたいからしばらく出てっていいか聞いた。

あいつは許してくれなかった。


毎晩毎晩私は泣けてしまった。生まれて初めて自分の顔や体型のことを考えた。


かなり気を病んでしまい、体重は二ヶ月で五キロも増えた。

でも噂は加速するばかりで、挙げ句の果てにメスヒョウの声明。


『私は、彼と交際しています。』


あっさり認めた。


私が子どもだったのと、まだあまり芸能界を知らなかった。それも原因だった。


ついに、私はあいつに何も言わずに家を出たのだった。






「そうだね、そうだね、確かに私も幼稚だったよ?でもさ、なんで全部説明しなかったの?私が分からない世界なら教えて欲しかった....」


「有理沙...ごめん。自分の現実から目を背けたかったんだ....」


私はため息をついた。


「あんたさぁ....これで私がどうなったか知らないでしょ?」

長くなったので若干中途半端なところで切ります。

有理沙がどうなったかは....次回(笑)!

でも、期待しないでください。それだけ言っておきます!


ミランダカーっていう人は、リプトンのCMで「ヤバイネ、リモーネ~♩」と歌ってる人です!

モデルさんです~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ