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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
8:赤い実はじける大使館

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83/198

8-6

翌日、朝いちばんに連れてこられたのは日本側のトンネル出入口建設予定地であった。


最終決定権を握るヴィクトワール上級魔術官に見てもらわないと確定できないのだ。


「で、ここが候補地?」


成田空港から程近いゴルフ場に車を止めると「候補地案の1つ目ですね」と毒島課長に告げられる。


廃業して市が競売にかけているゴルフ場だそうだ。


「ふうん、でもどうやってつなぐかねえ」


「問題が?」


「平面だと繋ぎづらい、繋げなくはないけどある程度地下に向かって傾斜した道のほうがつなぎやすいし工期が短縮できる」


「工期が伸びるというのはどのくらいですか?あと傾斜の角度は?」


口をはさんできた名梶さんにヴィクトワール魔術官が絵をかきながら説明する。


俺にはさっぱりわからないが通訳のヘルカ魔術官をはさんでああだこうだと話し合った末に「こちらがやはり妥当ですね」「だな、面倒だけど」という結論に至った。


飯島が「もう1つの候補地行かずに済んでよかった」とつぶやいたので聞いたら、筑波山北山麓という答えだった。確かに面倒そうだ。


その後は成田空港や鉄道設備を見学しながら都心に戻り、今度はトンネル事業への出資希望企業を回って出資額を確定させるための打ち合わせに向かうことになった。


本来であればそう滅多に会えないだろう大手企業上層部の人間が異世界とのつながりからビジネスを広げようと日本に大挙しているのを見ると異世界ビジネスに賭ける熱意に困惑すらしてしまう。


なお飯島と毒島課長はさっさと本省に戻ってしまったので、話を随時意訳しつつ相槌を打つだけの置物と化していたのは言うまでもない。




****




そんな企業との打ち合わせ巡りを3日で終えて出資額を確定させ、ついに日本-金羊国の通路建設の入札が行われる日となった。


今回は注目度が高いこともあってメディアの撮影も入るということで昨日のうちにクリーニングに出したスーツを着用し、全員が昨日乗ったのと同じベンツに乗って移動することになる。


「ところで、この入札に参加するの全部日本国内の企業だけど文句は来てないのか?」


「上が根回ししてたみたいだな。まあ地球と異世界の窓口としての業務を全部請け負ってるんだ、役得の範囲だろ」


飯島の言い分だとそういうことらしい。


今回は通信大手とゼネコンでコンビを組んでもらい、まず自社が請け負った場合のメリットやデメリットを説明してもらう。これは金羊国側の関係者向けの説明なので逐一俺とヘルカ魔術官が通訳することになる。


最後に鉄道・通信インフラ部分込みでの予算を出してもらい、それを見ながら金羊国側の3人が予算とメリット・デメリットを照らし合わせて俺や名梶さんが助言しつつ決定する形をとる。


金は出すのに口は出さないという態度なのは、俺は金羊国側の事情が分かれど土木の素人・名梶さんは土木の専門家ではあっても金羊国の事情を知らないから下手に口を出して日本側に責任を押し付けられても困るからだ。


この辺の入札の流れを説明するとエルヴァル物流担当官は「南の国の入札会制度と違ってこちらは値段を下げるためのものなのですね」と感心していた。


「入札会は金羊国でも行われてるので見たことありますがあれは地球でいう競り市のほうが近いですかね」


以前見た記憶を基に引っ張り出しながら「金羊国でも入札制度が行える人材を育成したいですね」とつぶやいていた。


ちなみにこの入札の仕切りは飯島たち平行世界局職員である。畑違いすぎて大変だろうが頑張ってほしい。


そうこうしているうちに会場が整った。






「それでは、入札を開始します」

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