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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
8:赤い実はじける大使館

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8-5

上野から首都高と中央道で30分強、わやわやと喋りだす面々を通訳したり質問攻めされたりしながらのドライブの末にたどり着いたのは国立市内のとある施設だった。


「鉄道総合技術研究所……?」


「お待たせしました!この度金羊国との通路建設における鉄道部分の研究を担当しますJR総研の井井上秀夫(いのうえ・ひでお)と申します!ってホントにもふもふだ!黒猫のお姉さん触っていいですか?!」


建物から走って現れたと思ったらほぼノンブレスでヘルカ魔術官を撫でようとするのをやんわりとエルヴァル物流担当官に止められている。


その様子を言い表すなら、やたらとテンションの高いアキバ系としか言いようがない。


スマートとはいいがたい体格を包むよれたネルシャツとズボンをごまかすように羽織ったベンチコートに、今時見なくなった小渕恵三みたいな眼鏡(セミオートフレームというらしい)といういでたちである。


たぶんベンチコートを脱いでリュックとバンダナを付けたら平成の世でよく見たアキバ系ファッションが完成するレベルだ、というか今時いるのかこんなやつ。


ヘルカ魔術官にひとしきり興奮したところで正気を取り戻して「ああ、申し訳ありません。念願の猫耳少女につい荒ぶる心を抑えきれず……」とよくわからない言い訳をした。


「今回は鉄道総研内部を見学いただきながら金羊国・外務省双方の関係者の皆様に鉄道への理解を深めていただくことを目的としてこの井上がご案内させていただきます。本当なら大宮の鉄道博物館にでもご案内するべきなのでしょうがあそこは弊研究所の施設ではありませんし一般向けとするには少々解説が少なくて(以下略)」


よくわからない相手に距離を取りたいのかエルヴァル物流担当官を壁にするようにヘルカ魔術官が立ち位置を変え、さっそく見学することになった。


鉄道の基本的な仕組みから鉄道を金羊国まで開通させるメリット、今回想定されている規格と運用についてまで図説や実験付きで丁寧に説明してくれた。


貨物をJR貨物・旅客を異世界との出入口となった廃駅を所有する私鉄が運用するがこの2社はレール幅が違うのでレールを3本敷いてどちらでも運用できるようにする計画だ、というのは初耳で勉強になった。


「では拙者はこれで。お越しいただきありがとうございました」


この匂い立つような癖の強さがなければいい人なのだろうがな……。




***




再び都心方面に戻ると連れてこられたのはおなじみの霞が関、ではなく永田町であった。


「なんで永田町に?」


「お偉いさんがたへのあいさつ回りだな、俺らは付き添い兼通訳」


ヘルカ魔術官が「この後も人と会うんですか?」と飯島に聞いてくるので「もうお昼だから先にご飯にしましょうか」と切り出してくれる。


「何か食べたいものとかあります?」


「お任せします」「こっちでしか食べられないものがいいかな」「カレーライス!」


毒島・名梶両名には悪いが客人である3人の希望を聞くとこの調子である。


まあそりゃそうか、ちなみにカレーは日本に慣れつつあるベルカ魔術官の希望だ。


「この辺なら国会図書館の食堂とかか?」


「あそこの食堂もう営業してないぞ。国会議事堂の食堂にしないか?あいさつ回りは1時半以降にしてくれって言われてるから見て回る時間も作れる」


「じゃあそうするか」

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