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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
8:赤い実はじける大使館

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8-4

「久しぶり、真柴」


「なんかちょっと前に会った気がするんだけどな」


初対面となるヴィクトワール上級魔術官とエルヴァル物流担当官に飯島のことを軽く紹介すると「彼女が例の問題児か」と俺に聞くので軽く頷くだけにとどめる。


まあ問題児なのは間違いないが雇用契約を結んだのはハルトル宰相なので俺がどうこう言う権利はない。


飯島が片言の大陸標準語(金羊国を含む大陸一帯の言語をアメリカの言語学者がそう名付けた)で「すこしの歩き、大丈夫ですか?」と聞いてくる。


覚えたのかという俺の新鮮な驚きはともかく、3人は「大丈夫」とそろって答えてくる。


飯島を先頭にぞろぞろと歩いて近くのコインパーキングに向かうと黒いメルセデス・ベンツが止まっている。


「いつもの赤いのじゃないんだな」


「今回は同行者が多いからミニバン借りたんだ」


コンコンと助手席のドアを叩くと運転席とその後ろの席から二人の男性が下りてくる。


助手席から降りてきたのは黒っぽい肌をした長身の中年男で、その後ろから降りてきたのはシャツの上に国交省の刺繍の入った作業着にスーツの青年だった。


飯島の隣にすっと立つと名刺をさっそく取り出してきたのは黒い肌の男性だった。


「外務省平行世界局金羊国課課長の毒島琉安(ぶすじま・るあん)です」


ご丁寧に大陸標準語の文字によるフリガナまでふってある仕様の細かさには頭が下がる。


あちらには名刺文化がないので作っていなかったが、作っておくことで覚えてもらいやすくなるだろうか……?


そして名刺への反応も様々だ。


興味津々で貰った名刺をじろじろ眺めるヴィクトワール上級魔術官に、何か書き込んでる(書いてる内容は見えない)エルヴァル物流担当官、そして。


「ひーへん?」「ルアンです」


「このつづりだとひーへんだと思うけどなあ」


「元の名前のつづりをそちらの文字に置き換えるとこういうつづりになるはずなので」


毒島課長と名前のつづりで揉めているヘルカ魔術官を見て、専門家と相談してほしい気分になる。というかその問題ぜったい長くなるから後にしてくれ。


控えめに「あのー、僕もいるんですが」と声が上がる。


「えっと、国交省から出向して今回のトンネル事業のほうを担当させてもらいます名梶優生(なかじ・ゆうせい)と申します。


正月明けに移ってきたばかりでまだ名刺もないので国交省時代のものになりますが、よかったら」


渡された名刺は鉄道建設・運輸施設整備支援機構陸新幹線建設局となっており国交省からの出向じゃなかったか?と思って聞いてみると、国交省鉄道局から鉄道建設・運輸施設整備支援機構に出向していたらしい。


(ようやく本省に戻れると思ったら全く畑違いの外務省にひとりぼっちにされたわけか……)


その境遇の哀れさにはもう合掌するしかない。飯島はともかくアクの強い金羊国の面々に振り回されるだろうが強く生きてほしい。金羊国に来たらお茶でも奢ろう。


「ところで、この後直で外務省に行くのか?」


「いや、現時点でトンネル建設にからむのがほぼ確定のところがいくつかあるからまずはそこに挨拶だな。あと早く俺にGLB180運転させてほしい」

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