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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
7:大使館はウィンター・バケーション

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7-7

「そう言う事ですね。そこで交渉なのですが、ヴィクトワールさんが金羊国要人としてなら留学や訪日許可を出せるんですがどうでしょうか」


「大使それ司法取ひ」


嘉神の怒りはもっともだが嘉神を手で静止させ、俺は言葉をつづける。


「言い方が悪くなりますが、金羊国は日本にとって重要な友好国です。その友好国が認めた人物であれば日本政府としても簡単にそう文句は言えません」


「飼い主のいない犬は遠ざけよ、ってことか」


のちに聞いたところによると、この言い回しは元が分からないものは信頼されないという意味合いのことわざとして主に西の国で使われているらしい。


「それに地球……こっちの人から見れば異世界ですが、こちらの世界の皆さんが思うほど平和でもありませんし、魔術は()()()()便()()()()()のを考えたら国というひも付きのほうがお互い面倒がない」


「50年以上戦争してないって聞いたんだがな」


匂わせたのは彼女自身が地球で狙われる可能性だ。


魔術という科学を超えたチート過ぎる代物が犯罪組織やアレな国に狙われて軟禁なんてなれば本人も嫌だろう。


金羊国のひも付きであれば地球でちょっかいかけられても日本政府が動けるし、金羊国と共闘できる。


「まあ戦争してない=平和ってことでもないか」


「どんなものでも正規の手続きを踏んだほうが余計な手間がなくて案外楽なんですよ」「だな」


そのあたりは直感的に理解してくれたようで何よりだ。


「金羊国側との交渉の余地もあるのでは?」


ぼそっと「やっぱり組んでやがったな」とつぶやくのが聞こえた。


疑いはしてても少し気付くのに遅れたようだ。


「金羊国要人になって金羊国人として来日して研究に勤しむ、これが三方良しの答えだと思うのですが」


「まあ誰も損はしないわな、もしそうしたとして日本側は金羊国を守る気はあるんかね?」


「友好国ですから」


答えにならない答えを告げると納得いかなさをにじませつつ帰っていった。


とりあえず異世界屈指の大犯罪者の来日は回避できたらしい。




(まあ、あとは金羊国側にお任せだな)




日本には入国できないし不法入国も回避したほうが良さそうだと分かってくれれば十分、後どうするかは大使館……というか俺たちの知った事ではない。


「いいんですかあんなこと言って」


「今回の目的は犯罪者であるヴィクトワール・クライフに日本への難民申請を諦めてもらう事であって、入国を諦めさせる事ではないだろ」


「まあそうですけど」


「ハルトル宰相なら日本に連れて行くときはきっちり首輪つけてくれるだろ」


「……篤い信頼ですね」


「あの人は十分信頼に足る人だと思ってたが?」


まだどこか不安げに嘉神がうなる。


その心配が正しいかどうかはさておいて、もうすぐ冬の休暇に入る。


「悩むのはその辺にして、来週には日本戻るんだからその準備の事を考えておいたほうがいいぞ」

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