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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
6:大使館に休みはない

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65/87

6.5-前

秋の収穫祭後、大使館は4日間の休みに突入した。


元々の休日(地球の休みに合わせて土日は休みなのだ)に準備のための休日出勤した分の振り替え休日を足して4日という訳である。


秋の心地のいい日差しの中で惰眠を貪り、飽きたら適当な読み物(個人的に持ち込んだり買って来て貰った本だ)を読み、そして読書に飽きたらスマホに入れてある音楽を聴きながら部屋の掃除。隙間隙間にトイレや食事。


「……もうすっかり暗くなってるな」


窓の向こうが暗くなっているのを見て思っていたよりも掃除に集中していた自分に気づかされた。


日本にいた時も同じように過ごしていたが、こちらにはLEDも蛍光灯もないので日が沈むと真っ暗だ。掃除も楽じゃない。


ブリキバケツと雑巾を左手に、右手にLEDランタンをもって自分の部屋を出ると木栖が「真柴か」と声をかけてきた。


「休日なのに掃除か」


「こういう時じゃないとやる時間もないし、掃除機が無いから時間もかかるしな」


大使館内のルールとして頼まれない限りは自分の自室は自分で掃除する決まりになっている。


2人には『外交騎士ほどの人が自分で自室を掃除するんですか?!』と驚かれたが、現代人の感覚としては個人のプライベートに立ち入られたくない気持ちのほうが強い。なので長期不在のとき以外は基本的に自分で掃除をしている。


「ホースの先に布袋をつけてホースを回すと吸引力が出るぞ」


「……ホースを顔面にぶつけそうだから遠慮しとく」


まず建物の入り口わきに備え付けたろ過装置に流しておき、井戸でざっと雑巾をすすいで手も洗っておく。


「バケツと雑巾運んでおく」「ありがとう」


井戸水もだいぶ冷たくなってきて、吹き渡る風が冷たく思える。


そろそろ秋も終わりだろうか。


ごしごしと手をハンカチで拭いポケットに乱雑に戻すと木栖が戻ってくる。


「昼間市場で新聞を手に入れてきたんだが、読むか?」


「新聞あったのか?」


ようやく印刷技術が生まれたこの世界に新聞があるのは予想外だったが、南の国では最近新聞社が流行りの業種だそうで読み終えたものを柔らかい鉱石の梱包材などとして使うようになってきたらしい。


「にしてもよく見つかったな」


「運良くな、納村にも貸したから今はあいつのところにあるはずだ」


「わかった」


そんな話をしているとそろそろ夕飯の時刻だと思いだす。


新聞は明日にでも読ませてもらおう。

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