表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
6:大使館に休みはない

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/77

6-4

日々の業務の隙間を縫っての留学生勧誘会の準備は多忙を極めた。


外務省から留学生勧誘担当の割り当ての問い合わせ、金羊国側との打ち合わせ、そして外務省経由での問い合わせ対応etc……緊急性の低い日常業務を後回しにせざる得ない状況だった。


「それでどれぐらいの国の方が我が国にお越しいただけるんですか?」


クワス教育統括官が朱鷺色の翼を膨らませて全身でワクワク感を伝えてくる。


純粋に他国からの来賓受け入れへの期待感がそうさせてるのだろうと察せられるので、俺としては何も言う事が出来ない。


「留学生受け入れを示した5か国すべてが担当者を送ってくれるそうです」


「ほんとうですか!」


「言葉には苦労するかと思いますがその時は大使館の人間に頼っていただければ」


「助かります、楽しみだなあ!」


子どものような面持ちでそんな風に言うので、単純にこの人が異世界人と交流したかっただけじゃないか?という疑いの気持ちすら沸いてくる。


「それと、いくつかの国からハルトル宰相との対談や記者の随行許可を求められてるんですが」


「記者の随行ですか?」


その言葉で一瞬反応が変わる。


俺個人としてはこの記者が各国の潜入調査員である可能性も考えているのだが、俺の懸念を言外から感じ取ったらしいクワス教育統括官はちょっと悩んだように空を見た。


「そこは僕の担当ではないので一概には言えませんが担当者と相談はしておきます」


「ハルトル宰相にもお伝えください、何かあれば力になりますので」


時間があれば直接俺が伝えてもいいのだが、このところ俺の多忙もありハルトル宰相に直接伝えるのは難しいだろう。


もうこんな時間だ、大使館に戻らないとならない。


「では、よろしくお願いします」




****




大使館に戻ると木栖が「お疲れ」と俺を労わるように告げる。


「昼食は?」


「これから食べるところだ」


今日も天気がいいからか昼食は中庭に準備されていた。


なんとなく全員で集まって食事をとることがすっかり習慣になったせいか、全員が車座になって食事を待ち構えている。


「すまない」


「今日はチャパティロールですよ」


飯山さんから薄焼きの丸いパンを受け取ると、広げられたおかずを好きなだけ取って巻いて食べるように告げられる。


チャパティにくるむおかずも豊富に並べられているのが嬉しい。


とりあえず全員で「いただきます」と声を合わせると待ち構えていた納村が箸を伸ばす。


「嘉神、来訪予定の担当者の情報は集まったのか」


このところ日本と金羊国を行ったり来たりしていた納村に代わり、昨日から嘉神に来訪予定の担当者について調べて貰っていたが「何人かは」という答えだった。


「不明瞭な人材もいるという事か」


「駐日大使館にいるひとならまだしも本国にいる人だと外務省のデータにないんですよね、いちおう飯島さんたちのほうで調べてくれるみたいです」


「そうか。……杞憂であって欲しいがな」


まだまだ減りそうにない仕事に俺は小さくため息を履いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ